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ケレゴルム「クルフィン、本当に父上そっくりになってきたぞ、お前」
カランシア「ああ、おまえを見るたびに肝が冷える」

クルフィン「いえ、まだまだ匠の腕では父上には…」



フェアノオル家の、右から3男ケレゴルム4男カランシア5男クルフィンです。
長兄のマエズロス・次兄のマグロオルに比べると記述がまるですくない彼らですが、
その記述の、エルフとは思えない個性のきつさ・苛烈さ・華やかさには驚かされます。

フェアノオルは、永遠の生を生きる割には子を生すことが少ないエルフたちの、
史上一の子沢山(…。)で、7人の息子たちがいます。
7人の兄弟は、父がおそろしい誓言をし、モルゴスへの復讐を誓ったときに、
誰ひとり欠けることなく父に従うことを選び、過酷な呪われた運命へと足をふみいれます。

この3人は、シルマリルの物語の歴史のなかで、
とかく悪役のように描かれがちです(苦笑)

しかし、たびかさなるエルフ同士の虐殺・同族殺し、血にまみれ呪いにまみれ、
荒れ果てた中つ国の大地にちらばり、それでも一族をまとめて領主としてつとめ戦い…
兄弟だれひとり離脱することなく、その身が朽ち果てるまで一族をひきいて、異国の地に生き戦いぬいた彼らには、
なにか激しい…眩しい…いっしゅんの光芒のようなものがあります。


3男・金髪のケレゴルム
狩の腕に非常に優れ、力強きヴァラであるオロメに愛され、すべての動物の言葉を学び、
やがて歴史でおおきな役割を果たす、フアンという魔力をもった犬を与えられます。
ヴァラにここまで愛された記述のあるエルフもそう多くはありません。
己の口にした誓言にしたがって最後までシルマリルをめぐる戦いのなかにあり、
裂け谷のエルロンドの祖父にあたるディオルに討たれます。
個人的な妄想では、ケレゴルムは高貴で不遜で大胆な公子らしい公子、という印象があります…///
史上最大の美姫ルーシアン(シンゴル王・エルウェの娘)に執着をみせたエピソードもありますが
(政治的なものであったようにも見える…)さいごまで独身でした。
でも、フィンゴルフィン家の3番目の娘、奔放で情熱的なアレゼル姫ととても仲がよかったようです。
距離がちかすぎて恋には至らないけれど…といった従兄妹同士の微妙さがある?かしら。(妄想込み)
(※エルフでは従兄妹は結婚できません)
アレゼルの悲劇は…ひとことでは語れないものが・・・(涙)


4男・黒髪のカランシア…7人兄弟のなかで、もっとも苛烈、怒りっぽく尊大であったという記述があります。
わたしのイメージでは、エルフの中ではさして美しくはなかったという、母ネアダネル似の息子。
小麦色がかった肌の、正統派美人ではないけれどセクシーで躍動的なラテン系?のイメージです///
のちに、人間の女性の族長・ハレスとのロマンスの感じられるエピソードもあり、
(ハレスもカランシアもさいごまで独身を通します。
また、史上で、エルフの乙女と人間の戦士の婚姻の例はありますが、その逆は無いので、
これはものすごく注目するべきエピソードなのかもしれません。)
どこか苛烈に激しいながらただ純粋に、じぶんの誓言をつらぬき、むしろ無垢なほどに、
灼けつくように戦い抜いたエルフのように思われます…(妄想込み)
それは、火の精にたとえられたフェアノオルの息子にふさわしく。
ケレゴルム兄と同じ戦いで討ち死にします。

5男・クルフィンは、唯一、父フェアオノルの匠としての腕と才能を引き継いだ息子です。
また容姿も、イルーヴァタアル(唯一神)の全ての子らのなかでもっとも美しかったという父フェアノオルにそっくり。
美貌にして天才の二代目…また、クルフィンは7人兄弟のなかで、兄たちをさしおいて非常に早くに結婚しています。(早婚なのも父に似ています)
ケレゴルム兄・カランシア兄とともに討ち死にしています。

クルフィンの息子のケレブリンボオルが、力あるエルフたちがほとんど中つ国を去ったのちの時代に、
姿を変えて接近してきたサウロンの甘い言葉に騙されて、
「ロードオブザリング」の冒頭にでてくるエルフ・ドワーフ・人間の指輪をつくり・・・・
そしてサウロンがそれを支配するひとつの指輪をつくって…
ロードオブザリングの戦いの物語が幕を開けることになります。
クルフィンの息子ケレブリンボオルのすさまじい悲劇はまた別の機会に…(こればっかり)


ケレゴルムとクルフィンは、非常に仲がよかったように見えますv
この7人兄弟で言うと、長兄&次兄/3男&5男/6男&7男(双子)の組み合わせで
動いていることが多いです。

あれ…4男のカランシアは…?(苦笑)
…真ん中ってつらいんだよね!(><) <わたしも真ん中なんです…。

永い人生の早い時期に、伴侶をきめることも多いエルフたちのなかで、
公子でありながら、7人の内ふたり?しか結婚していないというのも、
いろいろとはかないロマンス・華やかな艶聞の想像のかきたてられる兄弟です///
(たしかクルフィンのほかでは、次兄マグロオルが結婚していた記述を見たような見ないような…?)



ケレゴルム「クルフィン、おまえが妹であったらさぞ・・・」
カランシア「父上に似た情のこわい美姫であろうな。それも微妙だ」

クルフィン「・・・・・・。」


ところで、7人兄弟の名前の頭文字が、MMCCCAAなのにはなにか意味があるのでしょうか?