銀河英雄伝説

OVA


  田中芳樹の人気小説のアニメ化。遥かな未来、銀河で繰り広げられる2大勢力の戦争。それは専制主義の銀河帝国と共和制の自由惑星同盟の戦いだった。そして両者の間で策謀を廻らすフェザーン自治領。この長きに渡り続いてきた三すくみの状況が、二人の男の登場により変化していく。一人は帝国の「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラム。もう一人は同盟の「不敗の魔術師」ヤン・ウェンリー。緩やかに流れていた歴史は、激流へとその姿を変えようとしていた・・・。

  数年間に渡り展開され、計4期で完結を向かえた最長のOVAシリーズ。よって膨大な巻数を誇り、レンタルビダオ店の一角を占領している光景を目にした方も多いであろう。計10巻におよぶ原作を何年も掛けて全て描き切った事は、もっと評価されてしかるべきだと思う。原作を忠実にアニメ化する方針の様で、セリフも殆ど原作に忠実であり、私としては非常に好感がもてた。もちろん、イゼルローン要塞の液体装甲等、原作とは違った解釈を試みた例も存在するが、それもまた良し。原作の魅力を再現、いや原作以上の魅力を持っていると言っても過言ではない。

  メカニックデザインは原作小説の挿絵も手掛けた加藤直之が担当し、挿絵の艦船がリファインされて登場する。1万隻以上に及ぶ艦隊同士が激突する、艦隊戦のシーンはまさに圧巻。声優も豪華で、原作の魅力的なキャラクターに命を吹き込んでいる。長きに渡る展開の中で、一流声優の殆どがこの作品に出演しているのも有名。ヤン・ウェンリー役の富山敬氏が、第3期でのヤン提督の死の直後に他界されたのは、私にとってあまりにも印象的であった。富山氏の声には「宇宙戦艦ヤマト」の古代や、「わが青春のアルカディア」のトチローなどで幼少の頃から親しんでいただけに、亡くなられたのは残念でならない。まさに、ヤンと富山氏は一体だったのではないかと思える。

  メカニック面で原作と描写が大幅に異なるのは、イゼルローン要塞などの要塞と、帝国側の戦闘艇ワルキューレである。要塞は原作の鏡面装甲だけで無く、さらにその上に流体金属の装甲を纏っていると設定され、ワルキューレは原作の4つの翼を持つという描写とは全く異なる形状となっている。原作はメカニック描写はそれ程多くはなく、ワープに関してはかなり謎な部分が多いが(ヤマト型のワープなら宇宙要塞なんか飛び越えられるんじゃねぇの?とか)、アニメでは艦船の設定を補完しつつもワープに関しては特に触れられていなかつた。(逆にスタートレック型のワープの様に描写されている。)
  銀英伝の艦船のデザインは評価が高く、現在でもガレージキットなどが発売されている。

  このアニメ版のヒットを受けてパソコン用ゲームがボーステックより製作され、これも今日まで続く人気作となっている。特にIVは評価が高い。

  本編の他に劇場公開されたエピソードや、外伝も存在する。原作の外伝は続刊予定があるため、まだまだ銀河の歴史はつづられていく様だ。

   DVD−BOXは税込み価格23万1千円で発売が決定し、公式サイトで通信販売を行う。一部作画を手直しするなど、値段に見合うだけの気合の入れようである。

 

今のところ、第一期は全部観ました。これを全部視聴するには何時間かかる事か。(^^;)
知り合いに、全部レンタルして観たという人がいますが、本当に凄いと思いますよ。私が全部観れるのは何時になることやら(汗)。


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