『きっかけ』
『第一印象』
「問題提起作品集」とはまた違った衝撃を受けた。陰湿な虐めの手口の数々には空恐ろしさを感じたし、虐める側、虐められる側の気持ちというものも痛烈に伝わってきた。『集団虐めの恐ろしさ(1巻)』
集団で虐めることの恐ろしさというものを作者(正確には原作者)は的確に捉えているなと感じた。虐めの手法にしても肉体的、精神的に深く抉るえげつなさがあり、これを毎日のようにされたら誰だって自殺に追い込まれてしまうと思わせるのに十分なものばかりだった。『責任の所在』
集団虐めを仕切る首謀者が悪いのは当然なのだが、それに従う周りの人達だって同様に悪いと主人公笹岡澪が言い放ったことには感心させられた。いくらクラスの中で一番権力を持つ生徒に命令されたからといって、一人の生徒を集団で虐めていいなんてことにはならない。『辞めることが必ずしも責任を取ることになるとは限らない(2巻)』
加藤(教師)がコンビニで万引きしているところを澪(生徒)に見られたばかりか、その場を無言で走り去られたら、誰だっていいようのない不安に駆られてしまうと思う。いくら澪自身が誰にも言わないと思っていても直接本人に話さなければ全くもって意味がない。そうやって見て見ぬ振りを続けてしまうと「いつか本当のことを学校で喋られて免職になるくらいなら、それを知る唯一の生徒を排除してしまえばいい」という風に考えるようになるのも無理ないと思う。タイトル | 作者 | 出版社 | 発売年度 |
問題のない私たち@A | 木村文 原作 牛田麻希 |
集英社 | 2002年 (1巻) |