Sjogren et al. (1995)


翻訳 宮下裕志(JDPIC研究会)

要約:

歯磨剤使用テクニック変法を行うことで、どの程度う蝕抑制効果があるのかを評価するために、3年の二重盲検臨床う蝕試験が行われた。当初369人の4歳児が無作為に4つの群に割付けられた。研究の最後には児童は7歳になっていたが、281人(76%)が研究を終えた。2つの群では(テスト群;n=131)次のような“歯みがきテクニック”指導を受けた:

(1)歯みがきの前に歯磨剤を歯牙全体に均一にゆきわたらせること、

(2)歯磨き中、必要以上に吐き出さない、

(3)吐き出す前に残った歯磨剤の泡を1分間ほほを動かすことで、少しの水といっしょに歯の間に通す、

(4)その後さらに水でゆすがないこと、歯磨きの後2時間は食べたり飲んだりしない。

別の2つのグループの子供達(対照群;n=150)には、どのように歯磨剤を使用するか、歯磨き後にどのようにゆすぐか、といった指導は与えられなかったが、試験群の子供達と同様に試験用歯磨剤を用い1日2回歯を磨くことが指導された。市販されている2つの歯磨剤(AとB)が比較された。試験群のうちの1つおよび対照群の1つでそれぞれの製品が使用された。隣接面う蝕は咬翼法X線にてベースライン時および研究最終時に第一乳臼歯の遠心面第二乳臼歯の近心におけるスコアがつけられた。歯磨剤Aと歯磨剤B群におけるう蝕の発生には差がみられなかった。2つの試験群の子供達では3年間に平均1.14の新たなdfsが発生したのに対し2つの対照群では1.55であった(p<0.05)。このような結果から、歯磨剤使用テクニック変法は就学前児童に対して隣接面う蝕の発生を平均26%減少させることを示唆した。


結果:


キーワード
歯磨剤の使用方法、フッ素、予防

 

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