Powell, L. V. (1998) Caries Risk Assessment


CARIES RISK ASSESSMENTのまとめ 今井照雄 (ひろ歯科医院)

カリエスリスクアセスメントは、単に患者の臨床所見を見ることから、患者のカリエスの進行に影響を与えると思われる要因(フッ素の使用、唾液の分泌量、砂糖の摂取)を測定するも含まれる。  カリエスリスクを評価する事により、それぞれの患者に適した予防プログラムを組む事ができる。  リスク評価に用いる変数としては、Hostに関係したものは、年齢、フッ素の使用、経済状態、教育レベルがあり、Microfloraに関係したものは唾液中のSMとLMの量、Dietに関係したものは、糖の摂取頻度がある。もっともよく用いられる変数としては、過去のう蝕経験であるが、ダメージを受ける前にカリエスアクティビティーを予測することが望まれる。 このようにリスク評価に用いる変数にはさまざまのものがあるが、最も重要なことは臨床的であるかということである。また、その変数の閾値を評価することも重要である。  また、子供、10代、成人、老人、それぞれのグループは、それぞれの特有のリスク変数を持っているため、複数のアセスメントモデルが必要される。  さらに、目標が異なれば適用するリスクモデルも異なる。例えば、12ヶ月のリコールシステムを持つ医院は、一つのカリエスの発生を予測するモデルを必要とするかもしれないし、限られた予算の中で行われる公衆衛生プログラムは、ハイリスクの患者だけを選び出すために、3年〜4年を観察期間とするモデルが必要であろう。そして、リスクモデルは、横断データではなく、ある特定期間の縦断データに基づいて作ることが必要である。そして、その期間だけそのモデルは適用できる。  統計方法によって得られる結果が異なるため、統計方法の選択は重要である。細菌最もよく用いられる統計方法は、多変数回帰分析である。 感度と特異度について理解することも必要である。一般的に、ほとんどのカリエスリスクモデルやテストは、感度より特異度が高い。Kingmanは感度の特異度の合計が160%となることを推奨しているが、ほとんどのモデルはこのレベルに達していない。 現在、カリエスリスクモデルはまだ発達段階である。一つのテストに基づいて評価されるべきではないし、すべての集団に当てはまるモデルも無い。許容できる精度のモデルもあるが、難しかったり、高価である。また、他の集団には適用できない。 活動性のう蝕や、う蝕による喪失歯、修復された歯を持つ患者は、軽度のリスクをもつと考えられる。歯科医師は、う蝕に関係するファクター(糖摂取量特に間食、薬物)を考慮し、そのような人たちを管理するべきである。そして、リコールによってカリエスアクティビティーを監視する。細菌数がその助けになるであろう。

キーワード
う蝕のリスク


▲On going topics へ戻る
▲目次へ戻る

Copyrights(c) 2001 Hiroshi Miyashita DDS. All rights reserved.