PMF2004応援日記! その1


2004年7月9日 Massa−’s Home

今年は多忙のため、さぼったPMF日記。

それでもこの5日にはアカデミーのメンバーが札幌入り。

同時に東京でウィーン・フィルメンバーによるコンサートと気が付けば動いているPMF2004。

自分もそろそろ PMFモードに入ろうか・・・。

明日の夜は8時から大通で無料コンサート。

息子のOKがでれば、二人で参戦予定。

札幌の街のおいしいラーメン屋さんを探しておこう・・・。


2004年7月10日 
オープニングコンサート in 大通公園

今日は午後から小雨がち。楽器には野外コンサートは悪かろう・・・。
しかし午後4時の時点では「開催」との組織委員会の返事。

5時半に出かけるが、札幌市中心部に近づくにつれ雨は強くなっていく気がする。
ある交差点でとなりに選挙カーが止まる。8時開演は選挙運動の制限時間後だからか・・・。
ちなみに選挙カーには噂の?鈴木M男氏とSSW(死語かな?)のM山千春氏が乗っていた。

開演2時間前、小雨の中会場ではブラス・アンサンブルがリハーサルの真っ最中。やはりやるのか?

開演30分前、PMFのスタッフたちが濡れた椅子を拭いている。その中には竹津さんの姿もあった。

会場近くで食事をするところを探したが、運悪く貸切ばかり。コンビニで少し食糧を買い込み席に着く。
席に着くときハンカチを出したら、スタッフの方がやってきて椅子を拭いてくれた。

開演5分前になんと雨が強くなってきた。ほんとにこれでは開催が難しいのでは?
しかしステージ上ではコントラバス、ハープの準備が続けられる。
そういえば雨天のPMF名物?レインコートは配らない。
座っても前の方々の傘で視界はかなり限られる。

開演定刻、ウィーン・フィルメンバーがステージに登場。
しかし通訳を伴って出てきたシュミードルからは楽器に悪影響なので、
3曲で演奏をやめて、後半のブラスのプログラムへ譲るとの断わりがなされた。
ウィーン・フィルのメンバーのデモンストレーションとなる協奏曲系のものはすべてカット、
「観光列車」、「美しく青きドナウ」、セレナード(服部克久)の3曲が演奏された。

雨天の野外、PM越しの演奏に文句はつけられない。
しかし「ドナウ」ではドレツァルのつややかな音がよく聴こえた。
ただ、いろいろと事情もあろうが、こんなときには服部克久氏の曲は控えて、カットされた「春の声」をやってほしかった。
作曲者本人がいた様子もなかったし・・・。ただ耳あたりのよいクラリネット・ソロをフューチャーしただけの、
わけのわからん(失礼)曲でPMFウィーンの演奏が締められたのはどうも合点がいかない。

後半は楽しい作品が並ぶけれども、傘のしずくに体が濡れる。
最初のR=シュトラウスのファンファーレを聴いて会場を後にした。
続くスザートのやわらかな響きに未練を残しつつ・・・。


2004年7月12日 
PMFウィーン・アンサンブル演奏会

5時に仕事を上がるつもりが30分遅れ。
Kitara入りは開演15分前。
サンドイッチを食べたらギャラリーや売店をのぞく暇もない。土曜日はやはり5時に上がろう。

今日のプログラムはオール・モーツァルト。
ソリストの持つ強烈な個性を望まなければ幸せな楽興の時が約束されるコンサートである。

「魔笛」のフルート四重奏はクロイザマーがヴァイオリンを弾く。
この人の音も伸びがあって悪くない。しかし編曲にあまり工夫がなくて面白みに欠ける。
これならランナーの「モーツァルト党」の方が音楽に勢いがあって楽しめたように思う。
シュルツが最後のページをめくりそこなったようで、音が不安定になったのは気の毒。

クラリネット五重奏曲、残念ながら有名なものではなく、レヴィンが断片を補完したものとの事。
旋律はとめどない感じでまとまりがないが、ヒンクとシュミードルの掛け合いが美しい。

ファゴットとチェロの二重奏曲。思い入れのある曲。学生時代、先輩たちがよく弾いていたし、
リコーダー版の楽譜を見つけて自分でやったときはうれしかった。
なかなか生で聴けるものではない。
今回この曲がプログラムになければ、チケットを即入手したかどうか・・・。
さすがプロ!上品で緻密、ダイナミクスもよく計算されている。
けれども素人学生の元気いっぱいの演奏の記憶が消されるわけもない。
ここ違う、ここも違うよと何度も無駄な反駁を頭のなかで繰り返した。

前半の最後はフルート四重奏曲第1番。
1曲目と同じメンツである。シュルツがすばらしいソロを聴かせてくれた。
特に美しいピチカートに乗せた第2楽章が光った。

後半はディヴェルティメントのK.138。
ウィーン弦楽四重奏団+コントラバスという組み合わせだが、
ヒンクの音がどちらかといえば押し出しの強い音ではないので、
補強した低弦が分厚く響いてしまって、ヒンクの美音が埋もれてしまう部分があるのが残念だった。

最後は「音楽の冗談」。
PMFでは以前にMTTの指揮でヒンクがコンマスを弾いたことがあった。
これもコントラバスが加わって七重奏での演奏。
ヒンクがとにかく大活躍。
時折おどけながらもお馴染みの?腰を浮かせて弾く姿には引き込まれてしまう。
応える各メンバー、オーバーになるかならないギリギリレベルでのユーモアのある仕草を交えての演奏。
聴衆からも笑いがもれるシーンがたびたびあった。
最後の和音はたいていの演奏が不協和音を強調して断定的に終わらせてしまうところを、
彼らは柔らかい音でそれこそやさしく、座り込むかのように終結させる。
楽しく、発見にも欠けない名演だった。

熱演の後にK.334からふたつのメヌエットをアンコール。
ふたつ目のメヌエットの後ろ髪をひかれるようなトリオの美しさが素晴らしかった。

終演21:05。
ひとつ贅沢な?不満。オーボエのガブリエルの出番がなかったこと。


2004年7月15日 Massa−’s Home

帰宅して、プログラムをチェック。月曜日の「青少年・・・」は息子が気に入ってくれそうなプログラム。
ミニ・トークに連れて行くのが不安だが、予定に加えよう。

そのミニ・トーク。よく調べると、自分の予定のコンサートにはほとんどシュミードルが出演。
一方で、オーボエのガブリエルにはお目にかかれそうもない。

お目当てはハープのメストレと、バルトロメイが弾くマレの曲。
先日好調のヒンクのバッハにも期待できそう。

しかし外したプログラムにも、ストラヴィンスキーの「兵士の物語」、ドレツァルのロッシーニ、
それからボースフィールドと聴き逃すには惜しいものもある。
当日のプログラムの正式発表によっては改めて900円払って乗り換えることも頭に入れておこう。

さる土曜日の雨天のコンサートは1,500人の聴衆が集まったらしい。先のPMFウィーン並の人数か?


2004年7月17日 
PMFO演奏会 ファビオ・ルイジ指揮

今日は5時15分に上がって、6時半Kitara入り。プレ・トークはホワイエで行ったのか、マイクと台が置かれていた。
公式パンフをもらいに行くと、なんと在庫切れ!「休憩時間までお待ちください」との事、やる気あるのかしら?
例によってビールとサンドイッチで腹ごしらえ。会場は満席とはいかないが9割は埋まった。
自分と同列には昨年Cツィクルスで、フライング・ブラボーに怒って乱暴に席を立った方がいる。

バーンスタインの「ハリル」は以前にPMFで聴いた記憶がある。そのときも多分シュルツのソロ。
15分くらいの作品だが、彼の他の作品に比べ強烈なシーンが控えめなので印象薄である。
シュルツは先日に続き好調のようで、立派な演奏。けれどもやっぱり曲が退屈か・・・。

15分の演奏の後は20分の休憩である!
それでもブラックモアさんや、P店のT氏に簡単な挨拶をしていれば時間はあっという間に過ぎていく。
ハンマーの位置を確認しようと、うろうろしているとFMアップルのMichikoさんらしき美女の姿が・・・。
そういえばNHKはやはりゲルギエフを収録するのか、今日はカメラが4、5台、うち2台は無人だ。
それともついに放送なしだったりして・・・。

後半のマーラーはウィーン・フィルのメンバーが加わる。目立つところでコントラバス10本、ホルン9本、ハープ3台・・・。
さらにはたくさんの打楽器とステージはあふれんばかりの状態。結局ハンマーは見つからない。

第1楽章、速めのテンポに驚く。「悲劇的」というよりは「スポーツ的」である。
まず気になったのは弦楽器、個々の実力はかなりのものなのだろう、実によく鳴っている。
しかし自分の席で聴く限り響きが濁っていて、音楽を心地良くは聴けない。
金管楽器もここ数年のハイレベルから比べると、鳴りも悪ければ、響きが粗い。
時折聴かれる金管楽器のソロも、押し出しがなくて存在感に欠ける。
ベルアップは格好も響きも元気がよくていいのだけれど・・・。
やはりオケとして機能するには日が浅すぎるか?「悲劇的」だからあえて意図したものなのか?
第2楽章もその印象は変わらない。第3楽章の後半になって、弦の粒が揃ってきた感じがした。

この日のルイジの指揮は指揮台を広く使い、細部にわたりてきぱきとオケに指示を与えていく。
イン・テンポの傾向で曲を進めていくスタイルは短期決戦のためだろうか?
自分のような素人マーラー・リスナーには、音楽を聴きやすく整理してくれる点でありがたい。
しかしこの日はオケがそれを具現できないもどかしさが最後までつきまとった。

フィナーレも断片的なシーンとしてて評価はできても、継続した30分の音楽としてはまとまりに欠ける。
またここでは先に述べたルイジのスタイルがマイナスに働いて、終わりを急いだ感じになってしまった。

聴衆は先日のPMFウィーンに比べるとやはりお行儀が悪い。
特に楽章間の休止を短く取りたかった指揮者の意図に気づかなかったのは低レベルと言われそう。
交通機関の問題か、体調に変調をきたしたか、コーダの大詰めの5分ほどで
ヒールの音も高らかに退場された方が2,3いたのは残念。

演奏後一部ブラボーも聴かれたが、スタンディング・オヴェイを送る方もほとんどなく盛り上がりに欠けた。

終演21:15


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