ドラゴンクエストVIII
空と海と大地と呪われし姫君
2004年12月26日作成
最終更新日 2005年2月23日


 かつてプレイしたドラクエシリーズ(自分はII、III、VIをプレイ)以上に、VIIIではあらゆる面において、判りやすさを徹底することで、原点回帰しようと試みていたように思われる。単純明快なシナリオであることや、道標のある地上マップ、ダンジョンの地図が入り口付近にあるなど、ユーザーへの配慮が半端ではなかった。
 予断になるが、ヒロインゼシカのみならず、巨乳キャラは皆胸が揺れる仕様になっていたことに、技術の進歩を感じずにいられない。これまではハードの制約で実現が難しかったとはいえ、かつてのドラクエでは考えられない演出だった。そんなことがあったからか、衣装が変わる毎にゼシカを先頭にして、意味もなく街を歩き回る、なんてことをついついやってしまう。・・・なんだか話が脱線してしまった感がなきにしもあらずではあるが、とにもかくにも、今回のドラクエに於けるユーザーフレンドリーさは、尋常ではなかったといえよう。
 世界が完全3D化したとはいえ、ゲーム自体は基本的に、ファミコン、スーファミの頃と変わってないところが、良い意味でドラクエらしくて安心した。そう、ドラクエに流れるまったりとした緩い世界観というのは、どこか「安心」する。台詞の一つ一つを取って見ても、いつの間かその世界に引き込まれる不思議な魅力は、VIIIになっても色褪せることは全くなかった。
 ゲームとして必要とされるあらゆる要素のバランスが絶妙に調整されているので、ついつい無駄に世界の隅々を探索したくなる。これは、ゲーム後半に登場するキラーパンサーで地上を自由に高速移動が可能になることで、より拍車が掛かってしまうことだろう。こうした配慮があるからこそ、目的もなくダラダラと世界を回るだけでも楽しめるのだと思う。
 作りが非常に丁寧なこともあって、欠点らしい欠点はないに等しい。あったとしても謎が簡単すぎるとか、戦闘でキャラが沢山出ると処理落ちしやすい、というような些事なことばかり。とにかく、快適さを追求した姿勢は大いに評価できるし、それをとことん突き詰めて、完成度を可能な限り高めたスタッフの力量には脱帽するしかない。



【今回プレイしたゲーム】
タイトル対応機種 メーカー発売年度
ドラゴンクエストVIII
空と大地と呪われし姫君
PS2 スクウェア
・エニックス
2004年

現時点での【個人的点数】【95点】