歯内療法(しないりょうほう)について
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歯内療法とは虫歯がさらに進行し、ばい菌やその毒素により歯髄(歯の神経)および根の先の周囲に影響を及ぼすために起こる病気や歯に外傷を受け、神経に問題が生じた際の治療をいいます。
治療方法:虫歯などの影響が歯の内部のどこまで及んでいるかで治療法が変わり、以下のように分類できます。
歯の神経の生きている場合
1.歯の神経を残せるとき(神経を保護し封鎖する方法)
2.歯の神経を残せないとき(神経の一部を取り、封鎖する方法)
3.歯の神経を残せないとき(神経をすべて取り、清掃、消毒、封鎖する方法)
歯の神経の死んでいる場合
1. 非外科処置(汚染されている神経の部分を清掃、消毒する治療)
2. 外科処置(根の先の部分で悪くなっているところを取り除く)
治療法の選択:患者さんからの情報(痛みの種類、持続時間とか)を含め、診査(冷たいものを歯にあてたり、レントゲンを撮ったり)を行い、まず歯の神経が生きているかどうかを判断します。生きていれば神経を残せるか検討します。当然、神経は今後の虫歯などに対する歯の防御反応を生かすためにも残しておくべきです。
次に、痛みが激しい場合など神経を残すことができないときには、特別な状態を除き(子供の時の歯の根が完成していないときなど)最終的には神経をすべて取った方が予後の経過から選択すべきです。また、神経が死んでいる場合はできるだけ通常の根の治療を行います。ただし、いろいろな状況が考えられますが、外科的処置は最後の選択とすべきです。一般的な治療の流れを書きましたが、患者さんの置かれている状況や歯科医の熟練度、診療室の方針等々にも治療内容が変わるのも事実です。
費用:一回につき、保険内で****円、自由診療で*****円
予後:虫歯で歯を削り神経に少し達してしまって、症状のなかった場合で87%の成功率ですが、神経まで達したときの研究の多くは時間の経過とともに成功率が下がります。もし虫歯が大きかった処置をされた場合は、神経に影響を及ぼしているはずですから、必ず定期的にチェックしてもらうべきです。 また、神経をすべて取り除く方法では90%を越える成功率ですが、さらに、再度問題があったときの治療を行った場合は2年後に完治したもので48%、治りかけているものをあわせても78%と低くなってきます。外科処置を行っても60%程度となっています。ただし、この数字は専門の先生が行っての成績ですので一般の開業医ではこれよりも低くなることが予想されます。だから、虫歯などの予防するように心掛け、定期的に検診をすることをお勧めします。
参考文献
Bergenholtz et al. (1979)
Sjogren et al. (1990)
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