ドリームシアターについて
2004年5月5日作成
最終更新日 2006年2月11日

【お気に入りの曲を紹介】

『はじめに』

 洋楽のロックアルバムで何かないかと関連サイトを物色していたところ、偶然見つけたのが「ドリームシアター」と呼ばれるバンドグループだった。
 それから程なくして、アルバム3枚目の「AWAKE」と6枚目「SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE」を購入して早速聴いてみたところ、後者のアルバムでとてつもない衝撃を受けた。中でもDISK ONEの一曲目「THE GLASS PRISON」は「厳かなオープニングから一気に登りつめていくテンションが異様に高く、ギター、ベースによる重低音でかき鳴らされる激しいメロディーでありながら、同じフレーズがほとんど被らない落差の激しい構成」が渾然一体となっていた。基本的に「ドリームシアター」の曲は複雑な構成のものが多く、そのため、何度聞き直しても、新鮮な気分を満喫できることも、特徴の一つであろう。
 アルバム「SIX〜」はDISK TWOの方でも、別の意味で衝撃を受けた。一応章毎に8トラックで区切られているとはいえ42分というとてつもない長さも然ることながら、まさかロックアルバムで「ドラクエ」や「FF」を彷彿させるサントラサウンドを聴くことになるとは思いもしなかった。基本となるプログレヘビメタに大作RPGや映画で掛かるようなサントラの要素をミックスさせることで、既存のロックサウンドの範疇に収まらない、繊細さとダイナミックさが融合した素晴らしい曲に、終始驚かされっぱなしだった。
 それからというもの、あっという間に「ドリームシアター」のアルバムを買い漁る事に相成った。



【お気に入りの曲を紹介】

【アルバム】 SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE

 DISK ONE

「THE GLASS PRISON」

 厳かなオープニングで幕を開けたかと思うと、重低音を響かせるギターが轟き、瞬く間にテンションが登りつめていくところは、至福の時と言えよう。とにかく最初の4分半でベース、キーボードの超絶プレイにドラムも叩きまくられることで、聴く者のハートをムンズと鷲づかみにされた。演奏技術の凄まじさ然ることながら、30秒という長い時間をベースだけでなく、しかもノンストップで続けただけでなく、後にキーボードまでもが同じフレーズで再現するという、普通では俄かに信じられない離れ業は圧巻としか言いようがない。それからも、激しいメロディーの火花があちこちで飛び交い、BPMが乱高下する先の読めない展開は非常に心地の良く、13分という時間を感じさせない充実した内容に大満足である。

「THE GREATE DEBATE」

 落ち着いた曲調から徐々にテンションを上げていき、ボーカルのシャウトで一気に炸裂するまでの流れが実に素晴らしい。起伏の緩やかなメロディーの要所で、ギターの激しい旋律を挟むものだから、弥が上にも気分が高揚してしまう。

 DISK TWO

SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE

「I.OVERTURE」

 ヘビメタアルバムでありながら、「FF」や「ドラクエ」なんかで流れても、全く違和感の無い曲を聴くことになるとは、思いも寄らなかった。幻想的なオープニング、街やお城なんかで流れそうな穏やかな曲、そして、平和を象徴するメロディーなど、そのどれもが美しく響き渡っていた。それらが絶妙と思える程のタイミングで変化していく様は、完璧としかいいようがなく、「ドリームシアター」の実力は底無しなのか、という思いに駆られてしまった。

「III.WAR INSIDE MY HEAD」

 激しくなる次への布石となる曲の為、テンポは控えめであるが、ヘビメタとして抑えるべきツボは十分抑えている。

「IV.THE TEST THAT STUMPED THEM ALL」

 プログレとヘビメタが化学反応を起こすことで生まれた、激しさを前面に押し出された独特のメロディーは、最期まで衰えることなく突っ走っていた。

「VII.ABOUT TO CRASH (REPRISE)」

 普通にヘビメタサウンドとして良いのだが、一番の聴き所は、何度も溜めを効かせて、最後に次の曲へ橋渡しするまでの流れが最高である。

「VIII.LONG TIME / GRAND FINALE」

 前の曲を受けて感動のエンディングで締めくくるのはとても良かったけれど、最後の余韻からフェードアウトしていくまでの時間は、正直長過ぎ。


【アルバム】 TRAIN OF THOUGHT

「This Dying Soul」

 「THE GLASS PRISON」の続編に相応しい重低音を響かせるギターを中心とした、アグレッシブなメロディーは健在である。中盤、歌詞こそ全くの別物ながらも、メタリカの「BLACKEND」そっくりのフレーズがあるが、原曲よりもボーカルが洗練されているように聴こえてしまうのは、判官贔屓であろうか。それと、ラストでギターの狂ったような早弾きが数度の息継ぎ(いずれも一瞬)がありはすれど、50秒間も断続的に演奏するところは、凄すぎて言葉にならない。

「Endless Sacrifice」

 前半はバラードのような曲ではあるが、要所でギターの重低音が響き渡るところは流石といったところだろう。そして、中盤からは一転してヘビメタな曲と共にBPMが上昇すると、最後まで突っ走るという展開も、判ってて聞いてると、結構快感だったりする。それにしても、前半のスローなバラードよりも、後半のハードなヘビメタの方が時間が多いという常識破りな構成も、よくよく考えるととんでもないことである。




【今回聴いたドリームシアターのCD】
タイトルメーカー 発売年度
SIX DEGREES OF
INNER TURBULENCE
イーストウェスト
・ジャパン
2002年
TRAIN OF THOUGHTワーナー
ミュージック
・ジャパン
2003年
OCTAVARIUMワーナー
ミュージック
・ジャパン
2005年
METROPOLIS PT.2
:SCENES FROM
A MEMORY
イーストウェスト
・ジャパン
1999年
Falling
Into Infinity
イーストウェスト
・ジャパン
1997年
IMAGES AND WARDSイーストウェスト
・ジャパン
1997年(再販)
1992年(初版)
WHEN DREAM
AND DAY UNITE
ビクター 1992年
AWAKEイーストウェスト
・ジャパン
1994年


【参考資料】
『CD』
タイトルアーティスト メーカー発売年度
・・・AND JUSTICE
FOR ALL
メタリカ CBS/SONY1988年