歯髄炎とは?  

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虫歯が進行すると場合によっては 歯髄の炎症をひきおこします。 これが 歯髄炎です。時には痛みを誘発します。 その他に、歯の破折や歯周病が原因となる場合もあります。
 
症状
通常痛みはありませんが、 「ずきずきする」ひどい痛みがあり、冷たいものや熱いものにしみることもあります。

治療
通常、重篤な症状(自発痛)がある場合は麻酔をして、感染の除去および無菌的な治療(ラバーダム)が必要であり、歯の中の神経を全部取ります。神経を取った後は、数日間 少し痛みが残ることもあります。 「しみること」は、なくなります。その後、ばい菌により感染しないように歯の中に充填します。程度により治療に2−3回かかる場合があります。

完全に治療を終了しないと...  
神経による防御機能がなくなり、ばい菌が歯の根の中(根管)まで入り感染しやすくなります。こうなると治療がさらに難しくなります。

参考文献
Bergenholtz & Lindhe (1975)
Warvringe & Bergenholtz (1982)


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知覚過敏について

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Q:知覚過敏てどんな病気?
A:正確には象牙質知覚過敏症といいます。象牙質とは歯の構造の一つで、何らかの理由でこの部分が露出し、(エナメル質やセメント質がなくなることで)様々な外来刺激によって知覚が過敏に反応してしまうことを言います。虫歯が無いのに歯がしみるといった症状がある場合、この疾患が疑われます。皆さんも歯医者さんで、麻酔なしで歯を削ったり歯石をとったりしたことがあると思いますが、突然電気が走った様に痛みが走るといったことを、一度は経験したことがあると思います。また歯ブラシをしている時にある部分だけ痛みを感じること、これも一種の知覚過敏です。

Q:なぜ、知覚過敏は起こるの?
A: 歯の構造は、エナメル質、象牙質、セメント質、歯髄からなっています。このうち象牙質は通常エナメル質やセメント質また、歯茎に覆われており外界との交通はありません。しかし、虫歯や歯周病になるとエナメル質やセメント質が破壊され、象牙質が露出し歯が痛い歯がしみるといった症状が出てくるのです。

Q:虫歯や、歯周病では無いのに歯がしみるのですか?
A:これが一般的に言う知覚過敏(歯頸部知覚過敏)なのですが、原因は様々です。ある先生は噛み合わせが原因ですよと言ってみたり、食習慣が原因ですねストレスですねなどなど。その先生によって言うことも治療法も多種多様です。これといった一つの原因を特定するのは非常に困難というのが現状です。 現在考えられているのは、あらゆる要因のコンビネーションではないか?ということです。歯ブラシが強いからといっても、歯ブラシだけでは歯の構造をそう簡単に破壊することはできません。しかし、夜間の歯ぎしりや、くいしばり、などにより歯の歯頸部(エナメル質と象牙質の境目)の構造が破壊された時に過度の歯ブラシを行えば、容易に象牙質を露出させることになるのです。 普段の生活のなかで、仕事や家事に追われ、ストレスがたまり、気づかないうちに歯をくいしばり、寝る前に酸性食品(ヨーグルトなど)を摂取し、そのまま寝てしまい、夜間にはぎしりをし、その上歯ブラシが強すぎた場合、知覚過敏は、加速度的に進行してしまうのです。

Q:治療法はあるのですか?
A:原因が様々ですから、これといった治療法が無いというのが現状です。
その先生の知識量や考え方に左右されるでしょう。そのまま経過をみて、歯髄の修復能力(外からの刺激に対して新たな象牙質の形成をする生体の防御反応)を期待する先生もいますし、歯頸部に何らかの歯科材料を充填する先生、すぐに歯髄(神経)を除去する先生もいます。
これらのどれが正しいとは言えませんし、間違ってるとも言えません。そのまま経過を観るにしても、患者さんは多くの生活習慣を変える必要がありますし、新たな象牙質が形成されるまでは時間もかかります。歯頸部に充填したとしても、はぎしりや、くいしばりが主な原因であるならば、またすぐにはがれることが容易に考えられます。また、なにかを充填すればその面は粗造になりますから、細菌が付着しやすくなり、新たな歯周病を作り出すといった危険もあります。抜髄(神経を除去すること)をするにしても、治療が正確に行われなければ新たな根の病気を作り出す危険もありますし、正確にこの治療が行われていないのも現状です。ですから、治療をする前にじっくりと先生と相談し、納得、合意の上で、治療をうける必要があります。

参考文献
Brannstrom & Garberoglio (1972)
Shiff et al. (1994)
Yates et al.
(1998)
Poulsen et al. (2001)



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