デンゲキゲームズ(2003年度版)
2003年1月2日作成
最終更新日 2003年11月5日

3月号  4月号  5月号  6月号  7月号  8月号
9月号  10月号  11月号  12月号

【2月号】
『形の上では新創刊』

 雑誌名を改めたものの、基本的な思想が「電撃王」の頃と変わらないことを考えると、新創刊というより大幅なリニューアルと見た方がいいかもしれない。
 それはともかく、早速手にしてみると以前より一回り小さくなったことで紙面のレイアウトが少なからず苦しいように見受けられた。文字のフォントも若干小さくなったことで読みにくさに拍車を掛けている。基本的な内容は同じなだけに自分のように目の悪い読者にとって不都合な仕様に変更されてしまったのは非常に残念である。

『付録について』

 今回は新創刊ということもあって攻略冊子とCD−ROMを付録にすることで一見豪華な内容に思える。しかし、攻略されているタイトルのソフトは一つも持ってないし、CD−ROMに関してもあまり興味のないネットゲームの体験版や自分の所有するパソコンでは動作しないゲームの体験版なので、個人的にはいずれも無用の長物だった。
 今後どのような形になるのかは判らないが、現状では手探り状態というように感じだったので、これからどうなっていくのか楽しみでもあり、不安でもある。

『最後に気になったこと』

 最後にとあるコラムで「ゼルダの伝説 風のタクト」の難易度が前作「ムジュラの仮面」並に高いというのが気になった。噂では「スーパーマリオサンシャイン」も相当な難しさだったらしく、そのことを鵜呑みすれば、難易度の調整に失敗するとたとえ「マリオ」や「ゼルダ」という看板タイトルであっても爆発的に売ることは出来ないと言えそうだ。


【3月号】
『気になること』

 ざっと目を通してみたところ、大作、話題作の紹介や攻略にページを割きつつ、電撃独自のカラーもさり気なく出すところは流石メディアワークスだなと思った。
 紙面構成に目を向けると、写真か文字のいずれかをメインとした記事が多く、バランス的には取れている。ただ、「電撃王」の時に比べ文字の大きさが一回り小さくなったことで読みにくくなってしまったのが気になる。確かに、雑誌のサイズも「電撃王」より縮小してるのでしょうがないといえばそれまでかもしれない。しかし、自分のように目の悪い読者の立場からすると、現在のフォントだとちょっと読みづらい。
 出来ることなら「電撃王」の頃の雑誌サイズに戻してもらいたいのだが、それが無理だというのであれば、せめて文字のフォントだけでも大きめにしてくれると何かと有り難い。

『ランキングについて』

 ランキングのスタイルは先月からそうだったんだけど、今月のを見て改めていいなと思った。ソフトの売上チャートが100位まで(但し、発売一ヶ月の売上の推移は上位30位まで)拡大されたことと、ハードの実売数(数値は万単位)も掲載するようになったことでデータとしての実用性は飛躍的に向上した。ここまでやってくれれば文句はないので、後はこの状態を維持し続けてもらえば言うことはない。


【4月号】
『小粒以上大作未満』

 FFX−2を除けば後は小粒とまではいかなくても、それなりに練り込まれた佳作で紙面も攻略も占められていた。こうして見渡してみると、改めてゲームというジャンルは成熟しているんだなと実感する。ゲームハードの性能が飛躍的に向上したことで、世界観、システム、キャラクター、CG、いずれもクリエーターが想像する作品に近いものが仕上がるようになった。
 確かにそうした作品が登場し始めた頃は新鮮さがあって、興味をそそる作品も多かった。しかし、CGの技術がある程度頭打ちになってどの作品もクオリティーが横並びになりつつある現状では、なかなか食指が動かない。
 とはいえ「美麗グラフィック、魅力的なキャラクター、やり込み要素満載のシステム」がユーザーに伝わればある程度売上が見込めるし、それ以外に方法がないのであれば、仕方がないのだろう。

『ランキングで思ったこと』

 ランキング初登場した「デビルメイクライ2」の販売数値を見ることで先程のことをより実感させられた。発売初週のデータのみとはいえ、前作を下回る結果は本誌に「やや伸び悩むスタート」と言われても致し方ない。自分もCMで流れた映像のみの印象では、前作と大して変わりがないように見えた。しかし、それならさらなる時間を掛ければ劇的に進化するのかというと大いに疑問だ。それに、単なる焼き直しとも思える内容(実際はそうではないのだろうが)でいきなり30万枚近くを消化(おそらく初回出荷は40万枚)するソフトなんてそうそうない。個人的にはこのシリーズのネームバリューが凋落しないうちに発売したのは決して間違いではないように思っている。
 最後に、週間売上の日付が前号とは違って5週分にも関わらず、先月と同じ日付になっているばかりか、4、5週目の日付が同じになっていた。相変わらずのこととは思いつつ、もう少しきちんと校正してほしいものだな、とも思う。


【5月号】
『ファイナルファンタジー大特集』

 紙面の3分の1以上を使っての大特集の大半に割り当てた「FF]−2」の攻略は実用的で判りやすい内容だった。これだけ充実していると自分のような未体験者でも読んでるうちに「ちょっとやってみたいなあ」という気持ちがもたげてきた。だからといって今すぐ手に入れたいかというと、そこまでRPGを渇望している訳ではない。購入することがあるとすれば、この先登場するであろう廉価版が発売される時であろう。
 他にも「FFTA」や「FF]Tジラードの幻影」「FFクリスタルクロニクル」の最新情報も網羅されていたが、個人的には過去のシリーズについてマニアックな視点で振り返りながら熱く語るコーナーが思いの外面白かった。昔懐かしい映像(特にファミコン、スーファミ時代)を効果的に用いて作品毎のハイライトを紹介するところなんかは未だに色褪せない魅力を感じた。

『ランキングで思ったこと』

 先月では「FF]−2」以外は小粒といってしまったが、そういえば「真・三国無双」シリーズという侮れない存在を失念していた。前作(正確には前々作か)「真・三国無双2」は売り上げでミリオンを達成するという快挙を成し遂げている。確かに、三国志という壮大なスケールに登場する人物達が繰り広げるド派手なアクションは魅力的ではある。結果的に最新作である「3」もミリオンを超えそうな勢い(実際ファミ通ではミリオンを突破)で売れている。ここまで実績を残されてしまうと流石に見方を変えざるをえない状況になってしまった。ただ、正直なところこのシリーズの人気がここまで成長、そして定着するとは思わなかった。


【6月号】
『電撃ウラワザ王CD』

 最も大きい見出しが本誌の記事ではなく付録のCD−ROMの内容ということからして今月はこれといって特に取り上げるネタがなかったのだろう。その中で一押しになっている各種ムービーを見てみると、画質が粗いせいで本来の魅力を十分に伝えきれてないのが残念だ。それでも「FF]−2」のドレスアップシーンはそれなりに魅せてくれた。一方「ゆめりあ」はというとポリゴンで動きまくるヒロインに言いようのない違和感を感じた。特にアドベンチャーパートで見せる仕草は「ときメモ3」の時に比べたら進歩してはいるものの、まだまだ不自然な感じがした。なんていうか、2Dで表現されたアニメ調のキャラを立体的に表現するのは現状ではかなり難しいんだなということを「ゆめりあ」で図らずも証明してしまったような気がしてならない。
 ただ、気になったのは「ゆめりあ」のキャラをサブリミナル的な手法で登場させていることだ。大きく取り上げないのは発売元がセガではない(実際はナムコ)からかもしれないが、それでも小出しで登場させるということは、この作品に何かしらの魅力があることを認めたということなのだろう。

『ランキングで思ったこと』

 完全オリジナルの新規タイトルが売れなくなって久しいと言われている。確かに今月のランキングを見ても上位のほとんどは続編や移植、版権もので占められている。しかし、考えられるアイデアが出尽くした現状ではそれも仕方がない。売れ筋ソフトのほとんどはオリジナリティーで勝負しない代わりに世界観に見合った数多くのアイデアを盛り込み、グラフィック等の演出面で趣向を凝らしている。こうした完成度の高い作品は一定以上の楽しさを提供しているので、安心して購入出来る反面、新たな驚きは少ないので今のままではいつか飽きられてしまう恐れもある。とはいえ、新たにマーケットを開拓するアイデアが見つからない現状では、たとえジリ貧でも確実に売り上げを伸ばす商品を一定の間隔で発売するより他にない。
 さて、ランキングに目を向けると、「FF]−2」が当然のようにミリオンを超える売り上げだけを見れば凄いとしか言いようがない。しかし、過去のシリーズと比較するとシリーズで最も売れた[以降、完全オンラインである「]T」を除外すると右肩下がりで着実に売り上げが落ちているのがちょっと気になる。先ほどの話と違ってFFシリーズが築き上げてきたネームバリューは非常に大きいだけに、会社存続の為でも安易な続編を乱発(2年も経たずに発売)してユーザーの印象を悪くしていくのは如何なものかと思う。
 あとは、そうそう、ここ数年やってなかった年間ランキングを年度(前年の4月から今年の3月集計)ランキングに改定して掲載してくれたのはデータ好き人間にとって非常に有難かった。出来るものなら来年度以降も続けてくれることを祈るばかりだ。


【7月号】
『E3とヤンキーとグラX』

 E3で発表されたラインナップが一押しなのは当然として、その次に「疾走、ヤンキー魂。」(スクウェア・エニックス)が表紙で2番目の大きさで載っているところがいかにも電撃らしい。ヤンキー(もしくはレディース)になりきるというぶっ飛んだ発想だけでも十分なのに、加えてオンラインゲームというのだから電撃が反応しない訳がない。かねてからネットゲームを広めようとかなりのページを割いていたし、今月もいくつか紹介している。今後どの程度普及するかについては未知数だが、ビジネスチャンスの可能性はきっとあると今は信じるしかなさそうだ。
 さて、E3では世界的に大ヒットを見込める大作を含め、多数の新作が発表されたが、個人的には「グラディウスX」(コナミ)がPS2で開発されていたことが驚きだった。過去に「グラW」や「沙羅曼蛇2」といった期待を裏切る続編を世に送り出してしまったことを考えると「性懲りもなくまた出すのか」という不安はある。それでもグラディウスシリーズが大好きな自分としては「今度こそは」という気持ちはあるので、続報を待ちたい。
 それと、付録のCD−ROMに関していうと、ムービーはまあそれなりに美麗なCGだったかなあとは思う。本音をいえば、電撃ウェブでしか見られないものの方を収録してほしかった。一方、ヤンキー体験版はセットアップにかなりの時間が掛かりそうだったのでとりあえずは止めておいた。

『一通り読んで』

 一通りさらっと読んでみたが、E3という世界規模の見本市が目立っていたくらいで、後は電撃雑誌として抑えるべきソフトはしっかりと紹介するというごくごく無難な内容だった。ランキングについていうと、ページの見出しにも「弾不足か!?」と言われる通り、それなりにチャートの変動はあったものの、1位が先月発売(DQMキャラバンハート)のソフトだったこともあって、特筆すべきことはなかった。


【8月号】
『ファミコン生誕20周年で思ったこと』

 ファミコン生誕20周年に生産終了の発表という偶然が重なったことでファミゲー特集は非常にタイムリーな記事となった。といっても、内容は過去に語り尽くされたものの掘り起こしなので、新たな発見はほとんどなかった。それでも、現在の最新情報に比べれば遥かに興味をソソルものだったのも事実で、少なくともファミコン時代のゲームの方がいろんな意味で熱くなれるものが多かった。それは付録のCD-ROMに収録されたファミゲーの映像にしても同じで、今見ると非常に地味な画面で繰り広げられる不条理な世界の数々は、体験したものにしか判らない感動というものが一杯詰まっていた。
 だからといって今更昔のゲームスタイルに戻せとまでは言えない訳で、それよりも、現代の感性に合った作品を提供しないと売れないという状況を打破しないと、今後も緩やかな落ち込みは続いてしまうことだろう。
 これはランキングでも如実に表れている。昔はどんなにろくでもない内容であっても人気のあるキャラを題材にしていればなんでも売れていた。それが今では、ヒットしているキャラを題材にしただけでなく、普通に遊べる程度に練りこまれた内容であっても当時ほどの大ヒットは生まれにくくなってしまった。例外として、「ドラゴンボールZ」や「(初代)ガンダム」など昔からの熱狂的なファンが沢山いるようなタイトルをベースに製作されれば、ハーフミリオン以上の売り上げを計上することもあるにはある。なんにせよ、版権ものだろうがオリジナルであろうが、今風の手法で製作している限りはミリオンはおろか、50万枚を超える売り上げすら達成させるのは非常に困難な状況に変わりはないと言わざるを得ない。


【9月号】
『オンラインゲームの達人になる』

 コラムに書かれていたことも考えると、オンラインゲームをやるには昔からゲームにお金をつぎ込み、かつ現在もお金に余裕のある大人に該当しない人は入りづらい世界ではないだろうか。というのも、コミュニケーションを交わすだけなら携帯電話で直接話せば済んでしまう。それでもパソコンで参加するならただ入会すればいいのだからまだましといえよう。それ以上に問題なのはコンシューマーの場合であろう。ただでさえ敷居が高く感じられるのに、PS2ではハードディスクやらなにやらと付け足さなければならず煩わしい。その点X-boxならネット環境で必要なものは予め揃っているものの、日本におけるハードの普及台数の低さから、海外はともかく国内で実際に盛り上がるのかというと甚だ疑問である。
 それにしても今月号は特にオンラインゲームの特集が目立っていた。ならば他はどうだったのかとういと、どうにも小ネタの寄せ集めという感じで、これといったものはなさそうではある。それでもちょっとは気になったのはいくつかあった。一つはゲームキューブの「ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」の評価で、はっきりとした明言は避けていたものの、暗に「多人数なら楽しめるけど一人だとどうか」と言っているような雰囲気を醸し出していた。
 あとは、一部の限定ソフトや非売品にプレミアがついているというのは以前から知っていたのだけど、驚いたのはネオジオのロムで「ちびまる子ちゃん」を題材にしたクイズゲームが20万を超える価格で販売していたことだ。お世辞にもヒットしていたとは言えないものでも、需要と供給のバランス次第ではこんなにも値段が跳ね上がってしまうのかと思うと、なんだか凄いなと感心してしまった。
 最後に今月のランキングで「サカつく3」「頭文字D」がワンツーフィニッシュを飾ったことは「セガ」をこよなく愛する「メディアワークス」としては非常に喜ばしい結果だったのではないだろうか。これだけでかつての盟主復活というところまではいかないだろうけど、これをきっかけに少しでも自信を回復してもらって、今後のゲーム製作の励みになればなと思う。


【10月号】
『今、ゲーセンがスゴすぎる!』

 要約すると「常に革新的なアイデアを形にするセガはなんて素晴らしいんだ」ということのようだ。確かにセガは過去にも「稼動型大型筺体(アウトラン、アフターバー)や、ポリゴン格闘(バーチャファイター)、家庭用ポリゴンハード(セガサターン)、家庭用オンラインゲーム(ファンタシースターオンライン)」などをライバル会社に先駆けて商品化して世に送り出し、ある程度の成功は収めている。しかし、残念なのは各分野でトップを掴みかけては悉く(ことごとく)失敗したことだろう。会社の能力に見合った事業展開をしていればいいのに、何度となく欲を掻いては赤字に転落するという失敗を繰り返してきた。マニアに絶大な信頼を得ていた時代(アウトラン以前)のように、脇役に徹していればこのような失態を晒すことはなかっただろう。
 それはさておき、今回の特集で取り上げている大掛かりなカードゲームはいずれも趣向を凝らしていて、一部のマニアには受けそうな感じは紙面から伺える。実際ワールドサッカーセリエAは発売から1年くらいまでは桁違いの得点(ファミ通のランキング)を叩き出していた。データの集計範囲が都内に限られていたとはいえ、それまで流行っていたとされるメダルゲーム「ダービーオーナーズクラブ」以上の点数だったことを考えると、結構凄いことなのかもしれない。ただ、それが社会現象になるほどの大ヒットなのかというと微妙な感じがする。売れてることは間違いないのだろうけど、全国レベルでははたしてどうなのだろう。
 実際のところ、カードゲームを基本に大型施設による大規模な仕掛けを施すというのは確かに面白そうではある。ただ、一つ不安なのはセガというメーカーに対する信頼ではないだろうか。なんていうか、セガの作るソフトはアイデアとして優れた部分がある一方、大雑把な作りによる詰めの甘さというのも一般のレビュー等で散見してきた。つまりは「ユーザーフレンドリーに徹しきれてない」という認識がセガにはあるように思えてならない。経験のない初心者への配慮(チュートリアルと気づかせない親切なシステムを用意するとか)とゲームバランスの調整を徹底させることが、これからのセガには必要なのではないだろうか。

『今月のランキング』

 パワプロ10の好調な売り上げが今月は特に目立った。もともと完成度の高い投打のシステムに加えて充実した各種モードがユーザーに受け入れられたのだろう。売り上げを押し上げた原因ということでは、各社で発売しているリアル系の野球ソフト(ナムコの熱チュー!プロ野球を除く)に見限りをつけたユーザーが再びパワプロに戻ってきたということもあるかもしれない。


【11月号】
『機動戦士ガンダム ゲーム&アニメ大特集号』

 ガンダム関連の見出しで埋め尽くすというアニメ雑誌顔負けの表紙を見るにつけ、未だガンダム人気は健在だということが伺える。大規模な特集を組むだけあって、ガンダムシリーズのゲームリストは壮観なものがあった。その数を見ると、改めてガンダム、それも初代ガンダムの人気が如何に凄いかということを思い知らされる。最新作「めぐりあい宇宙」が登場2週でハーフミリオン突破(電撃オンライン調べ)という非常に好調な動きも、ファーストガンダムの魅力を最新の技術で余すことなく再構築したからだろう。

『今月のランキング』

 「ウイニングイレブン7」が発売1ヶ月でミリオン目前という圧倒的な売り上げで他を寄せ付けなかった。以下「FFクリクロ」「TOシンフォニア」といったゲームキューブソフトが健闘したものの、ハードの売り上げを見るとキラータイトルというには微妙なところだ。上記のような話題となる作品がもう少し定期的に発売されるといいのだが、ハードメーカーの方針に外れたソフトが作り辛い環境を考えると、これ以上を望むのは厳しいと言わざるを得ない。


【12月号】
『2003年末のゲームをもっと面白くする5つの答』

 長引く不況、他業種(携帯電話、テレビ、パソコン)との熾烈な競争、技術革新の行き詰まりによって新たな刺激の欠如といった数々のマイナス要素で、ゲームソフトの売り上げは年々下降線を辿っている。そうした厳しい状況をなんとか脱却しようと試行錯誤する涙ぐましい努力の結晶が、今回の見出しということなのだろう。
 それに、大変なのは何もゲーム業界のみならず、雑誌業界だって同じことが言える。確かに同じ誌面が続けば飽きられてしまうという理屈はなんとなく判る。だからといって、来月から毎月何かしらの特集を組むという、以前にも試して失敗した企画を再び立ち上げるというのは、どうなんだろうと思う。
 これだけでも心配だというのに、一つの特集に100ページものページを毎号割くというのは、いくらなんでも無謀すぎやしないか。以前のように景気のいい話が向こうから舞い込んでこない以上は、自らの手で特集を組んで盛り上げるのも致し方ない。それとも、雑誌の存亡が結構危ういところにまで追い込まれているとでもいうのだろうか。もしそうならば、こんな乾坤一擲な企画を敢行するのも無理からぬことかもしれない。とまあ、いろいろと不安ではあるが、結局はなるようにしかならないと思うので、後は貴誌が廃刊にならないことを、一読者として陰ながら祈るしかない。

『これも販売戦略のひとつか』

 これが一つの光明となるかどうかはともかく、「イース」(PC)シリーズの攻略の一部を雑誌で掲載して、気に入れば別売りの攻略冊子を購入してもらおうというアイデアは悪くない。もちろん、これによって売り上げがどの程度伸びるかどうかは判らないが、こうした連動企画は継続してなんぼの世界だと思うので、今後も積極的に取り入れていけばいいのではないかと思う。

『今月のランキング』

 おそらく、「マリオゴルフ ファミリーツアー」(GC)が伸び悩んでいるのは、大半のユーザーは前作「マリオゴルフ64」(N64)を所持しているからだと思う。いくらグラフィックや完成度が前作以上に高まったといっても、基本的にやってることが変わらない限り、ゴルフゲームは一本持っていれば十分というのが、消費者側の心理かもしれない。今後はPS2でも「みんなのゴルフ4」が発売されるが、果たしてこちらの方はどのくらい売れるであろうか。

 さて、来月から大幅な誌面の刷新が敢行されるが、個人的にはランキングの情報密度が今より薄まらない限りは、今後も継続して購入しようと思っている。