『きっかけ』
『序盤の印象』
主人公(以下浩平)の傍若無人な言動に周りが振り回されるところは結構面白い。これに七瀬留美の突っ込みと川名みさきのボケが加わると楽しさは倍増する。話のテンポも日常の断片を見せるだけという感じでサクサク進むので非常に好感が持てる。『永遠とはなんだろう』
「表現方法について」
表の日常とは別に存在する「永遠」は抽象的な表現にしているものの終盤で判明する内容を見るとちょっとだけ「MOON.」と似ているように感じた。表現の方法こそ違うながらも、共通しているのは「失って初めて判る特別な想い」を伝えていることだ。「MOON.」ではヒロインであり主人公でもある天沢郁美が母親への痛切なる想いが描かれていた。一方「ONE」では妹の存在がいかに大切さだったかを浩平が実感するというものだった。『シナリオについて』
今まで断片的に得た情報から想像を膨らませ、自分なりの解釈を確立しなければ感動することは難しいようだ。自分は繭シナリオで拙いながらもなんとか消化することである程度共感することに成功したけど、それ以外では残念ながら何かを感じ取るということは出来なかった。『演出について』
癖のあるキャラデザインは前作「MOON.」で気にならなければ大丈夫だと思う。背景CGに関しては1998年の作品として考えればまあまあ頑張っている方ではないだろうか。BGMはどうかというと、折戸伸治が監修しているだけあって流石にレベルは高いんだけど、出来れば監修ではなく実際に作曲してほしかった。『システムについて』
発売時期が古いせいか読み返せなかったり、未読既読の判定がない、といった不便さはある。しかし、スキップ自体は異様に早いので、使い方さえ間違えなければ多少は役に立つ。それらを除けばシンプルながらもテキストタイプのゲームとして最低限の機能は揃っているようだ。『結論』
序盤から中盤にかけて繰り広げられる学園コメディを存分に楽しめただけに、終盤における舌足らずな展開は残念である。しかし、現実に即して考えようとはせず、自由な発想で頭を働かせて自分なりの世界を築くことで楽しむことが出来るシナリオがあったことを考えると、ユーザーの想像力次第ではいくらでも面白くなる可能性を秘めているのかもしれない。タイトル | メーカー | 対応機種 | 発売年度 |
ONE〜輝く季節〜 | タクティクス | win95、98 | 1998年 |
タイトル | メーカー | 対応機種 | 発売年度 |
MOON. | タクティクス | win95 | 1997年 |