千里眼
2000年公開作品

柴田さんからの投稿です。


 ハッキリ言って最低でした。恐らく今年の俺的ワースト映画No.1の座は固いです。

  全体の構成がメチャクチャだし、映像面も美術や照明が安っぽいし、VFXに関しても、これが本当に全国公開される劇場用最新作の映像か!? と眼を疑いたくなります。なに? あの実在感のカケラも無いミサイルは? VFXと呼ぶほどのものでもない通常の合成カットすら精度が低すぎて境界線がバリバリに見えてます。爆発や炎の合成の浮き具合もテレビ特撮並です。そもそもヴィジュアルイメージがチープすぎ。麻生学とやらいう監督はハッキリ言ってセンス無いです。カメラワークも斬新さがないどころか、観ていて失笑を禁じ得ないような古臭さ満載。ホントに若手監督なのか?

  脚本もスゴイ。もう、
何処に出しても恥ずかしくないほど恥ずかしいです(謎)。何故あの内容でGOサインが出る!? ひょっとしてスルーパス? だいたい、メインスタッフの誰一人としてあの作戦の根本的な矛盾点に気付かなかったのだろうか? タダの思いつきだけで、必然性が皆無に等しい。一昔前の特撮ヒーロー物に出てくる悪の秘密結社か!>ミドリの猿
  脚本に原作者の名前もクレジットされているにも関わらずあの出来ということは原作からしてこんなアホアホな内容なんだろうか…。

  そして、なにより酷いのはクライマックスのワイヤーアクション。見るからに
「マトリックスっぽいコトやってみましてん」と言わんばかりです。実際、殺陣自体マトリックスとほぼ同じことやってる箇所が多々見受けられます。要するに「俺達だってマトリックス程度のものは作れるんだぜ!」とでも言いたいのでしょうか? こーゆうのを『二番煎じ』と言うのでは? マトリックスっぽいことをやるなとは言いませんが、どうせやるならせめて「マトリックスを超えてやる!」ってぐらいの気概は見せて欲しいものです。
  しかしそれよりなにより、このアクションシーンが最も酷いのは、この部分が明らかに映画全体の中でも「浮いている」ということですよ。全く脈絡が無い。まさにとって付けたような、と言うより実際とって付けたサービス場面でしかない。でもこれじゃあサービスにもなんにもなりっこないですよ。唐突にこんな場面を入れられても話の流れが淀むだけで、全然テンション上がらないですもん。それとも、今どきワイヤーアクションやってるってだけで見せ場になるとでも?
  確かに日本映画で大々的にやるのは珍しいのかもしれませんが、それは単に日本映画界がこの分野に関して大きく遅れをとってるってだけであって、別に今更このレベルのモノを見せられても驚くには値しませんよねぇ…。なまじ香港映画などのワイヤーアクションが大好き(笑)なオレだからこそ尚更腹立たしく感じたのかもしれませんけどね。

  兎にも角にも、
この支離滅裂なシナリオとチープな演出は見るに絶えないです。例えるならインド映画から陽気さと豪奢さを取り除いたようなカンジですかねぇ? 馬鹿映画を狙ってやってるようにも見えないし(もし狙ったとしてもコレは大失敗)本人たちはコレでもマトモな映画を作ってるつもりなんでしょうねぇ。なんか、既に続編を製作するつもりになってるらしいですし…。頼むからコケろ! これ以上制作費を無駄遣いすんな!>東映


  とりあえずこの映画が気になっている方へのオレからのアドバイスは一言だけ
『観るな!』 アドバイスと言うより警告ですが。
  まぁどれくらい駄目か自分の眼で確かめたいという酔狂な人や水野美紀が出てれば何でもOK!って人は別ですが(^_^;
  いやオレも水野美紀は好きですが、これじゃフォローの仕様が無いッス。


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