『きっかけ』
『第一印象』
中盤以降のミステリーを匂わせる展開が面白いだけに、話の出だしが多少淡泊なのはもったいない。それと、中盤での平凡な日常を想起させるやり取りがあまりにも中弛みしてしまうせいで、閉じこめられたという緊張感が薄れてしまったこともどうなんだろうと思った。『なんだかんだあったけど、面白かった』
少年が見たという幻の少女をきっかけに話はオカルト、神話、宗教といった具合に広がっていく。ここで交わされる会話は一通りプレイしていれば判るのだけど、謎を紐解く重要なキーワードをそこかしこに散りばめている。それはそれで確かに素晴らしいのだけど、そこで語られる内容自体は正直自分にとっては受け付けがたいというか好みではなかった。『残念だったこと』
ファーストプレイで優シナリオを最初に選択して進めていた時に感じていたことは全て勘違いだったことだ。事の真相を知るまではてっきり閉じこめられたメンバーの中に真犯人が人を欺いていて何食わぬ顔で一緒にいるかもしれないという恐怖を実感させる話だとばかり思っていた。そう考えればそれまでも様々な場面で登場人物達はどうして怪しげな行動や態度をどうしてしたのか気になってくるからだ。そのように思い込んでいただけに、想像していたものとは違った展開だったことは残念でならない。『シナリオの順番』
『シナリオ全体について』
生とは、死とは、存在とは、などなどシナリオの根底にある哲学的な話は確かに考えさせられることが無いこともない。謎を解き明かす為に必要だったのは判るが、ココ編に至る前のシナリオでは長々と説明することは無かったと思う。『システムについて』
ノベルタイプのゲームで必要な機能(未読既読判定のある高速スキップ、音声再生付きの履歴、シナリオやエンディング等の達成率など)は全て揃っているし、操作性も良好なので文句のつけようがない。『演出について』
PS2ならではのハイクオリティーとまではいかないものの、無難な色彩で彩られたCGは見ていて心地いいし、単体で聴くとショボイBGMもゲーム中は各場面の雰囲気を壊すようなことはなかった。声優にしても皆終始安定した演技で物語を守り立てていた。『結論』
次から次へと広がる謎が最後には一つの結末へと収束していくところは確かに目を見張るものがあった。しかし、個人的には大絶賛と言うところまではいかないかなと思っている。タイトル | メーカー | 対応機種 | 発売年度 |
EVER17 | キッド | PS2 | 2002年 |
既読メッセージ数 | 選択肢達成数 | 総プレイ時間 |
☆43521 | ☆224 | 87時間43分 |
タイトル | メーカー | 出版社 | 出版年度 |
EVER17 ビジュアルファンブック |
キッド | エンターブレイン | 2002年 |