渡る世間は鬼ばかり
(パート6) 【2002年4月〜9月】
2002年4月4日作成
最終更新日 2002年6月8日

【4月4日】

 とりあえず新シリーズが始まったこと自体は素直に嬉しい。けれど、これまでは1年以上のブランクを開けていただけに、たった半年で始まってしまうことでアイデアが尽きてしまうのではないかと、他人事ながら心配している。いくら視聴率が取れるからといって、お年寄りであるシナリオライター橋田寿賀子氏に過度の負担を掛けるのは如何なものかと思う。

『それぞれの家庭で早速トラブル発生』

 本間日向子(以下日向子)の受験で祖母常子は車で送迎している途中で事故に遭ってしまう。幸いたいした怪我ではなく、すぐに代わりの車を調達してくる。しかし、母親長子は日向子の身を案じて車の運転に猛反対する。しかし、常子は大丈夫の一点張りで聞く耳持たない。ここで気になったのは何時のまにか「〜さ」という口癖を日向子が言うようになったことに妙な違和感を感じた。この癖は来週以降も続くのかどうか、充分注意する必要がありそうだ。
 幸楽では山下光子(以下光子)という新キャラが従業員の一人健二の再婚相手としていきなり現れた。女将のキミはというと烈火の如く反対し、聖子も気に食わず光子を目の敵な態度を取る。これに対して光子は度量が大きいのか意に介しなかった。
 そして弥生のところでは赤ん坊の世話があまりにも大変で娘のあかりがいろいろと愚痴を言ってしまうのだが、祖母がいう通り他の家庭に比べたら遥かに恵まれた環境にいる。確かに、あかりにとって初めての子育てなので勝手が分からず非常に苦労している。夜になって和夫がタキに借りた借金の返済と一目勇気に会いたいからと訪ねてきた。あかりは半狂乱になって勇気を返すだの取り乱す。これを見ているとやはり現代では子供を育てることがいかに大変かが垣間見えた。
 さて、一通り岡倉一家が登場して一息ついたかと思ったら、日夜緊急救命センターで頑張っていた英作が突然倒れてしまう。一体どうしたのか、過労なのか、それとも、というところで次週に続く。


【4月11日】
『突然…』

 どうやら今回は突然…というのがテーマになりそうだ。英作は過労で突然倒れ、健二は突然連れてきた新キャラ光子と結婚すると宣言し、小料理屋岡倉の従業員宮部勉(以下勉)の父親は突然脳梗塞にかかり、眞と仲のよかった森山荘太(以下荘太)は突然学校を辞めてしまう。このうち英作のことでは常子と長子が互いの主張がぶつかり、健二の再婚に関しては光子に聖子が噛みつきキミも加勢するという相変わらずの修羅場に発展している。来週以降は勉が親を見舞うことで岡倉の営業が危うくなることで様々な人々がパニクッてかなりの騒動になりそうだ。


【4月18日】
『荘太が加わることで今後はどうなる』

 眞のはからいで荘太が「おかくら」に住み込みで働けるようになった。荘太は眞だけでなく加津とも絡むことで重要な新世代キャラの一人になりそうだ。
 さて、荘太にこれだけの出番が用意されたのも、ひとえに彼の演技が合格点に届いたからではないだろうか。実際のところ、長い台詞をつっかえてなかったし、その時々で沸き起こる感情もきちんと演じていた。今後は荘太が加わったことで周りはどのように変化し、そして成長していくのか、今から楽しみである。


【4月25日】
『これからをどう生きるか』

 荘太を中心に眞や愛、そして英作などが、自分のやりたいことはなんのなのかということを模索し始めた。荘太は他のことには目もくれず「おかくら」で働くことを望んでいるようだ。眞と愛、そして英作はお互いに目標が見つからず、どうしたものかと悩んでいた。
 特に英作は妻長子と母親常子の板挟みに辟易して救急救命センターで何もかも忘れて医療に専念していた。それだけに、倒れた時はどうなるかと思っていたが、単なる過労ということだったようで、そのことに関しては一安心した。
 ただ、英作の気持ちを聞いていると、身体のことよりも、これからどう生きていくのかという事で悩んでいるようなので、こちらの方が心配だ。医者が向いてないのではと悩む英作を余所に、常子は神林に頼んで脳外科のポストを斡旋してきた。もし反対などしようものなら当然常子は逆上してくるだろう。それが分かっているだけに、この問題に英作はどう立ち向かうのか見物である。

『聖子の我が儘に眞と愛が抵抗』

 さて、幸楽はというと相変わらず聖子の我が儘をキミが許すことで店は険悪なムードが漂う。このことで大人達は深く追求しなかったが、代わりに眞と愛が言葉巧みに抵抗した。これで一旦は自室に引っ込んだ聖子だが、これでめげる女ではないので、次週以降でどのような反撃に出るのか楽しみだ。



【5月2日】
『子供を育てるのは親の義務』

 弥生のところでは「勇気」を誰が育てるかで揉めてきた。娘のあかりは息子の勇気を母親弥生に任せることで自分のやりたいことが出来るようになったと喜ぶ。しかし、勇気は彼女自身の子供であるし、働かなくても生きていける恵まれた環境にある。それに弥生の年齢のことなどを合わせて考えると、手の掛かる赤ん坊の間は母親であるあかりが面倒を見るべきであろう。

『聖子が心配になってきた』

 幸楽ではいい人の塊である光子がやって来たことで聖子は日を追う毎に落ちぶれてしまっている。聖子自身の心も「どうせ私は役立たずな人間よ」と心が荒んでいく一方だし、周りもキミ意外は聖子がいない方がせいせいすると喜んでいる。多くの人間にとっては好ましい状況なんだろうけど、このままいくと最悪な展開(犯罪や自殺)に発展するのではないかと他人事ながら心配してしまう。

『またしても常子の我が儘に振り回されそう』

 英作の気持ちを聞いた神林は納得して脳外科の話をキャンセルしてくれた。これに常子は猛反対するが、神林の説得に渋々承諾した。これでメデタシかというと、そうもいかないようだ。今度は大阪に引っ越して自分の病院で働くことが最良の方法だと決めつけて勝手に話を進めてしまう。あまりに突然なことに唖然とするしかない長子と英作だったが、二度と大阪に戻るつもりが長子にはないことを考えると、常子と激しく対立するであろうことが容易に想像できる次週が楽しみになってきた。

『勉が戻ってきても荘太には残っててほしい』

 勉の父親の容態は思わしくないようだ。ただ、彼の話ぶりだと実家に戻ることは叶わないようだ。これでもし、勉が戻ってくるとなると荘太の居場所は無くなってしまうことになる。2人共良い演技をしているだけに、出来ることなら一緒に残ってもらえると嬉しいのだけど、果たしてどうなるだろうか。



【5月9日】
『これからはより一層賑やかに』

 勉が戻ってきても荘太は「おかくら」で働かせてもらえそうでなによりだった。その勉と入れ替わるように長子と日向子は英作と共に大阪に行ってしまいそうな雰囲気になっていたけど、次週の予告を見ているとその話はどうやら立ち消えてしまいそうな感じなことに少しだけホッとしている。これで「おかくら」だけでも相当賑やかな雰囲気になるばかりでなく、荘太の成長過程でいろいろとトラブルが見られるのかと思う楽しみである。

『正則久々の登場も』

 演技に関しては前回からの上乗せは全くなかったのが残念でならない。愛との関係もかなり微妙で、このままだと自然消滅してしまいかねないのではないだろうか。

『果たして勇気は大丈夫なのか』

 勇気なんか生まなければよかった、なんてことを平気で口にするあかりの無責任さにはほとほと呆れた。それからも兄の武史に中古車を頼んでそれに勇気を乗せて営業に回るなんて宣っているが、どうなんだろう。息子に対する愛情がこれっぽっちも感じられないあかりの態度を見ていると、本当に大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。



【5月16日】
『なんだかんだで大阪への話はなかったことに』

 大阪から突然やってきた本間由希(以下由希)の説明によって常子が一人で勝手に話を進めていたことが判明した。さらに「このまま長男英作が病院に戻ってくれば婿である由希の夫信彦の立場はなくなる」という由希のもっともな説明に流石の常子も渋々納得せざるを得なかった。こうしてなんやかんやあったけど、大阪に戻らずに済んでまずは一安心。

『聖子が相変わらずなのはいいけど』

 なんか凄い格好で聖子が帰ってきた。なにやらいかがわしいところでホステスを勤めていたようだが、そんなことよりも聖子目当てに飲みに来るばかりか、ホテルにまで連れ込もうというマニアがいたというのだから驚きだ。
 とかなんとかいってる間に次の日なると、聖子は心を入れ替えて幸楽で頑張ると言い出しているが、いつまで続くのやら。
 それはいいけど、今のところ番組を面白く掻き回しているのは聖子だけなんだよね。それ以外は問題が起こる一歩手前で停滞している状態(愛と正則の目に見えない軋轢など)で引き延ばされている。もしかしたら本当にネタがなくて泣く泣く先送りしているのかもしれない。たとえそうだとしてもこちらの出来ることは、せいぜいたった半年のブランクで始めたことによる弊害がこれ以上酷くならないことを祈ることぐらいだ。



【5月23日】
『将来の夢』

 英作の就職問題やあかりの家庭問題がちらほらと登場していたが、メインは眞を中心とした子供達の動向だった。その眞だけど、彼は未だに自分のやりたいことが見つからずに悩んでいた。ただでさえ焦っているのに、周りは皆夢に向かって頑張っているものだから余計に気が急いてしまうのは無理からぬ事だ。それはそれで分かるんだけど、そこから視聴者を引き込む大変な自体になりそうな気配がなかったのは残念としかいいようがない。
 先週もそうだったけど、やはりアイデアが不足しているからか、取るに足らない問題をズルズルと引っ張らざるを得ない状況が続いている。このまますんなり終わるとはとても思えないと思いつつも、ひょっとしたらなんていう不安ももたげてきた。



【5月30日】
『子供の幸せに親が執拗に口を挟むことはない』

 これは以前にも同じ事をタキが言っていたかもしれないが、それでも子供の幸せに親が口出しするのはおかしい、というような発言には大いに共感させられた。英作だってもういい年の大人になったのだから、いつまでも親があれこれと世話を焼くものではないだろう。あれだけ立派に成長したところが見られれば少し距離を置いて見守るくらいが丁度いいように思う。

『たとえ失敗してもやらないよりはまし』

 車を使っておにぎりを移動販売すると主張するも、両親には大反対されて困ったあかりは弟の武史に相談を持ちかけた。初めのうちは難色示す武史だが、「たとえ失敗したとしても何もしないよりはましだ」というあかりの気持ちは分からないでもないと思ったのだろう。結局はあかりの言う通りに用意してあげることになった。
 果たしてこうすることが正しい判断なのかどうかとなると難しいところだが、たっての希望とまで言われればやりたいようにやらせてあげたくなるのが人情というものだろう。

『これで正則の役割はより重要になる』

 一方、幸楽ではなんやかんやあったが結局は正則が英会話を教えることになった。それも恋人の愛だけでなく加津も一緒に習うというのだ。流石に眞は大学受験で英会話どころではなさそうだが、これで正則の役割はより重要になったのは間違いない。
 となると、気になるのは正則役の俳優の演技力ということになるのだが、どうにも心許ない。彼が初登場した時から大分時間が経ったが上達する気配が一向に見受けられない。正則の出番が増えることが大いに予想されるだけに、彼を演じる俳優にはもっともっと頑張ってもらわないと周りから浮いた存在になってしまいかねない。

『しめやかな誕生会』

 最後の方で五月の誕生日に夫の勇が五月をささやかに祝うシーンにはちょっとばかり胸が熱くなった。たとえ公に祝えなくても心から感謝している人がいてくれるのは本当に有り難いことなんだなとしみじみ思った。



【6月6日】
『「渡る世間」に相応しい新キャラ登場』

 最後の方にちょろっとだけの顔出し程度の出演だったけど新顔の加奈(現時点で名字の設定無し)の印象が強く残った。あのいかにもトラブルを呼びそうな生意気な性格を内包したところは「渡る世間」向きの人材だと思う。演技力の方もまずまずだったので、今後の出番でどのように幸楽の連中と揉めるのか今から非常に楽しみだ。


【現在見ているドラマ】
タイトル放送局 放送年度
渡る世間は鬼ばかりTBS 2002〜2003年