抱き締めて、キスをして。ベッドに倒れ込みながら、彼女の背中に手を滑らせる。 背中に深く入ったスリットを左右に押し開き、細い肩を露出させ。僅かに頬を染める彼女の額と頬に口付けを落とし、其処からもう一度唇を重ねて、探る。 ――――― ここからが最大の難関だ。 そう思ってルークはごくりと小さく息を飲んだ。 (えっと………ここが、こうなって………こう………) 上は無事、脱がせることが出来た。問題はこの先、身体をぴったりと覆う、レオタード状のインナー。 身体のラインがはっきり出まくりで、かなり際どくて。直視してるとそれだけでなんだかヤバいことになりそうで、視線を反らし気味に、でもどうにか脱がせようと奮闘する。 無闇に引っ張るだけじゃ駄目だという事はわかっているのに、気ばかり急いて上手くいかない。 (…………あーもー、どうなってんだよコレッ!!) こんなんじゃヤバイ。ムードが肝心だといっていたのはガイだっただろうか。 もたもたしていたら、ティアの手が伸びてルークの左腕を押し返した。 「っ………ティア?」 顔を伏せていたティアの表情はわからなかったけど。怒っているのかもしれない。 (…………………ひょっとして、もうやめましょうとか言われたり、するんだろーか……) 焦るルークの耳に飛び込んできたのは、酷くか細い彼女の声だった。 「…………てて」 「………え?」 「…………向こう向いててって言ってるの!!」 何を言われたかわからなくて、聞き返すと赤い顔の彼女に思い切り怒鳴られて。 「は、ハイッ!!」 ルークは慌てて彼女に背を向けた。 「……ん……」 さらさらと絹糸のような髪が流れる音がする。衣擦れの音と小さな息が重なって、ぱさりと何かが投げ出された。何をしているかなど言うまでもない。 背後で起こっていることを想像するだけで顔が火照ってくる。 「…………もう、いいわよ」 やがて彼女はそう言って、耳まで真っ赤になって俯いたルークを呼んだ。 (………ッ………ヤッベ……!!) おそるおそる振り向くと、全裸になった彼女が薄いシーツで申し訳程度に豊満な肢体を隠して俯いていて、なんだかもういろいろと、やばい。 「…………ティア!!」 「………バカ」 がばっと抱きついたらそんな声が帰ってきて、ホントにいろいろとヤバすぎる。 性急にキスを交わし、再度ベッドに沈み込み。 「……まって!」 胸に触れたようとしたところで、鋭い静止の声がかかった。 「…………あ、ぃ、痛かったか?」 急ぎすぎただろうかと慌てて手を止め、彼女を覗き込むと。 真っ赤になって何か言いあぐねている様子で、それがまた普段のクールビューティーで知られる彼女とは全然違ってて、たまらない。 (うわー、超触りてぇ………!!) そんな思いを押し隠して頬にキスを落とし、言葉の続きを促せば。 「…………そこは、触らないで」 そんな予想外の台詞が飛び出した。 「………は?」 一瞬何を言われたかわからなくて、ルークは随分間の抜けた声を発することとなった。 「…………えーと……そこって、胸?」 おそるおそる尋ねると、コクリと小さく頷かれる。 「………なんで?」 「…………何でもいいでしょ」 その上、問い返すとプイと外方を向かれてしまった。 「よくねーよ! ……ってか、触られんのは嫌なのに、すんのはいーのか?」 「っ……そう言う直接的な言い方はやめて! む……胸意外なら、触ってもいい、から」 ティアはなんかもう真っ赤で、恥ずかしいのか今にも泣きそうに眼を潤ませている。 でもルークの方も違う意味で泣きそうだ。 「眼の前にあんのに触んなってどんなゴーモンだよ!!」 真っ白でいい匂いのする、その柔肌がどんなに触り心地がいいか。知っているだけに、隠すものなく眼前に晒されているだけに、理不尽に感じる。 無視して掴もうとしたら、さっと両腕で其処を隠されてしまった。 「イヤだっていってるでしょ!」 「………いーだろ、別に減るもんじゃなし!」 「…………減らないからっ……!?」 噛み付くように口付けられて、ティアはぎゅっと自身の身体を抱く腕に力を籠めた。 (…………のっ……!) 乱暴にならないようにと気を使いながらも、けれど強引にその腕を引き剥がそうとするルークと、絶対に引き剥がされたくないティアとの間でよくわからない攻防が始まった。 並の女性なら簡単に剥ぎ取られてしまうところだろうが、生憎と彼女は豊満ながらも鍛え上げられた肉体を持つ軍人だった。 どすん、ばたんと閨にあるまじき派手な音を立てて揉み合い、押し合い、なんだかムードがどうこうどころの騒ぎではなくなってきて ――――― ついにルークはぶち切れた。 「俺のこと、嫌になったんならはっきり言えばいいだろ!!」 強引に組み伏せたティアの顔に顔を近づけて、今にもキスしそうな距離で怒鳴りつける。 「………っ、れが、そんなこと、言ったのよッ!!」 対するティアも息が上がって、顔がほんのり上気して。こんな状況でなければ相当そそる状態だと思う。 「嫌なら、自分から…………ぃだり、しないわよ………」 一転して蚊の鳴くような声で告げられて、ハッとして身体を起こす、と。 今度はキッときつく睨みつけられた。 「大体あなたの方こそ、む、胸ばっかり見て! そこしか見てないんじゃないでしょうね!?」 「バッカ! んなわけあるかよ! そりゃティアのはすげーでかいし、柔らかくて気持ちイーし………」 「………っ、黙りなさい!」 これ以上ないぐらい赤くなったティアの手が振り上げられて。 思い切り頬を張られそうになったのを、その細い手首を掴むことで押し留める。 「でも俺は! ティアのだから触りたいんであって、ティアのだったらデカくても小さくても関係ねーんだからな!?」 大きいに越した事はないけれど、と言うの心の呟きはしまっておいて。 堂々と言い切ったルークに、ティアはもうそれ以上何も言えない、と言った様子で頭を抱えてへたり込んでしまった。 「……ティ、ティア?」 何か不味いことを言っただろうか。 おそるおそる剥き出しの肩に触れると、か細い………本当にか細い声が返ってきた。 「 ――――― ………チェが、言ったの」 「………アーチェが、何を?」 生真面目な軍人の彼女と、お気楽ご気楽ウィッチのアーチェの間に接点が見つからず、ルークは内心首を捻りながら尋ねる。 「……………胸、揉むと………大きくなる、って」 「…………っ……」 ぶは、と思わず噴出しそうになって、ルークは慌てて口を押さえた。 そう言えばティアは、胸が大きいのを気にしていた。 アドリビトムに来てからは特に、だ。 今まで周りにあまりいなかったような同じ年頃の少女達と話すことも多くなったし、男性陣に注目されたり声をかけられたりすることも多くなって、周りの羨望の眼差しとは裏腹に思い悩んでいた、と言うことらしい。 綺麗よりも可愛いに憧れるティアらしいと言うか、隣の芝生は青いと言うか。 「………これ以上、大きくなったら困るのよ………制服、きついし、アーチェ達にもさんざん、からかわれたし………それに大きいサイズの下着って、可愛いの、少ないし……」 俯いてボソボソと自身のコンプレックスについて語るティアは。 本人には悪いが、ルークからしてみれば、物凄く、恐ろしく、可愛かった。 「…………いーじゃん、どんな下着でも俺、気にしねーし」 顔を上げさせて、啄ばむような口付けを落としながら、告げる。 「………バカ。そう言う問題じゃないでしょ」 恥ずかしそうに頬を染めて外方を向いた彼女にぐいと顔を掌で押しやられて、けれどめげずに身を乗り出してその指を食む。 「…………んだよ、他の奴に見せる予定、あんのかよ?」 「っ……だから、そう言う問題じゃっ……きゃっ!?」 そうして背中に手を添えて。再度、細い肢体を寝台に押し倒した。 構えていなかったらしいティアが、可愛い声を上げる。 「……………ムズカしーけど、あんま触んねーよーにする。それで、いーよな?」 耳元で囁くと、渋々と言った様子でティアが頷いて。項に細い腕が回ってきた。 身体が重なって、胸に押し付けられる柔らかな感触がたまらない。 (…………やっぱコレ、触んなっつーのはゴーモンだよな…………) 内心で小さく呟いて、ルークはそろりと手を伸ばしたのだった。 ― END ―
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やっちまいました……! ノマカプでなんでエロはなくてもいいやと思っていたのですが、ルクティアなら全然いけるみたいです。と言うかむしろ色々と楽しいです。 本編沿いだと中々難しいのですが、マイソロ2のルークはリアル17歳+あんまり重い設定がないので、さくっと色々出来てしまうヨウデス。 それにしてもティアの胸はネタにされすぎです。こんなの(↓)が日常茶飯事です。 スキット・女体観賞 クロエ 「近頃、敵が手強い……。まだまだ私の剣は未熟と言うことだな。更なる鍛錬が必要か」 ティア 「でも一人の技量を上げるよりも、連携力を向上させた方が集団の戦力が総合的に向上するわ」 クロエ 「……そうだな。ティアの言う通りだ」 アーチェ「でもさ〜……」 ティア 「どうしたの、アーチェ」 アーチェ「なんであたし二人と一緒に居るの? アドリビトムの誇る二大セクシー・キャラじゃない!」 ティア 「そんな事……、ないわよ……」(真っ赤) クロエ 「わ、私はそんなつもりなどない!」 アーチェ「はいはい、メロンメロン。はいはい、ピッチリ服ピッチリ服。あたしもう行っていい? あんたらといるとヘコんじゃいそうだもんね」 ティア (ダイエットしなくちゃいけないかしら……) クロエ 「く……、全身甲冑をつけるべきか?」 |