「……はぁっ、ぁっ……」
「………はぁ……」
 艶めいた息を漏らして細い身体が倒れかかってくるのを受け止め、ルークは深い息を吐いた。
 単なる快楽だけではない、深い充足感と、軽い疲労感を齎すその行為を終えると急激に眠気が襲ってくる。
 でもすぐ眠ってしまうのは惜しいし ―――― 何より、流石に先に眠ってしまうのはみっともないと思う ―――― もう少し触れ合っていたくて、必死で意識を繋ぎ止める。
「ん、ごめんなさい………っ………」
 耳元で聞こえていた荒い息が徐々に整い始め。遠慮しいの彼女が性急に身体を起こそうとするのを、ルークはその白い喉に口付けることで引き止めた。
「……へーき。ティア軽いし、むしろ気持ちいーし」
 しっかりとした人の重みとその温かさは酷く心地良くて、ずっとこうしていたくなる。
「…………バカ」
 素直な気持ちを口にしたら、耳元にふわりと甘い声が落ちてきた。
(………あぁ、ヤバイ、すげー気持ちいー……)
 それだけでうっとりしてしまいそうな綺麗な声が、少し掠れて艶っぽくなってて、それがそーゆーことをした所為だと思うとなんだかたまらなくて、ぞくぞくする。
(……てゆか、アレ……? なんか、何時もよりヨかった、んじゃ……)
 普段はルークが主導権を握っているのだが、大体途中で余裕が無くなって、理性がぶっ飛んでしまう。
 それはそれで気持ちいいのだけれど、ひょっとしたら彼女のペースでゆっくりじっくり、の方が気持ち良かったかもしれない。
 下になってる所為で思うように動けなくて、焦れったくてどうしようもなくて、でもそれさえも開放された瞬間の快感を増幅させるもので………。
「…………………」
 さーっと意識がはっきりしてくるのがわかった。
(される方が気持ちいーってどうよ………)
 ―――― 男の矜持、と言うヤツがあれだ、なんだかぽっきり折れた気がする。
「…………ん……」
 ルークが呆然としている間に、今度こそ身体を起こしたティアはもそもそと上掛けで身体を隠し始めた。
 一線を超えはしたけれど、それなりに行為に慣れもしたけれど、やっぱり行為が終わった後で身体を注視されるのは恥ずかしい。そうやって一息ついて彼の方を見やると。
 ルークは何時の間にか、何やらショックを受けたような様子で膝を抱えている。
「…………ルーク? どうかしたの?」
「………なんでも。もうちょっと精進しようと思っただけデス……」
「……………精進?」
 何が、と言うように首を傾げたティアを見やり。
「はぁぁ………」

 ―――― ルークは深い溜息を吐いた。

― END ―
 

 多分世間様と違ってうちのルー君はあまり上手くな……(殴。
 徐々に上達して行けばいいんじゃないかな多分!!
戻ル。