『きっかけ』
「全体の印象」
扱っている題材が「援助交際、ドラッグ、いじめ、校則、自殺」などニュースでよく取り上げられる問題ということもあるが、その内容たるや、言葉にすることが躊躇われるくらいの衝撃を受けた。ただでさえ洒落にならないような出来事を女の子の視点から殊更リアリティーに描写することでとんでもない寒気を何度も体験した。『結論』
「雫」のような歪んだ精神世界を「MOON.」のように女の子の視点から複雑な心境を語ってもらうことで事件のおぞましさというものを上手く引き出していると思う。さらに、事件に巻き込まれた時(もしくはその後)の容赦のない恐怖のリアリティーさは「螺旋回廊(2は除外)」や「好き好き大好き」(いずれも他人のレビューによる印象ではあるが)を彷彿させる。それだけにかなり人を選ぶ内容になっているとは思うが、少しでも興味を抱いているのであれば、どの作品でもいいから一度は手にして読んでみることをお勧めする。きっといろいろと考えさせられるはずだ。「ゆがみ」
校則で生徒を雁字搦めにする話は聞いたことがあるが、言うことを聞かなければ生徒達の目の前で手酷い体罰を見せしめでやってしまうのはいくらなんでもやりすぎだろう。だからといってそんなことをする教師だけを糾弾すればいいのかと言えばそれは違う。「さけび」
虐められていた生徒がある日突然虐める側になるのはよくある話だが、それがエスカレートして終いには元虐められっ子の精神が崩壊してしまうところはなんだかやり切れない気持ちで一杯になった。タイトル | 作者 | 出版社 | 出版年度 |
問題提起作品集 (いたみ、ひみつ、めまい うわさ、なみだ、とびら であい1巻) | ももち麗子 | 講談社 | 1998年 (いたみ) |
タイトル | 作者 | 出版社 | 出版年度 |
子どもの 心をいやす 魔法のメルヘン |
アンゲリーネ ・バウアー (池田香代子・ 鈴木仁子=訳) |
主婦の友社 | 2001年 |
桶川女子大生 ストーカー 殺人事件 |
鳥越俊太郎 &取材班 |
メディア ファクトリー | 2000年 |