PMF2003応援日記! その4


2003年7月13日 09:30 
札幌コンサートホール
ミニ・トークコンサート 2連発

Kitara着8:40
PMF会期中というのにホールの開場は9:00らしく数人が自動ドア前に並ぶ。

9:30
今日もプログラムの演奏順が変更。最初に大物バルトーク。
昨年アルゲリッチを中心としたメンバーで聴いた曲。
今日は打楽器を4人で演奏。通常二人で演奏するからゆとりがある。
御大アルトマンはティンパニを叩く。この人がど真ん中に座る存在感はなかなか大きい。
ピアノは表現の巾は広くないものの手堅く好演。
アンコールに昨晩大通でやったヨゼフ=シュトラウスのポルカ。
ホール内で聴くと、迫力倍増である。

後半は昨日活躍のボースフィールドを中心に金管楽器。
ちょっとくだけたステージマナーに顔をしかめる向きもあろうが、
聴ける音楽はそのマイナスを吹き飛ばすほどすばらしい。

11:15
ずっと4列目センターをキープしていたミニ・トークのシリーズ。
今回は席がひとつ右にずれた。わずかひとつとはいえ、小ホール、気分的な面もあろうが、
ずいぶん違った角度でステージを見ているような気がする。
最初はメストレ。いい男。いい音楽。減点の対象項目皆無である。
(けちをつけるなら最後の最後で1音はずしたかな?)
続いてペンデレツキ、開会式では第1楽章だけで煮え切らない印象の曲。
全曲聴いてその流れに納得。ウィーンのメンバーのこういう曲での緊張感はさすが。

途中でドレツァルがシュトラウスの短いロマンスを弾く。
以前も触れているけれどこの人の音は好み。
今年は不調かなと感じていただけにうれしい熱演。
後半はシュミードルを中心にミニ・トーク定番の?2曲。
今年はここまで元気いっぱいの印象だったシュミードル。
ここでは幾分抑制した演奏に思えた。
ベートーヴェンではドレツァルの熱演との対比が目立った。

終演12:40 盛りだくさんのプロで予定を30分近く超えたコンサートとなった。
次の「青少年の演奏会」の開場まで5分しかない。最後の拍手を中座する。


2003年7月13日 13:30 
札幌コンサートホール
PMF青少年のための音楽会 
金聖響指揮札響

小ホールのゲートを出て、エントランスを見下ろすと次の「青少年・・・」開場を待つ人でいっぱい。
とてもわが子を探せる状態ではない。むこうがこちらを見つけてくれるのが頼り。
なにせチケットは自分が持っている。開場して列が動いたら「アウト」だ。
声もかからずやむなく階段を降り、うろうろしていると「おとーさん!」
なんとか親子のご対面を果たせた。送りの祖父に礼を告げたところで開場のベルがなる。

腹をすかせた息子とサンドイッチを頬張る。
このサンドイッチ、おいしいのだけれど、たまには別な中身にならないものか。

「ベートーヴェンなんか怖くない!」とは思い切ったタイトルだ。
たしか当初はもう少しお上品でやんわりとしたものだった。

金聖響の関西弁交じりのトークはなかなか親しみやすい。
対向配置の札響も昨年のベートーヴェンツィクルスの名残か力強い。
途中指揮者が楽譜を最小単位まで切り詰めて行くところ、
その昔、「田園」でコバケンが同じようなことを言っていたのを思い出す。

本家の「ヤング・ピープルズ・・・」が曲をじっくり聴かせるのを大事にいていたのに対し、
こちらは曲もトークも細切れで印象が固まらないうちに次へと話題が移ってしまう。
いっそのこと「運命」だけにじっくり話題をしぼるくらいの企画でも面白いと思うが、
年に1度の企画ではそれも難しいかもしれない。

休憩なしの70分、最後は7番のフィナーレを全曲演奏。やや力任せで響きが濁り気味で残念。

じっと座っているのが苦手な我が息子の感想
 「面白くなかった」
 「聴いていたらおなかがすいた。」
・・・ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます・・・。


2003年7月13日 夜 Massa−’s Home

「青少年・・・」での休憩中PMFグッズを売るブースに立ち寄ったとき。
グッズをみる我が息子を見て、いきなり「楽器をやっているんでしょう、何を習っているの?」
これにはちょっと驚いた。コンサートに来ている子供が全部その道を志しているとは限らないのに。
どうしてクラシックをそう「持ち上げる」のだろう。そんなに特別なものではないだろう。
確かにお金はかかるが、何事も突き詰めれば同じことと思うのは安易だとうか。


2003年7月14日 夜 Massa−’s Home

帰宅すると机に青い封筒。忘れていた”PMF Meeting”のお誘いである。
今年はハリー・J・クラウト氏を招くそうだ。PMFのキーマンの一人である氏のスピーチが
聴けるとすると自分のような「チンピラ・ファン」にはめったにない機会ではある。
20日はKitaraに向かうつもりはないのだけれど、「札響」チケットプレゼントの文句に心が揺れる。


2003年7月17日 夜 Massa−’s Home

新聞にデ・ワールト指揮PMFOの絶賛の批評。やはり自分の耳はちょっと違うのか。
いずれにせよ自分には口当たりの良すぎるワーグナーであった。

結局20日はKitaraへ行くことに決定。”Meeting”の世話人の方にメールを送って札響チケットもOKが取れた。
あとはミニ・トークのチケットを確保しておこう。
”Meeting”とPMFウィーンのコンサートがぶつかるが、演奏予定のベートーヴェンは2曲ともミニ・トークで
聴いたからよしとしよう。


2003年7月20日 10:00 
札幌コンサートホール
ミニ・トークコンサート その1

Kitara着9:30
外から見る限り今日の行列はそれほどでもないように見える。まっすぐ事務局に向かいチケットを引き取り。
エントランスへ向かうとすでに開場してる。チケットを見ると今日は今までと違い30分前の開場だ。
それでも定席を確保。意外とすいている。ブラス系のわりには人気薄か。

パーシーはマレットを片手に2本持ってビブラフォンで2曲。編曲物だが、ピアノに押されがちに聴こえた。
ラヴェルあたり美しい響きではあったのに少々残念。
パイヤットは先の札響では不調のため予定の現代物をモーツァルトに変更したらしいが、
今日聴く限りはニュアンスに富んだ素敵な演奏であった。2曲目で伴奏の譜めくりの女性が遅れたが、
そのときにほんのちょっと「ジークフリート」を吹いたのだけれど、さすがにその音がすばらしい。
先のアカデミーの若者とは格が違いすぎる。
今日もボースフィールド登場。ジャズ組曲としてはちょっと固めのノリ、しかし立派な演奏。

客席後ろのほうには、教育セミナーで訪問した学校の子供たちらしい。最後に声援が飛んでいた。


2003年7月20日 11:00 
札幌コンサートホール
テラスレストランKitara

エントランスでは次のPMFウィーンがらみのコンサートの当日売りの最中。
プログラムをのぞくと、どうやらベートーヴェンはなくなった模様。ちょっと気になる。

”PMF Meeting”は11:30スタートと思えば、中にはクラウト氏が控えている。あわてて中へ、なんとか開会にまにあった。
奥のほうの席に陣取る、ところがクラウト氏は自分の斜め後ろ、手が届きそうなところに着席。
クラウト氏のスピーチと質問はバーンスタインの思い出が中心。
PMFで一番バーンスタインに近い位置にあった人だけにその内容は真実味がある。
今までのミニ・トークあたりで見てきたイメージとは違って、落ち着いた低い声で語ってくれた。
抽選会ではエコバッグが当たる。出席された方々の話を聞くと多くの方はやはりPMFに直接関わりを持つ方が多い。
気がつくと次のミニ・トークの開演まであと10分足らず、札響のチケットを頂戴し足早に退散。
ちょっと行儀が悪かった。


2003年7月20日 13:15 
札幌コンサートホール
ミニ・トークコンサート その2

今日のミニ・トークはふたつとも開場には間に合わない。
開演5分前、座ったのは1列後ろの5列目センター。喜んでいいものかどうか・・・。
前半はフルート、2重奏に始まり一人ずつ奏者が増えて5重奏まで、
クーラウ、ボワエルデューといった名前は知ってるけれど曲は知らない人の作品が聴けた。
どちらもフルート用交響曲といった趣で、特にクーラウはトークにあったがベートーヴェンっぽくて興味深く楽しんだ。

後半はファゴット。
こちらも同様に人が増えて行く。
ダニエル・マツカワの懸命?の日本語に聴衆も熱心に聴き入る。
よく歌う曲と、コミカルな味の曲をバランスよくおいて、飽きることなく楽しめた。
それにしてもピーター・シックリーの曲ををナマで聴けるとは思わなかった。

どちらもアカデミーたちは先生に引けをとらない立派な演奏。
終演後のうれしそうな顔を見るとこちらも気分がいい。


2003年7月20日 15:30 
札幌コンサートホール
札幌交響楽団演奏会 ペンデレツキ指揮

最後に聴いた札響はこのPMFでの尾高さんのブルックナーだった。
今年の3月の定期も結局聴かなかった。今回も昨年好評のベートーヴェンが絡まなかったら、
そして、招待券が手に入らなかったら、おそらくパスだったろう。

プログラムは先にN響で取り上げたプログラムと同じ、しかし序曲(フィンガルの洞窟)はなし。

見て、聴いたかぎり、基本的にこの人の指揮はやはり「余技」であって、本職の力量には程遠い。
指揮台いっぱいを使って、棒を一生懸命振っている姿からは、やりたいことはいっぱいあって、
それをオケが汲み取って成り立つといった感じ。
そうした面ではベートーヴェンは曲が曲だけによいのだけれど、自作の方は今ひとつ。
トーンクラスターで鳴らした昔の作品とはうって変わった穏健な作風に拍子抜けするほどだ。
今ひとつ緊張感や、オケの表現にキレというか冴えといったものがなく退屈な感じ。
ジュイエのソロもよく弾いているが、以前聴いたとき同様、今ひとつ「押し=存在感」に欠ける。

札響も音はよく鳴っている、しかしペンデレツキの音楽と指揮になじむには時間不足だろう。
ベートーヴェンも昨年の名残か非常に美しく聴こえる部分があり一方、
にごりのある和音を聴かされる部分が混在。

アンコールにブラームスのハンガリー舞曲の第1番。
あれだけアゴーギクのある曲だから札響(ヴァイオリン)がそろえてあげなければと思った。

終演17:40
大ホールを出ると、最後のPMFOの当日売りを求める行列ができていた。
最後だし、プログラムから想像するに鳴りのいい演奏が期待できるだろう。

もともと予定しなかった1日。連休の中、夕食は家族ととらねば・・・。
ここで私のPMF2003は本当にフィナーレ。

お疲れさんでした。


PMF2003 その3へ

PMF2003 Topへ