陸軍戦力比較

  第二次大陸間戦争の主体となるのが数々の陸戦型ゾイドからなる陸軍である。惑星Ziの戦争は基本的に領土争奪戦である為、中心となるのは陸戦であり、陸軍の重要性は三軍の中で最も高い。旧大戦時から共和国、帝国ともに最も軍備に力を注いでいるのがこの陸軍である。惑星Ziは地形が複雑な為、次々と局地専用のゾイドが開発されており、陸軍のゾイドは機種・バリエーションとも空軍・陸軍に比して群を抜いて多い。海軍の輸送能力、空軍の爆撃力を軽視している訳では無いが、最終的に敵領土の奥深くまで侵攻し敵拠点の制圧が目的となる事が多く、また飛行ゾイドでは一部の大型飛行ゾイドを除いて陸戦型大型ゾイドを撃破する事が困難な為、陸軍の重要性は現在の地球よりも高いと言えよう。


ヘリック共和国軍

  共和国機動陸軍は、敵と正面からぶつかり合う「機甲師団」と奇襲攻撃を得意とする「特殊工作師団」、そして本土防衛を任務とする精鋭「主力ゾイド部隊」に分かれている。
  「機甲師団」は主力となる「強襲戦闘隊」、支援砲撃を担当する「重砲隊」、強行偵察を任務とする「強行偵察隊」、輸送を担当する「輸送部隊」から成る。
  「強襲戦闘隊」は敵に真正面から攻撃を掛ける戦闘の花形であり、「機甲師団」の中心となり戦闘の趨勢を決する存在である。主に共和国最強ゾイド ゴジュラスおよび改造型のゴジュラスガナー、主力小型ゾイド ゴドス、そして空からの対地攻撃を担当するダブルソーダから成る。陸軍の主力小型ゾイドはゴドスであり、このゾイドが最も数が多い。主に指揮官機として使用される主力大型ゾイドはゴジュラスであるが、これは台数が少ないのが悩みだ。通信偵察を受け持ち、軍団の通信網の要となるのがゴルドスである。指揮官が搭乗するゴジュラス1機に対し、指揮下のゴドス、ガンスナイパー等小型ゾイド数十機、それに通信・電波妨害を受け持つゴルドス1機、というのが「強襲戦闘隊」の基本的な部隊編成である。戦力に余裕があればこれにゴルドスの目となり早期警戒および偵察を担当し、対地攻撃も行うダブルソーダが数機加わる。
  「重砲隊」は後方支援を担当し、カノントータス、重砲仕様ゴルドス、コジュラスガナーから成る。しかし、ゴジュラスガナーは基本的に「強襲戦闘隊」の方に回されており、重砲仕様ゴルドスも数が少ない為、主力となるのはカノントータスである。指揮官搭乗の重砲仕様ゴルドス1機に数十機のカノンタトータスがつくのが基本的な部隊編成。重砲仕様ゴルドスのレーダーを利用して射撃命中率を上げる為、集団運用時は基本的に重砲仕様ゴルドスの配備が不可欠となっている。
  「強行偵察隊」は通信・偵察・電波妨害等、電子戦を一手に引き受ける。基本的にゴルドスで構成されるが、そのゴルドスの手足としてダブルソーダ、コマンドウルフ、ワイルドウィーゼルユニット装備のガンスナイパーも配備されている。ゴルドス1機を基点に他のゾイドが哨戒網を形成するのが理想的な編成。得られた情報はゴルドスに送られ、さらに集積されて後方の司令部に送られる。ゴルドス自身が前進し、強力な通信妨害を行う事もあるが、ゴルドスが鈍重な為これには危険が伴う。
  「輸送部隊」は戦争で最も重要な要素、兵站を担当する部隊であり、主な使用ゾイドはグスタフである。また、もっと大量に輸送可能な大型飛行ゾイド  ネオ・タートルシップも配備されている。
  「特殊工作師団」は、高速戦闘を目的とする「高速戦闘隊」と、奇襲攻撃を目的とする「奇襲攻撃隊」で構成されている。
  「高速戦闘隊」は全て高速型ゾイドで構成されており、シールドライガー、シールドライガーDCS、ブレードライガー、コマンドウルフ、ガンスナイパーが配備されている。「高速戦闘隊」の大部分を構成するのはコマンドウルフである。ブレードライガーもしくはシールドライガーに指揮官が搭乗し、その指揮下に十数機のコマンドウルフが加わるのが基本的編成。現在ではガンスナイパーも配属されているが、比較的低速な為もありコマンドウルフよりも数が少なく、現在でも「高速戦闘隊」の主力はコマンドウルフである。緒戦から帝国との圧倒的戦力差に苦戦を強いられていた共和国陸軍において唯一「高速戦闘隊」は善戦し、北エウロペ大陸最東端での戦闘でもブレードライガーを先頭にゲリラ戦を展開、共和国反撃の契機となった。
  「奇襲攻撃隊」はガイサック、ステルスバイパーといった奇襲攻撃を得意とするゾイドから成り、その名の通り奇襲攻撃やゲリラ戦に威力を発揮する。北エウロペ大陸東端での戦闘では、「高速戦闘隊」と共にゲリラ戦を展開し、帝国軍を苦しめた。
  「主力ゾイド部隊」は、共和国本土防衛軍の大半を成す精鋭部隊である。7人のレオマスター操る7機のシールドライガーDCS-J、かつての威容を復活させたディバイソン突撃隊、そして未知数の力を持つゴジュラス・ジ・オーガと多数の改造ゾイド カノントータス・ヘビーガン、コマンドウルフ・アーティーと言った精鋭ゾイドから成り、一騎当千の力を発揮する。当初共和国軍は、暗黒軍の中央大陸本土への奇襲攻撃(トライアングル・ダラスを通らずとも、一度宇宙に出てから玉砕覚悟で中央大陸に降下する方法がある)を警戒し、「主力ゾイド部隊」を本土防衛任務に就かせていたが、西方大陸戦において反攻の契機が得られ、またギル・ベイダーの復活は当分無い事が諜報部の調査で判明した為、西方大陸へ増援として派遣する事を決定した。本土防衛軍の殆ど全てといえる主力ゾイド部隊の派遣は本土がカラになるという危険が伴うが、共和国軍は決行した。「主力ゾイド部隊」は長く本土にあったため、新型ゾイドと改造パーツを優先的に配備されており、他の部隊よりも火力において大幅に上回っている。おそらく、「主力ゾイド部隊」の一部がこれら新開発の武装のテストも行っていたのではないかと思われる。西方大陸上陸後は「主力ゾイド部隊」としてだけでなく、それぞれの機体に適合した各隊とも共に戦闘に参加している模様。

陸戦用大型戦闘機械

RZ−001 ゴジュラス 恐竜型
  旧大戦時からのヘリック共和国軍の主力であり、共和国軍の象徴とも言うべきゾイドである。アイアンコング登場以前はあらゆるゼネバス帝国ゾイドを圧倒し、無敵時代を築いていた。
  共和国軍はZAC2056年の大異変において、マッドサンダー、ウルトラザウルス、オルディオスといった大型ゾイドを悉く失ったが、ゴジュラスは絶滅寸前ながらも僅かながら生き残り、現在ではかつての様に共和国軍最強のゾイドとして君臨している。しかしながらその生息数は極めて少なく、大量に生産出来ないのがネックとなっている。第二次大陸間戦争仕様では、装甲に特殊チタニウムを使用し、耐久性、運動性とも向上している。一見フレームが剥き出しの構造の様に見えるが、このフレーム自体も装甲を施されており、頑強である。
  ライバルは宿敵アイアンコング。長距離戦ではミサイルを多数装備するアイアンコングが有利だが、接近戦では巨大な顎で噛み付く事が出来るゴジュラスが有利であり、いかにコングのミサイルを凌いで接近戦にもちこめるかがポイントである。


ゴジュラスガナー 恐竜型
  旧大戦時には「ゴジュラスMk-II量産型」と呼ばれていたゾイド。
  アイアンコングの長距離からのミサイル攻撃はゴジュラスにとって脅威であり、これに対抗する為数々の改造ゴジュラスが試作された。その中で最終的に採用された案が、「ゴジュラスにキャノン砲やミサイルポッドを増設し、長距離戦に対応させる」というものであり、正式採用された機体は「ゴジュラスMk-II」と名づけられた。折りしも、戦闘は一対一の戦いから軍団単位の戦いへと変化しており、Mk-IIへの改装は大幅な破壊力アップに繋がる事となった。しかし、Mk-II用武装はかなり高価であった為そのままでは量産に向か無いという問題があった。そこで共和国軍はMk-II用武装からミサイルポッド、エネルギータンクを削除し生産性を上げ、軽量化した「ゴジュラスMk-II量産型」を開発した。これにより共和国軍はゴジュラスMk-II量産型部隊を編成する事が出来、この部隊の一斉砲撃は、帝国軍にとって脅威となったのである。ゴジュラスMk-II量産型は各方面へ配備され、華々しい活躍を見せた。
  第二次大陸間戦争においても帝国軍はアイアンコングを戦線に投入し、かつての様にコングの長距離からのミサイル攻撃はゴジュラスを苦しめた。これに対抗するため共和国軍は製造中止になっていたMk-II量産型用強化装備を復活させ、強化武装として前線に配備。武装強化されたゴジュラスは新たに「ゴジュラスガナー」と名付けられ、宿敵「アイアンコングMk-II量産型」こと「アイアンコング・マニューバーカスタム」と熾烈な戦闘を繰り広げる。







陸戦用小型戦闘機械獣

RZ−014 ゴドス 恐竜型
  小型ゴジュラスとも言うべきゾイドで、中央大陸戦争では共和国軍の主力であり、登場当初は同クラスのゾイド相手に無敵を誇り、「恐竜の殺し屋」の異名を持っていた。。現在に至るまで共和国軍で最も生産数の多いゾイドである。大陸間戦争時は一線を退いていたが、大型ゾイド激減している今次大戦において、再び共和国陸軍の主力小型ゾイドとして活躍している。現在ではゴジュラスの台数が少ないため、ゴドスの重要性はより増していると言える。
  第二次大陸間戦争仕様では、小口径ながら荷電粒子ビーム砲を装備し、火力がアップしている。また、同クラスのゾイドの装甲を貫通する、キック攻撃の威力も健在だ。ライバルはこのゴドスに対抗して作られたイグアンである。


RZ−002 ガイサック 蠍型
    クモ型ゾイド グランチュラの発展型の砂漠戦用の奇襲型ゾイド。もとは砂漠に住む体長80cmくらいの生きものを、バイオテクノロジーによって巨大化させ改造した物の為、低コストであり大量生産が可能である。
  今次大戦においてはゴドスとともに共和国陸軍の中核をなす小型ゾイドであり、スリーパー(無人機)仕様等様々なバリエーションが存在する。ステルスバイパーと共に、奇襲攻撃隊を構成する。


RZ−015 カノントータス 亀型
    『ロイ・ジー・トーマス中尉』の乗機として、ウルトラザウルス奪還作戦を成功させたエピソードが有名な傑作ゾイド。かつては突撃砲を装備していたが、現在では液冷式荷電粒子ビーム砲に換装し、長距離支援を主任務としている。機動性の低さが唯一の弱点。現在帝国側には同コンセプトのゾイドが無い為、運用次第で帝国に痛撃を与える事が出来るだろう。ゴルドスとの連携による遠距離砲撃は帝国にとって脅威である。


RZ−020 ステルスバイパー 蛇型

  かつてスネークスと呼ばれていた局地戦闘型ゾイドの強化型。以前からの地形適応性に加えて、対空装備が大幅に強化されており、帝国空軍に恐れられている。ステルスバイパーを巧みに運用する事により、森の中等に一時的な対空砲陣地を作る事も可能である。ガイサックと共に奇襲攻撃隊を構成し、奇襲・ゲリラ戦に威力を発揮。ガイサックよりも後発機である為、性能面で上回る。


RZ−030 ガンスナイパー ベロキラプトル型

  一部解析された「オーガノイドシステム」のデータから生まれ、常識を越えた俊敏性と生命力を得たベロキラプトル型ゾイド。ブレードライガー、ストームソーダーと共に共和国技術陣が40年ぶりに新規に開発した機体である。ブレードライガーの支援機として開発されたが、オーガノイドの利用はブレードに比べて限定的なものであり、一般レベルのパイロットでも十分扱う事が可能となっている。奇しくも帝国軍が同時期に開発したレブラプターと同じベロキラプトル型小型ゾイドであるが、白兵戦重視のレブラプターに対し、後方支援から突撃までこなすオールラウンドタイプの設計になっている。瞬発力でレブラプターを上回る要因である、ブースターが一体になったミサイルポッドを背部に装備するなど射撃戦を得意としているが、格闘戦時には取り付けられている武器を強制排除し、身軽になって高い格闘性能を発揮できる。
  尻尾のスナイパーライフルはデュアルセンサーと連動し、ピンポイント狙撃で大型ゾイドのコアを撃ち抜く事も可能であるなど、その名の通り狙撃型ゾイドとしての側面を備えており、これはゾイドではそれまであまり見られなかったコンセプトであった。
  本機の初実戦参加は、南エウロペ・ガリル遺跡での真オーガノイド争奪戦。アーサー・ボーグマン少佐のブレードライガーの護衛として赴いた2機のガンスナイパーは、スリーパー(無人機)主体の敵レブラプター部隊を蹴散す活躍を見せた。本機は汎用性に富み、一部の性能以外はあらゆる点でそれまでの主力小型ゾイド ゴドスを凌いでいた。その為本機はゴドスの後継機たる新たな主力小型ゾイドとして、続々と配備が進んでいる。


ガンスナイパー・ワイルドウィーゼル ベロキラプトル型

  共和国の汎用小型ゾイドであるガンスナイパーに、CP−13ワイルドウィーゼルユニットを装着し、ワイルドウィーゼル機としたバリエーション。その名の通りワイルドウィ―ゼル任務(敵迎撃システムの破壊任務)に活躍する。
  ワイルドウィーゼルユニットは砲撃力とレーダー性能を同時に強化できるオプションであり、ガンスナイパーへの装備を前提として開発された。ガンスナイパーの汎用性を生かし、レーダー追尾システム、対ゾイド用パルスレーザーガンとビームガンにより構成されている。特徴であるディスク・レドーム内の高性能マルチレーダーは、帝国軍の電子機能の妨害、ゾイドの早期発見に役立ち、その機能はゲーターをも超える。さらにガンスナイパーの標準装備であるミサイルの命中精度も高める為、ガンスナイパー・ワイルドウィーゼルの総合火力はノーマル機よりも見かけ以上に大幅アップしている。また、このレーダーは偵察・電子戦・早期警戒にも高い威力を発揮する為、本機は本来のワイルドウィ―ゼル任務の他、偵察機・電子戦機としても使用されている。
  ワイルドウィーゼルユニットは、同じく汎用小型ゾイドであるゴドスなどにも装備可能。ゴルヘックス、ゴルゴドス無き今次大戦において、足の遅いゴルドスを補う偵察・電子戦用の中・小型ゾイドが必要とされていたが、このワイルドウィーゼルユニットの開発により、この問題はようやく解決を見た。



ゾイドブロックス

  激化する一方の戦いは、遂に全く新しい形態のゾイドを誕生させた。それがゾイドブロックスである。
  西方大陸戦争勃発時、両国が軍事生産力として徴収した西方大陸の民衆。西方大陸戦終結後、職にあぶれた彼等の一部は民間の軍需企業を立ち上げ、それは苦しい経済状況にある両国にとって心強い助っ人となった。その中の一社、かつてゼネバス帝国に荷担した地球人「冒険商人」グループの流れを組む企業が開発したのが、BLOXシステムである。
  今まで以上に、兵器として効率的で万人が扱え、低コストで大量に配備可能なゾイドが求められている状況であったが、この企業は全く新しいコンセプトのゾイドでこの要求に答えた。それは生物的要素のマイナス面を機械に置き換え、ユニット構造をブロック化する事により整備性、量産性を飛躍的に高め、容易に組み換えが可能で様々な状況に臨機応変に対応可能なゾイドというものであった。基本構造はブロック化したゾイドコアおよび基本フレームに、サポートシステムを兼ねる外装と、武器とコクピットと必要な装備を施したものであり、更にチェンジマイズ(パーツ組み換え)により、異なる機体同士のパーツの換装および合体が可能となっている。このチェンジマイズは最前線においても容易に行え、ブロックスという名称は、この様にブロックの如く自在に形態を変化可能な事に起因している。今までのゾイドでは、局地戦に特化した大掛かりな改造ゾイドを造ろうとすると、かなりの手間と時間を要したが、ブロックスならばそれと同じ事が、極短時間で容易に、しかも前線で行えるのである。かなりのパーツが規格化されている為、生産、整備が容易であり、特に前線での整備の負担は従来のゾイドに比べて劇的に緩和される。(最悪の場合、使えるパーツをくっ付けて機体をデッチ上げられる)  ブロックには陸・海・空の3種のユニットがあり、それぞれの属性に合わせたスタイルを持つ。さらに、従来のゾイドとも一部互換性があり、ブロックスの武装を従来のゾイドに装備する事も可能である。
  従来のゾイドもパーツの組み換えはある程度可能であり、また改造によりゾイドコアを複数持つ様になった機体もあったが、ブロックスはそれらの機能を極端に進化させたコンセプトだと言える。ゾイドをメカ生命体というよりもあくまで機械だと見る見方が強い、地球人系の企業ならではの発想であろう。ゾイド星人にはここまで割り切って、ゾイドの生物的要素を切り捨てる事は出来ないかもしれない。
  共和国軍の要請に答える形で開発されたBLOXは、直ぐに共和国軍で採用が決定され、第一段として陸・海・空戦用各4機種が開発され配備された。共和国軍はネオ・ゼネバス帝国のSSゾイド(超小型ゾイド)に苦しめられていたため、共和国側BLOXは、経験不足から開発が難航していた共和国側SSゾイドの代替・穴埋めというコンセプトが強い。
  このブロックスが、新たなバトルストーリーの幕を開ける。

ダブルアームリザード トカゲ型
  戦闘機械獣ゾイドの整備性・量産性を飛躍的に高める為に開発されたのがBLOXシステムである。このシステムにはもう一つ大きな特徴がある。ブロックのチェンジマイズ(パーツ組み換え)による合体機能である。レオブレイズとウネンラギアの合体形態であるこのダブルアームリザードは、高い機動性と攻撃力という2つの異なる特徴を獲得、またゾイド核を2個持つ事により、従来型のゾイドを遥かに上回る高出力も得た。これにより、分離時に比べて最高速度で劣る以外、火力・パワー・反応速度など、あらゆる能力が向上。その戦闘力は中型ゾイトにも匹敵する。ただ操縦性が極端に悪化するため、エース級パイロットにしか乗りこなせない。ダブルアームリザードはレオブレイズとウネンラギアの合体パターンの中で、もっとも安定した組み合わせだあり、その為そのままの形で前線に供給もされている。



高速機動型戦闘機械獣

RZ−007 シールドライガー ライオン型
  中央大陸戦争中期に、Eのマークを付けたウルトラザウルスのパイロットとして有名な『ヨハン・エリクソン大佐』が開発した大型の高速戦闘型ゾイド。当時共和国軍はゼネバス帝国軍の高速ゾイド サーベルタイガーに苦戦を強いられており、これに対抗するゾイドを開発する事は急務であった。エリクソン大佐は尊敬する好敵手であった、北海の虎の異名を持つ『ダニー“タイガー”ダンカン将軍』の愛機サーベルタイガーを基にこのシールドライガーを開発した。エリクソン大佐はシールドライガーを隊長機としてコマンドウルフで編成される高速機動部隊を設立、自らもシールドライガーを駆って出撃した。シールドライガーは期待通りにサーベルタイガーを圧倒し、共和国軍高速機動部隊はサーベルタイガーとヘルキャットからなる帝国軍高速戦闘部隊を撃破。最速ゾイドの座をサーベルタイガーから奪い取った。暗黒大陸から帰還したゼネバス帝国軍により共和国領森林地帯まで押されていた共和国軍は、シールドライガーとコマンドウルフの活躍によってなんとか猛攻を凌ぐ事が出来る様になったのである。
  シールドライガーは共和国高速ゾイド部隊の中核として活躍し、火力を速度を犠牲にして強化したMk-II仕様や、後継機のキングライガー、キングバロンといったゾイドが開発された。
  ZAC2056年の大異変によってこれらの後継ゾイドは失われ、そして迎えたZAC2099年、再び時代が蒼き疾風を呼んだ。第二次大陸間戦争において、再びその姿を戦場に現したシールドライガーはコマンドウルフを率いて暗黒軍を攻撃、他の共和国部隊が各地で圧倒的多数の暗黒軍の前に後退を余儀なくされるなか、唯一シールド率いる高速機動部隊は善戦している。
  中でも、『エル・ジー・ハルフォード中佐』率いる独立第二高速戦闘大隊は、オリンポス山山頂の遺跡において復活途中のデスザウラーに対し突撃を敢行し、隊員一名を除き全滅するという多大な犠牲を払ってデスザウラー復活を阻止したのである。
  そして、持ち帰った遺跡の技術を使用して開発されたもう一つのMk-IIと言うべきゾイド、「ブレードライガー」が今出撃する!


RZ−009 コマンドウルフ オオカミ型
  共和国軍高速戦闘部隊の主力である中型ゾイド。性能面ではシールドライガーより劣るが、小回りが利き扱いやすく、またコストが安く済み生産性が高い。高速機動部隊は一般的に、シールドライガーを隊長機とし他はコマンドウルフで構成されるという編成が昔からの常である。背中の二連装砲座は分離して小型ビークルとしても使用出来、コマンドウルフは戦闘だけでなく偵察任務でも活躍する。オオカミ型ゾイドの特性を活かして分析能力にも優れており、『トミー・パリス中尉』機が分析した古代遺跡のデータが、共和国側のオーガノイドシステム開発の契機となった。
  帝国側には同クラスのゾイドは存在せず、セイバータイガーと共に帝国軍高速戦闘部隊を構成する、ヘルキャットを圧倒する事が可能。
  かつて、サラマンダーとの共同作戦でデスザウラーの捕獲に成功した事もある。


ブルーコマンドウルフ オオカミ型
  訓練を終えたばかりのエースパイロット5名で編成された、共和国超高速戦闘実験部隊「セブン・トゥ・スリー」に配備されている改良型の青いコマンドウルフ。一般配備されているコマンドウルフと比べ、動力機関の出力が20%高く、特に最高速度は231km/hまで出せると言われている。
   ZAC2100年、北エウロペ大陸中央に位置する砂漠地帯レッドラストにて野営中の共和国軍「主力ゾイド部隊」が、帝国軍の夜間戦闘用ゾイド、ブラックレドラー部隊の奇襲を受けピンチに陥った時、この「セブン・トゥ・スリー」のブルーコマンドウルフが駆けつけピンチを救った。


コマンドウルフ・アーティー オオカミ型
  コマンドウルフにCP−04アタックユニットを装備した砲撃力強化型。長射程の2連ビーム砲を装備し、長距離砲撃戦にも対応。増えた重量は、脚部に装備された2機のブースターによりカバーされている。
 主に主力ゾイド部隊に配備されている。


RZ−042 コマンドウルフAC(アタックカスタム) オオカミ型
  コマンドウルフ・アーティーの、独立部隊416部隊仕様。青いカラーリングが特徴である。共和国軍には通常の部隊の他に、特殊任務を専門に扱う改造ゾイドで編成された独立部隊が存在し、この416部隊もその一つ。彼らの任務は西方大陸の帝国残存部隊を叩くこと。そしてライガーゼロのサポートだ。


 Zi−024 コマンドウルフ・アーバイン仕様 オオカミ型
  コマンドゾイドから成る共和国傭兵部隊を率いる『義賊アーバイン』の愛機。1機のみしか存在しないカスタム機である。背部に2連ビーム砲座の代わりに、本来ゴジュラス用に開発されたロングレンジライフルを装備している。その為最高速度などは通常機よりも下回るが、アーバインの卓越した技量により、実戦においては通常機を遥かに凌ぐ活躍を見せる。
  ZAC2100年7月の帝国軍の総攻撃時に傭兵部隊を率いて大活躍したが、アイアンコングPKから封印状態のゴジュラス・ジ・オーガを庇い撃破されてしまった。しかしその自己犠牲的行為が、ゴジュラス・ジ・オーガにアーバインを自らに相応しいパイロットと認めさせる事となったのである。


RZ−041 ライガーゼロ ライオン型
  ブレードライガーに続き、共和国軍が新技術を投入して開発した新たなライオン型ゾイド。人類の保護や管理を全く受けず、完全に自然のままに成長した野生ゾイドをベースとし、その野生の闘争心と生命力を最大限に生かして製作された、従来のゾイドとは製作方法が全く異なるゾイドである。未だブラックボックスの多いオーガノイドシステムは搭載していない。
  ライガーゼロはコクピットと僅かな武装のみを付けた限りなく野生の状態に近い「素体」に、装甲を含めてまるごと換装可能な装備一式を装着するという形態をしている。この装備には基本となるタイプ0からタイプ3までの計4タイプが存在し、この装備を任務に合わせて着替えのごとく換装可能なシステムを「CA(チェンジングアーマー)システム」と呼ぶ。全ての装備を外した「素体」の状態でも活動可能であり、この素体部分の回復力は非常に早い。
 生まれながらに野生の激しい闘争心を持っているが、オーガノイド搭載ゾイドよりも扱い易く、基本装備だけでもブレードライガー以上の戦闘力を発揮する。また、過去のライガーシリーズの戦闘データを搭載しており、実戦テストにおいて基本型のタイプ0装備のみで、歴代のライガーに対して圧倒的な力を見せつけた。




偵察・通信用戦闘機械獣

RZ−008 ゴルドス ステゴサウルス型
  初めは輸送を主任務としていたが、地球人の手により多数のレーダーを装備した強行偵察型ゾイドとして生まれ変わった。次いで電子戦用としても使用される様になり、共和国軍の偵察・通信網の要となった。さらにゾイド星の戦闘において通信妨害は重要な地位を占めており、ゴルドスは電波妨害・攪乱にも活躍し、また、その索敵能力を生かしたキャノン砲による長距離支援も行った。弱点は移動速度が遅く接近戦が特に不得意な事である。
  西方大陸戦争においては、最も昔よりも強化されているゾイドの一つである。最大の違いは背ビレがMAD磁気探知機から衛星を利用したGPS磁気探知機に改良された点である。これにより、索敵能力および長距離砲撃における命中率は大幅に向上することとなった。今次大戦においても共和国軍の指揮・通信・電子戦の要であり、情報戦に不可欠なゾイドである。かつて中央大陸戦争において、バレシア基地に駐屯していた共和国軍が暗黒大陸から帰ってきたゼネバス帝国の奇襲を受けた時、ゴルドスを撃破され指揮系統を寸断された共和国軍はそのまま成すすべも無く壊滅してしまった。それほど共和国軍にとって、ゴルドスは重要な機体なのである。ゴルドスが撃破される事は、その軍団自体の壊滅に繋がるのだ。また現在では、ゴジュラスMk-II量産型の武装を増設した重砲撃仕様も存在する。





ガイロス帝国軍(暗黒軍)



陸戦用大型戦闘機械

EZ−015 アイアンコング ゴリラ型
  中央大陸戦争時代に、今は無きゼネバス帝国が対ゴジュラス用の決戦兵器として開発した大型ゾイド。
  それまでの帝国最強ゾイド  レッドホーンを遥かに上回る力を持ち、アイアンコングの開発の成功により帝国軍はゴジュラスと互角に闘う戦力を手に入れる事が出来た。武装は実弾兵器のみに絞られ、対地・対空・対ゾイドなど多数のミサイルを装備しており、砲撃戦ではゴジュラスより圧倒的に優位に立っている。長距離から雨あられと降り注ぐミサイル群の前に、多数のゴジュラスが撃破されていったのだ。アイアンコングの登場により、ゾイドゴジュラス無敵時代は終わりを告げたのである。対ゾイド6連装ミサイルランチャーは遠距離戦時には肩にマウントして使用し、近距離戦時には腕に装備して使用する。その為ゴジュラスは、この遠距離戦から近距離戦へのミサイルランチャーの持ち替えの隙を突いて一気に接近し、有利な格闘戦に持ち込むという戦術を編み出した。アイアンコングはゴジュラスよりも腕のリーチが長く、格闘戦が不得意なゾイドという訳ではないのだが、ゴジュラスの様な噛み付き攻撃が出来ない分、接近格闘戦ではゴジュラスの方が有利である。ミサイルランチャーは対空装備としても強力で、サラマンダーを地上に引きずり降ろす事も可能だ。
珍しくコクピットは複座式で、操縦者とガンナーに各々役割が分かれている。また指揮・通信能力も高く、指揮官機としてもよく使用される。
  西方大陸戦争においても、アイアンコングは暗黒軍の旗機として活躍している。暗黒軍は大異変により、デッドボーダーなど主力大型ゾイドの悉くを失ったが、アイアンコングは依然として生息数が多く、これにより暗黒軍司令部はアイアンコングを旗機として軍団を編成する事を決定した。現在ではライバルであるゴジュラスが絶滅寸前になっているのに比べて、アイアンコングは生息数が多く、従って配備されている数も圧倒的に多い。この旗機の数の差が、そのまま両軍の戦力差につながっているのだ。
西方大陸戦争緒戦において、アイアンコングは共和国軍を粉砕する原動力となり、暗黒軍に勝利をもたらした。


EZ−026 ジェノザウラー ティラノサウルス型
  デスザウラー復活計画に使用された、オリンポス山山頂の古代文明の遺跡から得られた超技術、オーガノイドシステムを実験的に導入した新型ゾイド。40年ぶりに暗黒軍が開発した、新たな暗黒ゾイドである。ゾイドコアを活性化するオーガノイドシステムから得られる超パワーとスピードにより、現行のあらゆるゾイドを圧倒する。むろん共和国最強ゾイド ゴジュラスですら例外ではない。デスザウラーのデータを基に開発されたゾイドであり、デスザウラーの小型版と言うべき存在である。またこのクラスのゾイドとしては、かつての暗黒軍の主力ゾイド デッドボーダーの後継機とも言える。最大の武器である収束荷電粒子砲は、デスザウラーの荷電粒子程の威力は無いが、その反面連射が可能。それでいて現在の全ての共和国ゾイドに、一撃で致命傷を負わせるに充分な威力を保っているのである。背面のロングレンジパルスレーザーライフルは、対空、対小型ゾイドに威力を発揮する。脚部にはバーニアが装備され、短距離ながらジャンプ飛行が可能だ。パワーと火力だけでなく機動性も高く、最高速度はセイバータイガーを凌ぎ260km/hにも及ぶ。総合的に見て火力ではデスザウラーよりも劣るものの、スピードは遥かに速く、戦い方次第でデスザウラーを上回る力をも発揮すると思われる。選考コンペでは、復活ゾイドのグレートセイバー(グレートサーベルの暗黒仕様)、ダークホーンを易々と打ち破り、帝国司令部はジェノザウラーの量産化を決定した。ライバルは共和国軍の新世代ゾイド ブレードライガー。初対決となったガリル遺跡での「真オーガノイド争奪戦」では、ジェノザウラーが肉を斬らせて骨を断つ(?)戦法により、見事真オーガノイドを奪取する事に成功した。


EZ−038 エレファンダー 象型
  エレファンダーは、まだ帝国軍が西方大陸戦争を有利に進めていた時期に開発が始まった機体である。ゲリラ戦や要塞攻略戦を想定して設計されたため、敵の奇襲に耐え得る重装甲と敵陣を引き裂く超パワーが与えられた。耳部に大型のエネルギーシールドを搭載しており、その防御力はさらに巨大なゾイドに匹敵。重装甲は、シールドライガーの牙を凌ぎ切る程である。
   また、鼻や頭部の武装をスカウト(索敵)タイプ、武装強化タイプ、戦闘指揮タイプなど、任務に合わせて簡単に換装出来るという、「CAシステム」の先駆けとも言える機構を搭載している。
  エレファンダーの初陣は皮肉な事に、ニクシー基地における帝国軍の西方大陸からの脱出作戦であった。エレファンダーは、友軍を脱出させる為の盾となる為に編成された基地防衛部隊に多数配備され、圧倒的多数の共和国突撃部隊に対して大奮戦。共和国軍の大軍を5時間も食い止める事に成功した。エレファンダーにてこずった共和国軍は重砲部隊を投入し、集中砲火を浴びたエレファンダーは1機、また1機と撃破されていったが、最後のエレファンダーを撃破した時には、共和国軍は貴重な時間と400機以上のゾイドを失っていたのである。結果、エレファンダー部隊ら基地防衛部隊の犠牲により、帝国軍主力の撤退は成功したのだ。この戦いにおけるエレファンダー部隊の奮戦は、歴史に残る活躍として長く語り継がれるだろう。



陸戦用小型戦闘機械獣

EZ−017 イグアン イグアノドン型
  ゼネバス帝国がゴドスに対抗して開発したゾイド。後発である分ゴドスより性能的に一歩上回っている。背部に装備されたフレキシブルスラスターバインダーは、マグネッサーシステムにより短時間ながら機動力を倍増させ、ジャンプをも可能とするユニットである。戦史においては、中央大陸戦争後期の「国境の橋の戦い」における、奪取したプテラスの翼を利用したフロスト中佐率いるイグアン空挺部隊「赤い鳥(カージナル)」の活躍が有名。
  第二次大陸間戦争においても、ガイロス帝国陸軍の主力ゾイドとして活躍している。今のところ、ゴドスよりも配備数の面で圧倒的に上回っており、緒戦においてイグアンの大群に多くの共和国陣地が蹂躙されていったのである。


EZ−006 モルガ 昆虫型
  ゼネバス帝国が突撃戦用に開発したゾイド。イグアンと共に帝国陸軍の小型ゾイド部隊の主力を形成する。突撃戦に適した低い体高と重装甲の独特のスタイルを持つ。特に頭部は通常の二倍の装甲を有しており、これを生かした正面からの体当たりを得意としている。 主に突撃隊、特殊部隊に配備され、戦闘の先陣を勤める。小型ゾイドの中でも桁違いの生産台数を誇り、またその性能ゆえに突撃部隊のゾイドとしては生還率が驚異的に高い。
  後部のミサイルを取り外せばコンテナとして使用出来、物資や兵員を輸送する事が可能であるため、モルガはグスタフと共に輸送部隊でも活躍している。丁度地球における軍用トラック的な運用をされていると言えよう。特に西方大陸戦争中期には帝国軍は補給線が延びきり苦慮していたため、モルガをより一層の輸送力として使用した。


アサルトモルガ 昆虫型
  モルガにAZ120mmグラインドキャノンを搭載した「CP-07 キャノリーユニット」を装備し、火力を強化し長距離砲撃を可能としたバリエーション。摂政プロイツェンの親衛隊“プロイツェン・ナイツ”に先行配備された。
  西方大陸戦争中盤以降、制空権を共和国のストームソーダーに奪われた帝国軍は、地上補給部隊がプテラス爆撃隊の餌食となり補給に支障をきたした為、苦戦を強いられる様になった。これに対し暗黒軍司令部は、モルガを輸送力として使用した緊急増援部隊を編成。輸送に使用したモルガをそのまま後方支援に使用するというプランが立てられ、キャノリーユニットは正規軍にも供給される事となった。
  ZAC2100年7月の西方大陸東端における帝国軍の大攻勢で大量のPK部隊所属のアサルトモルガが投入されたが、戦いは帝国側の計画よりも長期におよび、弾薬の切れた帝国側は奮戦虚しく敗走するに至った。


EZ−027 レブラプター ヴェロキラプトル型
  ガイロス帝国がジェノザウラーと共に開発した、40年ぶりの新たな暗黒ゾイド。ジェノザウラーのサポートを目的として開発された。古代文明が遺したゾイドの能力向上と進化のためのプログラム「オーガノイドシステム」を未完成ながら搭載し、常識を超えた俊敏性と生命力を持つ。格闘戦に特化したゾイドであり、標準装備では射撃装備を持たない。主力武器は背面に装備された2つのカウンターサイズ(円月刀)だ。戦闘時には背部に装備されたイオンチャージャーを作動し、ゾイドコアをさらに活性化させる。
  このクラスの従来機を圧倒する性能を誇り、このレブラプターに格闘戦を挑む事は同クラスの小型ゾイドはもちろんの事、中型ゾイドでも大きな危険が伴う。ライバルゾイドは、同じヴェロキラプトル型であるガンスナイパー。
  通常の有人機だけでなく無人機(スリーパー)仕様も存在し、無人機仕様は南エウロペ大陸の遺跡争奪戦の緒戦において、その文字通り恐れを知らぬ接近格闘戦によりゴジュラスを集中攻撃で撃破する事に成功している。しかしながら、続くライバル機である2機のガンスナイパーとの戦いでは、数では圧倒的に勝っていたにもかかわらず翻弄され、スリーパーの限界を示す事となってしまった



陸戦用超小型戦闘機械獣

EZ−048 ディマンティス カマキリ型
アイゼン・ドラグーンに所属する局地専用ゾイド。小型ゾイドとコマンドゾイドの中間に位置するサイズの、従来に無いクラスのゾイドである。両腕に装備されたカマ(ハイパーファルクス)は小型機とは思えない破壊力を秘めた格闘兵器であり、奇襲において絶大な威力を発揮する。また、腹部のイオンブースターで長距離低空飛行が可能。さらに頭部マルチアンテナと背部ガトリング砲座で、360度死角のない戦闘範囲を実現。
  僚機であるマッカーチス同様、各部の武装の組替えが容易な構造になっており、バーサークフューラーのサポートを勤める。胴体部分は無限に連結が可能であり、数機を組み合わせる事によりムカデの様な形態をとる事も可能。



高速機動型戦闘機械獣

EZ−023ヘルキャット ヒョウ型
  マーダの開発によって高速機動型ゾイドの先鞭を付けた帝国技術陣が、次いで開発したヒョウ型のゾイドで、後の全ての高速機動型ゾイドの祖と言うべきゾイドである。当時の先端技術が詰め込まれおり、脚部には消音機能が施され、ボディ排気口はブラックホール化されて赤外線に探知されにくくなっている。この隠密性の高さから「森の忍者」「密林の暗殺者」の異名を持つこととなった。ヘルキャットはマーダよりも地形適応能力が高く汎用性に優れており、本格的に高速機動戦闘という新たな戦闘形態を産み出すきっかけとなった。ヘルキャットは奇襲・偵察に威力を発揮し、共和国軍を大いに苦しめる活躍を見せたのである。このヘルキャットのデータを基に、帝国軍はさらに革新的なゾイド、サーベルタイガーを開発に着手した。そしてサーベルタイガー登場後はヘルキャットは共に高速機動部隊を編成し、共和国軍と激闘を繰り広げたのである。
  第二次大陸間戦争においてもヘルキャットの威力は健在で、今なお第一線で活躍している。


ライガーゼロ帝国軍仕様 ライオン型
  イガーゼロは、元々帝国軍がバーサークフューラーと共に新型機として開発していたゾイドであったが、西方大陸戦争末期のニクシー基地陥落の混乱の中、2機の実験機のうち1機を共和国軍に奪われてしまった。実験機を入手した共和国軍がライガーゼロを完成させ量産配備したのに対し、帝国側ライガーゼロの開発はバーサークフューラーの実戦配備が優先された事もあり遅れに遅れていたが、共和国軍に遅れる事半年、帝国技術陣もまた辛うじて回収できたもう一機の実験機を元に遂に帝国製ライガーゼロを完成させた。素体の性能は共和国軍仕様と大差無いが、共和国が西方大陸のライオン型野生ゾイドをベースとしているのに対し、帝国側は暗黒大陸に生息するライオン型野生ゾイドを使用している。
  タイプ0アーマーは実験機が奪われる以前から開発が進められていたものであり、性能は共和国側とほぼ同じであるが、カラーリングが赤と金に塗り分けられているのが異なる。タイプ0は実質的にセイバータイガーの後継機であり、帝国高速戦闘隊の新たな主力と目される。


 EZ−063 ガンタイガー タイガー型
  中央大陸に新国家「ネオゼネバス帝国」の建国を目論む鉄竜騎兵団が開発した、対ゲリラ戦、対市街地戦用の新鋭超小型ゾイド、それがガンタイガーである。共和国側のセイバリオンとほぼ同時期に開発された、SSゾイドとしては初の高速戦闘型ゾイドであると同時に、初めて「ネオゼネバス帝国」のエンブレムのみを掲げた機体である。ガンタイガーは鉄竜騎兵団の決起後に実戦投入された為、ガイロス帝国のエンブレムを付けた機体は無く、鉄竜騎兵団のガイロス帝国からの独立を高らかに宣言しているのだ。
  ガンタイガーの射撃装備は、背部に格納されているAZ105mmスタティックマグナムのみ。この砲の配置は旧大戦でガイロス帝国が使用した高速ゾイド「ガンタイガー」に酷似しており、ガンタイガーの超小型版といった印象も受ける。
  鉄竜騎兵団幻影部隊(ステルス機と高速機で編成された奇襲部隊)に、ライガーゼロ・イクスと共に組み込まれたガンタイガーは、共和国首都攻略戦において期待以上の能力を発揮。セイバリオンを上回る火力とスピードを買われ、首都から脱出したルイーズ大統領追撃の任務についたのだった。

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