PMF2008応援日記! その7


2007年7月27日 11:00〜 札幌芸術の森野外ステージ
  PMF2008 ピクニックコンサート

正式には<レナード・バーンスタイン・メモリアル・コンサート>というサブネームをもつロングランコンサート。
過去に4回、開演から最後までお付き合いした記憶があるから今日は5度目に挑戦だ。

・・・今年も前年の文章をコピぺしまして、数字だけ書き換えました・・・

息子はサッカーの練習と町内会の子供まつりを蹴って、
2年連続のピクニック・コンサート挑戦。

11時に登場したのは、クラシック番組を担当しているというローカルFM局のアナウンサー。
この日は各コンサートの合間のセッティングの時間を埋めた。


11:05〜 PMF青少年のための音楽会
         尾高忠明指揮札幌交響楽団

昨年に続いて普通のコンサート式の進行。
プログラムは「それっぽい」名曲がふたつ。

「動物の謝肉祭」
冒頭、きらきらとしたピアノの響きで開演。いい感じだ。
しかし弦楽器は先週の「シンフォニック・ダンス」を思わせる重さ。
確かに百獣の王ライオンだけれど、威厳がありすぎでは?
尾高さんのキャラなのか?
随所のソロは楽しく、美しく聴かせてくれたし。
ピアニストでは、よそでもなかなか聴けないデフォルメもあり、
楽しめる、満足のいく演奏だった。

ちょっと気になったのはオーケストラの配置。
「象」のコントラバスが伴奏の第2ピアノの背中を遠くから見て弾いたり、
「耳の長い登場人物」でのヴァイオリンが掛け合う部分など、
ヴァイオリンが両翼に並ぶ形が効果的のように思われた。

「展覧会の絵」
一瞬あやういトランペットでスタート。
そんなライブ故の細かい傷は見逃して、
木管がいつもの札響節である以外は立派な演奏だった。
特にフィナーレ「キエフの大門」の迫力は圧巻。
さすが札響である。

ただ、ここで妙なお客さんがいて、
自分たちのそばの芝生席と椅子席の通路の境目で、
唸りながら指揮の振りをするのには閉口した。
実は細かい印象が残っていないのはこの方のおかげ。
拍手も立ち上がり奇声を上げながら、
芝生と椅子の境界のポールの台座を踏んで鳴らす。
この曲だけのことであったが残念。


12:15 野外ステージ舞台前

「暑い〜!帰りたい〜!!」

なにーっ?じゃーおまえ一人で帰れ!お父さんは知らん!!

私の正体は「瞬間湯沸器」なのだ。


12:20 野外ステージ前広場

気合が入っておとなしくなった坊主はたこ焼きを所望。

今年初登場?のローストビーフサンドをお昼に選ぶ。
肉はやわらかいし、サルサソースのかかった味はなかなか結構。
しかし坊主にはかなり辛かったようだ。

ランチBOXは午前分が完売、再入荷は13:00とか。
店をたたまれたら困るから次の休憩にはCDを引き換えよう。


12:35〜 札幌市平和都市宣言セレモニー・記念演奏

シュミードル芸術主幹も着席し、セレモニーが始まる。
小学生のバンドによる「ジュピター」で開幕。
一生懸命練習したのだろうけれど、
本番はちょっと緊張してしまったようだ。

続いて札幌市長のスピーチ。
原爆、終戦の月、平和を考える月間にしようということらしい。
今さらのことではあるが、バーンスタイン、PMFの由来と結びつけたわかりやすいお話。

PMFアカデミーの演奏はチェロ独奏と弦楽五重奏による「鳥の歌」
朗々としたソロに繊細なバックの演奏に聴き入っていたが、後半で風がいたずら。
音楽が中断したのは気の毒だった。

続いてジャズバンドの演奏。
毛色が変わって楽しいと思ったのは最初だけ。
あとはソプラノサックスのソロをフィーチャーした同工異曲の音楽が続き、
その音が退屈を越えて苦痛に思えたといったら言い過ぎだろうか?

ジャズといえば、前説によれば2週間後このステージにキャンディー・ダルファーがやってくるそうだ。
ちょっと気になるが、この日は坊主と旭山動物園へのバスツアー参加が決まっている。
芝生席4,000円もちょっといたい。


13:30 野外ステージ前広場

やっぱり暑い!
帰りたいとは思わんが・・・。

坊主は苺を凍らせたものを削った、ずばり「いちごけずり」の行列に並ぶ。

こちらはお好み焼き屋さんで「サッポロ・クラシック」&枝豆セットをいけないと思いつつ注文。

当たりのCDは・・・昨年と同じものだった。

前説のステージにはハープの早川さんが登場しているようだ。

不覚!


13:50〜  PMFインターナショナルプリンシパルズ

まずはモーツァルトのオーボエ四重奏。
ウィーンの人たちのような濃厚な味は望めないが、見事なテクニック。
終楽章の変拍子など、当たり前のようにすらすらと吹いていく。
オーボエのイゾトフはシカゴ響の奏者だ、納得。

ロバルツの「プレリュード、海、シャンソン」には早川さん登場!
そういえば今年はウィーンのハープ奏者が来なかったっけ。
フルートのケイナーに弦楽三重奏による編成が奏でる音楽は、
ドビュッシーに東洋の風味?を濃く加えたような風情をたたえる。
派手な曲ではないが、意外と日本人向きではないかしら?
早川さんの豊かな音に、ケイナーの肉厚かつ冴えた音色に満足。

3曲目はワーグナーのジークフリート牧歌
広いステージだが13人?の奏者が二つの半円を描き窮屈そうに並んだ。
演奏はその窮屈さらしく?親密なもの。
各奏者がその場に応じてコンタクトをとりながら緊密なアンサンブルを保つ。
ここで一番よかったと思ったのはカバレロのホルン。
ピッツバーグ響の人だが、ソロが立派なのは当然として。
後半のユニゾンでも存在感を示してアンサンブルにスケール感を加えた。
唯一文句をつけるならちょっと粘っこいチャンのヴァイオリン。
メトの人らしいが、オペラをよくする点ではウィーンの人に近いのかしら?

最後は「ウエスト・サイド・ストーリー」から「ダンス」。
管楽器
7人にコントラバスにパーカッションの編成。
基本的には先週聴いた「シンフォニック・ダンス」に似た構成だが、
後半にスローな部分が多く、果てにはピアノで終わる「シンフォニック・ダンス」より、
緩急のバランスがある程度保たれ、フォルテで終わるこちらの構成のほうが好ましい。
楽器を構える前にサングラスをかけ(場内大ウケ!)たプリンシパルの演奏は実に「かっこいい」。
なんといってもハーバートの切れのいいドラムスが決め手だろう。
それに威勢良く弦をはじいたロビンソンの見せるパフォーマンスも楽しい。
先週のPMFOも「シンフォニック」の名のとおりの立派な演奏だったが、
この日の小気味よく勢いのある演奏はそれに勝るとも劣らない。

先の平和宣言セレモニーに続き、時折の風のいたずらがあったが、
満足度は昨年以上、さすがのPMFIP。


15:15 野外ステージ前広場

ちょっと予定より遅れ気味だね。おしっこ急いで!
暑さのせいか、オヤジの気合のせいか?
今日の坊主の食欲は予想ほどではない。

とはいえ買い物以外にコンビニおにぎりを三個食べているが・・・。
(それもビビンバやらオムライスカレーとか「濃い」ものばかり)
そういえば枝豆セットの枝豆は半分もお父さんの口に入ってないか・・・。

そこでカレー屋さんの「シークカバブ」を注文。
辛口の焼き鳥だ。

「うまい!残り食べていいよ!」
先に半分食いやがった・・・。


15:20〜 PMF弦楽四重奏コース

今年も弦楽四重奏コースに、東京SQのメンバーを加えての五重奏、六重奏の演奏。
アカデミーに東京SQの池田氏を加えた前説が楽しい。
その話どおり昨年を上回る充実度で、時計台コンサートに行けなかったのが残念。

モーツァルトの4番は日本と台湾?の4人。
丁寧な美しい演奏で、モーツァルトを楽しめた。
両端楽章のリピートもして大曲の好演。

一番立派だったのは2番目のドヴォルザークの第3番の五重奏。
熱気あふれる演奏はドヴォルザークにふさわしい。
常に明晰さにも欠けないのもよかった。
スタンディングして拍手を送る方もいた。

最後は二人の東京SQを加えてブラームスの2番の六重奏。
第2チェロのグリーンスミスが実に雄弁。
ブラームスの六重奏は自分にはちょっと作りが難解に思われるのだが、
この日の演奏は低弦に支えられ流れのよい音楽だった。
それでも曲の句切れはよくわからないが・・・。

ブラームスの第1楽章途中で、外国人家族が悠然と椅子席に乱入。
なんだ?こいつら?と思えばルイジ・ファミリーだった。
帽子をかぶり古風なたたずまいの奥様はたいそう美しい。
二人のお子さんは前の方に空席を見つけてすわった。
しかし出番まで1時間もない。
スタッフに促され中途で退場していった。

もうひとつ演奏からはなれて、モーツァルトの第1楽章でのこと。
横のグループがあとから来た仲間と食べながら延々とおしゃべりを続けた。
さすがに第2楽章の前に「うっせーな〜」と瞬間湯沸器はアラームを出す。
もちろん効果てきめん・・・。
ピクニックコンサートだからおしゃべり、お食事はかまわないけれど、
芝生とはいえ最前列では控えるべきだろう。
おそらく「幻想」目当てのブラバン系の若者とみた。

今回も休憩なしで2時間、充実した内容。
聴き手側では一番関心度の低い部分かもしれないが、
ぜひじっくりと聴きたい時間帯だ。
椅子席で聴くべきだったかな・・・。


17:25  野外ステージ 芝生席最前列

さあ、最後だよー
日も陰って、風もちょっと冷たいね。
車へ行って上着取ってくるよー。

「晩御飯なに?」

帰ったら9時近いよ。
「大丈夫、明日もお休みだから」

夏休みはラジオ体操があるから早起きしなきゃならないでしょ?
「お父さん仕事遅くても毎朝起きてるでしょ。だから僕も大丈夫」

どういう理屈だ?
カレーとナンでも買って帰るかい?
「うん、ナンは前から気になっていた!」


17:45〜 PMFO ルイジ指揮

期待のルイジ&PMFO登場である。
再来年からの新時代を展望するプログラムはPMFOとしてはやや小振りなものとなった。

前半はR=シュトラウスの「ドン・キホーテ」。
なかなかとっつけない曲だったが、最近はトスカニーニの演奏をよく聴くようになった。

ただスコアもなく、モノラル録音ということで、
どれがチェロなのか、どれがヴィオラやらわからないで聴いていた。
だからソロの動きを目の当たりにしながら聴くというのは楽しいことだった。

フォグラーのチェロは全く見事。
最後の死のパフォーマンスまで、楽器と一体となって音楽する様子を感じた。
アカデミーのヴァイオリン、チェロのトップたちとのコミュニケーションも十分の模様。
ヴィオラのフォスターも堅実。ただ音色にもう少し違いがあればよかったかなと思われた。

オケは突出したパートはないけれど、管楽器のソロはそつなく吹いていたように思う。
先にも述べた弦のトップも上出来。

後半ベルリオーズの「幻想交響曲」はPMFOおなじみのレパートリー。
聴衆の受けもよく、かつ教材には適しているということか。

演奏は速めのイン・テンポで、あっさりとした表情付けではなかったかと思う。
第2楽章のしなやかなワルツや、第3楽章のコーダの遠雷といった繊細な部分の丁寧さに感心した。
一方第4楽章のファゴットのユニゾンや、フィナーレの固定観念などグロくやってほしいところはいま一つ。

気になったのは弦楽器の指揮者への反応の鈍さ。
コンサートマスターの弾き方が粘っこく、
ボウイングが後ろの奏者に比べかなり遅れて見えるのだ。
そのせいかども速いテンポにオケ全体が乗りきれないまま全曲が過ぎて行ったように思う。

「断頭台への行進」も始めは速めのイン・テンポにオケが就いていけない。
ここでもリピート(実質ダ・カーポ)が行われて、その時はテンポがぴったりと決まった。
それがルイジが本当に欲したテンポだったのだろう。
最後のコル・レーニョは骨がコツコツとする感じがリアルだったが、
大詰めのテンポ配分もどうもよろしくない。
曲は豪快に終わるから満場大喝采なのだが、自分としてはどうも乗りきれない。
一昨年のゲルギエフのチャイコフスキーの演奏後を思い出した。

アンコールはなし。
さらに昨年の反省か、それとも予算不足か、恒例の花火もなし。
期待はずれの方も少なくなかったろう。

終演19:50


19:55 野外ステージ前広場

終演後は、出店が売れ残りをさばくのに懸命だ。

カレー屋さんでナンとカレー。
お好み焼き屋さんで、から揚げとフライドポテト。
あわせて千円なり。

これで晩御飯?


21:00  Massa-'s Home

さあー、帰ってきたよ!
キーマ・カレーとナン食べようか。
何!?眠い?寝るだと?
お父さんお腹すいてるんだけれど・・・。
お酒も飲みたいし・・・。

・・・から揚げとフライドポテト食べちゃおう。
ナンとカレーは冷蔵庫へ・・・。


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