Rosling et al. (2001) Longitudinal periodontal tissue alterations during
supportive therapy.
Findings from subjects with normal and high susceptibility to periodontal
disease.Journal of Clinical Periodontology 28, 241-249.
翻訳 宮下裕志(JDPIC研究会)
要約:
解釈:Baseline の状態(治療終了後)が悪いですね。まず2つのグループのコホートは異なります。NG
group (Axelsson team) : n=232 normal patientsHGS group (Rosling team) : n=170
advanced perio patientsそれぞれの Baseline 前にはNG group:個人にあわせた歯周病の非外科治療HGS group :4ー6時間で全顎の歯周病の非外科治療が行われています。そして
Baseline 時の状態ですが、これが2つのグループで全然違います。大臼歯ではNG group: 平均PPD 2.8mm BoneLoss 3.3mmHSG
group: 平均PPD 4.0mm BL 6.2mm大臼歯以外ではNG group: 平均PPD 2.5mm BL 3.5mmHSG group: 平均PPD
2.9mm BL 6.6mmまた、それぞれのメンテナンスも異なります。NG group:1-2 visits/ year, OHI, 必要な部位の歯肉縁上歯肉縁下スケーリングHGS
group :3-4 visits/ year, OHI, bleeding pockets >=5mm は歯肉縁下スケーリング結果NG group: 歯牙喪失経験者
26% 平均 0.3本、理由は虫歯、エンド、外傷HSG group: 歯牙喪失経験者 64% 平均 2本、理由は歯周病 4本以上歯牙喪失経験者
24%、理由は歯周病本当はNG group:(7 failuresを分析から除外) 225人で分析HSG group: (27 lost & 34
failures は評価されていない) 残った109人の結果のみで分析 田窪先生が指摘されたように、失敗を入れて分析すればもっと悪い!書かれている状態よりITT
(Intentio To Treat) 解析をしてみると、実際は明らかにずっと悪いのです。これが何もしていないのならわかるのですが、年に3-4回も来て、口腔衛生指導も行い、浸麻してスケーリングも毎回やって歯を失うのです。これがメンテナンスの実態でしょうね。メンテナンスの質が悪かったのでしょうか?メンテナンスの頻度が長かったのでしょうか?さてこうした観点から次回9月30日は
Rosen et al. (1999) を読みます(A-group)。メンテナンス時における歯肉縁下のスケーリングの意味はどのくらいあるのでしょうか?実際
Rosling et al. (2001) でも行われていたにもかかわらず悪くなっていますね。これも興味のある部分です。またこれに関した文献も読む予定にしています(11月)。一方でRosling
らを擁護できるとすればもうかなり悪かった歯牙を患者が「抜きたくない」といって抜かなかったのかもしれませんね。じゃあ最初から抜くのと、どうしようもなくなって抜くのとどっちが本当はいいんでしょう?これも面白い文献があります。そろそろB&C
group の方も11月からは文献を読んでいきますよ。あわてないでいいですが。11月は全員(ABC-group)で読みます。
キーワード
歯周病メインテナンス
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