EQ1 地震情報自動収集プログラム

概要

機能

EQ1は、Web上の地震情報サイトから地震情報を自動取得して保存する、コンピュータプログラムです。
最新版は2009年5月のVB2008言語版で、内部処理用に測地系変換プログラム「TKY2JGD」を実装しています。

EQ1が自動取得した地震情報は、複数個所に保存する事ができます。
既定の保存場所はEQ1が稼動しているコンピュータで、地震情報取得サイト毎に地震発生日付をファイル名にして 基本データを保存します。
その他の保存場所はWeb上に配置した専用掲示板で、 基本データに震源から最短距離にある海岸の行政区名、震源からの距離、方位を追加して自動投稿します。

ここでの基本データとは、地震発生日時、震源地名、震源座標、震源深さ、マグニチュードを指します。

EQ1が参照するデータ類

以下の「国土数値情報JPGIS準拠データ 国土交通省」をEQ1用に変換して使用しています。

  • 海岸線座標 = 海岸線(線)
  • 行政区名 = コードリスト
測地系の扱い

EQ1が参照するデータの座標系が世界測地系である事から、基本的には世界測地系で処理を行います。
ただし、データ検証処理で地図情報サイトを参照する際には、旧日本測地系に座標変換を行っています。 これは、地図情報サイトの測地系が旧日本測地系である事に対する測地系の整合措置です。 EQ1は、次のとおり国土地理院長の承認を得て TKY2-JGD を実装して、世界測地系から旧日本測地系に座標変換しています。

このプログラムは、国土地理院長の承認を得て、 同院の技術資料 H・1-No.2「測地成果2000のための座標変換ソフトウェアTKY2JGD」を使用し作成したものである。 (承認番号 国地企調発第417号 平成21年4月9日)

TKY2JGDの処理結果は、地震等による地殻変動が生じた地域等では十分な精度が確保できない場合が あることにご留意ください。

TKY2JGDの処理には、座標変換パラメータファイル”TKY2JGD.par”を使用しています。

掲示板の自動投稿データについて

データの正確さは保障いたしません、あくまでも目安とお考えください。

  • 2008年時点で、複数箇所で行政区名の誤りがある事を国土情報提供サイト運営事務局が確認しています。
  • 震源が極端な遠方や、緯度・経度が高低過ぎる場合には、信頼性が低下します。
  • 海岸線データを間引き使用しているため、最短距離の地点を示さない事があります。
  • 小島・海中の防波堤・岩礁等の取捨選択が不完全な地点があり、最短距離を示さない事があります。

EQ1プログラムの起動

プログラムの起動

EQ1.exeアイコンをダブルクリックして起動します。
測地系変換プログラム「TKY2JGD」についてのメッセージを確認をします。

画像 TKY2JGD_Info

EQ1設定ファイルとTKY2JGD座標変換パラメータファイルの読み込みが始まります。
ファイル読み込み中にはメッセージを表示します。

画像 EQ1_Conf_Info

ファイル読み込み完了後、起動に成功するとEQ1画面を表示します。

画像 EQ1

EQ1の稼動と一時停止

稼動設定

EQ1ウインドウで取得や投稿について簡単な設定を行います。
赤丸の数字1〜6までを設定しますが、設定ファイルで初期値が決まっています。
必要に応じて内容を変更すれば、新しい設定が有効になります。

稼動開始

【起動】ボタンを押すとEQ1の自動処理が稼動して、地震情報の取得や投稿が始まります。
注意: EQ1ウインドウでの設定変更は保存されません、初期値の変更は設定ファイルを変更してください。

一時停止

【一時停止】ボタンで一時停止します。

EQ1プログラムの終了

プログラムの終了

【終了】ボタンを押すとEQ1プログラムが終了します。
稼動中は【終了】ボタンを押せません、一時停止してから終了します。

EQ1の設定

図1の赤丸項目番号順に解説します。
1 「地震情報報取得サイト」

地震情報を取得するサイトを選択します。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。

2 「投稿先」

取得した地震情報を投稿するサイトを選択します。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。

3−1 「全サイトから取得する」 チェックボックス

EQ1に登録済みの、すべての地震情報サイトを取得の対象にします。
この場合、地震情報取得サイト選択はどれを選択していてもかまいません。
情報サイト選択が、サイトの登録番号順で自動的に変化して取得をします。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。

3−2 「自動投稿する」 チェックボックス

EQ1に登録済みの投稿先に、取得した地震情報を自動投稿をします。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。
投稿は以下の手順で実行されます。

重複投稿の回避

投稿前に、投稿先に投稿データと同じ内容がない事を確認してから投稿します。
投稿データと重複する記事がある場合は、投稿を中止します。

投稿後の重複回避

投稿後に投稿先の内容を確認します。
投稿データと重複する記事がある場合は、投稿時刻先方式に従って投稿データを削除します。
投稿時刻優先方式とは、同一内容の投稿が重なった場合に投稿時刻が早い方を有効にする方式です。
ただし、同一時刻の投稿が存在する可能性があるため、投稿番号で判定しています。

3−3 「全サイトに投稿する」 チェックボックス

EQ1に登録済みの、すべての投稿先を自動投稿の対象にします。
この場合、投稿先選択はどれを選択していてもかまいません。
投稿サイト選択が、サイトの登録番号順で自動的に変化して自動投稿をします。
実際に投稿するかどうかは、前のの3−2「自動投稿する」設定に従います。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。

3−4 「HTMLタグ文字装飾で投稿する」 チェックボックス

投稿先がHTMLタグ使用を許可している場合に限ります。
EQ1既定の形式で投稿文の文字を強調します。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。
注意: 「全サイトに投稿する」を選択した場合、投稿先毎に設定ファイルの設定値になります。

3−5 「ログ出力する」 チェックボックス

EQ1の起動から停止までの間、稼動状況をログに出力します。
状況により以下の項目を、それぞれ日時から始まる1行で記録します。

  • 起動時刻。
  • 終了時刻。
  • 取得成否。
  • 震源地名取得の成否。
  • 震源距離算出の成否。
  • 投稿成否と投稿データの日時情報。
  • 投稿失敗時の再試行の成否。
  • 重複投稿回避時の既存記事の情報。(投稿番号、タイトル、日時、他一連)
  • 投稿後の重複記事再検査結果と記事削除の成否。
  • エラー。
3−6 「PS投稿を一回限りにする」 チェックボックス

投稿本文に追加するテキストを一回限りにします。
このチェックボックスはEQ1稼働中でも選択できます。
一回限りの投稿が完了すると、4のPS用 テキストボックスが空白になります。
注意: 全投稿先に投稿するを選択した場合、最初の投稿先だけに追加されます。

4 「PS用テキストボックス」

投稿本文に追加するテキストを入力します。
待機中、稼働中のいずれでもメッセージを入力できます。
注意: D−3「カウントダウンタイマー」の投稿までの残り時間内に入力を完了してください。
入力中のデータは投稿が始まった時点で確定し、投稿されます。

5 「秒設定」

地震情報取得の間隔を秒単位で選択します。
Web環境や回線状況で、データ取得や投稿に要する時間は不安定です。
データ取得や投稿に失敗をした場合は、既定回数のリトライ実行によって処理時間が増大します。
従って、時間設定どおりの取得処理を保障するものではありません。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。

6 「削除キー」

投稿先の記事削除用の削除キーを入力します。
稼働中には変更できません、一時停止してから変更します。
注意: 「全サイトに投稿する」を選択している場合、投稿先毎に設定ファイルの設定値になります。

EQ1の表示

「図1-EQ1待機中」の青字項目番号順に解説します。
D−1 起動動日時

起動ボタンを押してEQ1が稼動を始めた日時を表示します。
一時停止後の起動再開時には、リセットして更新します。

D−2 稼動状況

稼動状況を小窓に表示します。

  • 待機中。
  • 地震情報取得中の取得サイト名。
  • 地名検索中。 !現在は省略しています。
  • 震源距離 算出中。 !現在は省略しています。
  • 投稿中。
  • 重複投稿 削除中。
  • 連続投稿 回避中。
D−3 カウントダウン タイマー

処理の待機や遅延時間を表示します。

  • 取得まで : 次回の地震情報取得までの残り時間。
  • 投稿待機 : 連続投稿回避中の投稿待機残り時間。
D−4 登録件数

データファイルに登録した地震情報件数。

D−5 取得失敗

データ得に失敗した件数
取得失敗時は既定回数の取得リトライを実行しますが、リトライで取得に成功した場合は加算しません。
リトライ情報はログに記録します。

D−6 投稿失敗

投稿に失敗した件数。
投稿失敗時は既定回数の投稿リトライを実行しますが、リトライで投稿に成功した場合は加算しません。

D−7 投稿拒否

投稿を拒否した件数で、以下の場合に加算します。

  • 投稿データと同一のデータが投稿サイトにある場合に、投稿を中止した件数。
  • 投稿後の重複再検査で、EQ1の投稿順が後でEQ1の記事を削除した件数

重複の判定は、既存記事の地震情報データ値を抽出して比較します。
投稿先のデータ表記が特異な場合には、誤判定により重複投稿を回避できない場合があります。

EQ1の処理概要

データ取得と投稿処理
取得データ処理
  • 取得データは、EQ1_DataFilesフォルダにデータファイルとして出力します。
    EQ1_DataFilesフォルダは自動生成されます。
  • データファイルは取得サイト別、地震発生日付毎に、取得サイト名+日付+.eqd拡張子のファイル名で生成します。
    ファイルデータは、一情報について項目をカンマ区切りで1行にしたテキスト型です。
    データ項目の並び順は、地震発生日時、震源地名、緯度、経度、深さ、マグニチュードです。
  • データのファイル出力に際して、取得データとファイル最新データの地震発生日時を比較します。
    取得データの地震発生日時が最新データの地震発生日時よりも新しい場合には、追加データとして出力します。
    双方のデータ日時が同じ場合には、地震情報各項を比較して相違があれば追加データとして出力します。
投稿データ処理

投稿データは、地震情報サイトのデータに以下のデータを追加しています。
ただし、投稿文字数制限の設定を行った場合には、データの一部を省略します。
震源が海域の場合に限り付加するデータは、次のとおりです。

  • 震源から最短距離の海岸座標。
  • 震源から最短距離の海岸地名。
  • 震源と最短距離の海岸の距離。
  • 震源と海岸の双方からの方位角度。
  • 震源と海岸の双方からの方位名。

Yahooの地震情報の場合に限り付加するデータは、次のとおりです。

  • Yahoo地震情報ページのURI
  • 投稿データの取得元ページが履歴に移動した場合の予想URI。
    履歴ページの有効期限はYahoo側の設定であり、古くなるとアクセスできなくなります。

注意: 震源距離、方位角度、測地系変換は、地点により誤差が拡大ます。

震源から最短距離の海岸座標

海岸線座標は、「国土数値情報 海岸線(線)国土交通省」を基に作成した座標ファイルを参照します。

震源から最短距離の海岸地名

海岸線座標は、「国土数値情報 コードリスト 国土交通省」を基に作成した行政Codeファイルを参照します。
ただし、現時点で国土数値情報の地名に複数の誤りがあるので、地図サイトから取得した地名を優先使用しています。
地図サイト参照時に測地系変換誤差等で地名が取得できない場合は、国土数値情報の地名を使用します。
国土数値情報の地名を使用した投稿記事には、地名の後ろに未検証である旨の注意書きを追記します。

重複投稿の検索範囲

重複投稿の検査範囲は、最新の1ページ(最初に表示するページ)分が対象です。
過去分等の他ページについては、重複投稿検査を行いません。

連続投稿の回避

EQ1の投稿が同一サイトに対して短時間に行われる場合、タイマー遅延で連続投稿を回避します。
連続投稿回避の設定時間が経過後に投稿します。
通常は発生しにくい現象ですが、複数サイトから取得の設定で起動すると初回に発生する事があります。

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