反連邦組織エゥーゴ 試作モビルスーツ
リック・ディアス改 MSA−0099−2
全高:24.05m
頭頂高:18.52m
本体重量:30.7t
全備重量:58.2t
質量比:1.53
ジェネレーター出力:1850KW
スラスター推力:19300kg×2(背面)10600kg×6(脚部)
アポジモーター数:12基
質量比:1.67
センサー有効半径:11.200m
装甲材質:ガンダリウムγ合金
武装:二連メガビームガン試作型(出力4.8MW)、ビームサーベル
アナハイム・エレクトロニクスが反連邦組織エゥーゴ用に開発したRMS−0099リック・ディアスは、歴史上から抹殺されたガンダムGPシリーズの流れを汲むMSであり、新装甲材ガンダリウムγを使用する等、当時としては画期的な機体であった。リック・ディアスの性能はティターンズ・連邦正規軍のハイザックやGMIIを圧倒し、この機体のある程度の量産に成功したエゥーゴはグリプス戦役初期において戦いを有利に進める事が出来た。またリック・ディアスはその優秀な設計により百式やΖガンダムを産み出す母体にもなり、まさにエゥーゴの傑作MSと呼ぶにふさわしい存在であると言えよう。しかし、ティターンズ側がジュピトリスの技術協力を得て次々と新型MSを繰り出してくる様になると、リック・ディアスはパワー不足に悩み、エゥーゴは苦しい戦いを強いられる事となった。急速に向上する敵MSの性能に対抗する為、アナハイム・エレクトロニクスはリック・ディアスの改良型の開発に着手した。幸いにしてリック・ディアスは頭部にコクピットを置くという構造の為、ジェネレーター系統の出力強化が図りやすく、2つの強化プランが検討された。その一方のプランがこのMSA−0099−2リック・ディアス改である。もう一方のプランであるRMS−0099B シュツルム・ディアスが主に背部のランダムバインダーをグライバインダーに換装しただけなのに対して、機体の各部を大幅に強化し外見にもかなりの違いが見られるのが特徴である。機体カラーもグレーに変更され、各部の違いと相まって印象がかなり異なるMSとなった。リック・ディアス改は連邦側の覆面開発コードを付ける必要が無くなったためMSA−0099−2のコードで開発されたが、結局試作機1機の開発にとどまったため、実戦には投入されなかった。専用火器として用意された2連装メガビームガンは、ΖΖガンダムのメガビームライフルのプロトタイプである。
反連邦組織カラバ 砲撃型モビルスーツ
ガンキャノン・ディテクター MSA−005K
全高:18.5m
本体重量:34.3t
全備重量:54.5t
質量比:1.33
ジェネレーター出力:1780KW
スラスター推力:13800kg×2 18500kg×2
アポジモーター数:10基
センサー有効半径:9200m
装甲材質:ガンダリウム合金
武装:ビームキャノン(出力4.7MW)×2 、ビームガン(出力2.3MW)×1 、30mmバルカン×2
ガンキャノン・ディテクターは、その形状から「一年戦争」の伝説的MS、RX−77ガンキャノンの発展型の様に思えるが、その開発系列は全く異なるものである。エゥーゴはその地球上での支援組織であるカラバからの要望により、地球上での活動を主任務とした局地戦用MSの開発をアナハイム・エレクトロニクスに発注していた。要求性能は、ゲリラ戦に適した砲兵的なMSで、なおかつ安定した射撃能力を持つというものであった。そこで、既にアーガマへ配属されていた攻撃型可変MS、MSA−005メタスのムーバブルフレームを転用する事が考案された。メタスに比べて各部間接の強度が高められており、当然の事ながら主武装であるビームキャノンの水平射撃も可能となっている。主武装としては肩口に137mmロケット砲を装備する案もあったが、メガ粒子砲(出力4.7MW)に改められ、右肩にはビームガン(出力2.3MW)が取り付けられることとなった。左肩にもビームガンの装着は可能だが、ジェネレーター出力の関係上通常は左右いずれかに一門とされている。また、頭部には30mmバルカン砲が2門装備されている。手持ち火器は、グレネードランチャーが装着可能なビームライフル(出力2.7MW)が製造された。このビームライフルには独自のセンサー方式によるターゲットスコープがあり、MS時の射撃性能を高度なものにしている。このMSのもっとも特筆すべき点は、メタスの可変システムを応用して、瞬時に射撃体勢がとれることである。同時にバックパックのメインアームが伸びて接地し射撃時の反動を喰い止め、射程を安定したものにするのだ。このガンキャノン・ディテクターは2機のみが完成しシャトルによって北米地区に投下されたが、1機は着地の失敗によって全壊してしまった。しかし、残る1機はほとんど損傷は無く、そのままカラバの戦力に加えられたという。MSA−005Kという型式番号から言えば、“メタス地上用キャノンタイプ”とでも称するのが一般的なのだろうが、カラバのリーダーであるハヤト・コバヤシの「一年戦争」時代の愛機にちなんで、この名称と赤い機体色が与えられたという。
デラーズ・フリート 大型重モビルスーツ
本機は0083劇中に登場した大型MS「ザメル」の初期設定バージョンです。大型砲を背負っているというシルエットは「ザメル」と同じですが、細かい部分はかなり異なっております。全体的に、この「メルザウン・カノーネ」の方がディテールが細かいですね。最大の違いはモノアイの有無、つまり顔の違いでしょう。「ザメル」の場合、通常のMSでいう所の『胸』の部分にモノアイが搭載されておりますが、本機にはそれが無く、代わりに『頭』にあたる部分に多数の小型センサー類が搭載されております。また、肩アーマーの左右側面にもスパイクが追加されており、さらには間接部分に防砂カバーが掛かっていません。ミサイルランチャーの形状も異なっています。
0083マニアの間では、「ザメル」よりもこの「メルザウン・カノーネ」に登場して欲しかったという意見も多い様ですね。
地球連邦軍 陸戦用試作格闘型モビルスーツ
全高:18.3m
頭頂高:19.2m
本体重量:39.8t
ジェネレーター出力:1400KW
スラスター総推力:70800kg
装甲材質:ルナチタニウム(推定)
武装:60mmバルカン砲、90mmサブマシンガン、ビームダガー×2(ビームダガーは2号機のみ)
ガンダム・ピクシーは、地上での格闘戦に主眼を置いて開発されたMSであり、RX−79(G)陸戦型ガンダムの流れを汲む機体である。本家たるRX−78ガンダムからコアブロックシステムや空間戦闘用の機構を排し、機体の軽量化が図られた。また、装甲は対実弾兵器用である。アポジモーターの増設により、地上での瞬発力はRX−78より優れている。武装は頭部バルカン砲に加え、近接戦闘で取り回しの良い90mmサブマシンガンを装備。さらに、2号機のみ白兵戦で威力を発揮するビームダガーを両腰にマウントしている。計3機製造され、その内の2号機がオデッサ作戦に参加するホワイトベースへの増援として配備される事が決定していた。しかし、ホワイトベースへの輸送任務を受けた特殊任務輸送中隊アルバトロスは、オデッサへ向かう途上でジオン軍特殊任務班ウルフ・ガーと交戦。ガンダム・ピクシーはアルバトロス第2小隊隊長ボルク・クライ大尉が搭乗して迎撃戦闘に出撃する事となった。結局、ガンダム・ピクシーがホワイトベース隊に届く事は無かったのである。
ジオン公国軍 陸戦用重モビルスーツ
イフリート MS−08TX
全高:18.1m
頭頂高:17.2m
本体重量:59.4t
ジェネレーター出力:1072KW
スラスター総推力:62000kg
装甲材質:チタン・セラミック複合材(推定)
武装:専用ショットガン(ダブルオーバックシェル42mm散弾)、専用ヒートサーベル
ジオン軍の地球攻撃軍が独自に開発、生産を行った陸専用MS。MS−08という形式番号から判る通り、MS−07グフとMS−09ドムの中間に当たる機体である。同じくMS−08の形式番号を持つ「高機動型試験機」の発展型、もしくは競作機であるという説が有力。主に特別部隊に配備されかなりの高性能を発揮したが、その性能効果がジオン上層部の宇宙至上主義に合わない為、わずか8機しか生産されなかった。8機のうち1機はその高性能を買われてEXAM開発チームに供与され、EXAM搭載機に改修。もう1機はアジア駐留部隊の特殊任務班ウルフ・ガー隊に供与され、隊長ヘンリー・ブーン大尉の愛機としてガンダムピクシーと交戦した。
地球連邦軍 汎用試作型モビルスーツ
MSA−0120
頭頂高:15m
本体重量:17.5t
全備重量:54.1t
ジェネレーター出力:3040KW(ノーマル)〜6800KW(メガブースト)
スラスター総推力:180000kg(ノーマル)〜230000kg
装甲材質:ガンダリウム合金セラミック複合材(推定)
武装:ハイパーメガランチャー、ハイインパクトガン(ミノフスキークラフト利用擬似重力兵器)
UC0111年に連邦政府が命じた、「性能を落とす事なく調達容易な小型MSを作成」というコンセプトの次期主力MS開発計画(ATMS)において、サナリィの「Fシリーズ」の対抗機としてアナハイムの手により競争試作されたのがMSA−0120である。本機には形式番号のみが定められており、愛称は存在しない。次期主力MS開発計画は、ΖΖガンダム、ペーネロペー等を初めとする際限無く大型化する主力MSのコスト増に耐え切れなくなった軍が、万能決戦兵器と化したMSを汎用人型兵器の原点に立ち返させるべく発動した。本機は軍の開発要求に応じた、それまでの18〜20数mクラスMSより遥かに小さい、15mしかない小型MSである。開発はRGM系を初め主力MSの殆どを手掛けた、グラナダのアナハイムZIONIC事業部が担当したが、ZIONIC社の血を引く部門である為か一般的な連邦系MSのデザインラインとは異なる、ジオン系、ジュピトリス系的な外観を持つ機体となった。当時最新の技術が投入され、特徴としては対ビーム兵器用に従来以上の機動性(メガブースト:エネルギーCAP利用の新技術、瞬間的に出力を倍加する)+耐弾性(蒸発式アップリケアーマー)の2点が挙げられる。
予備審査を通過したMSA−0120は、同じく予備審査を通過したサナリィのF90とコンペを行い、勝者が採用される事となった。1次審査は設計データを元にしたコンピューターシミュレーションで行われ、MSA−0120モデルは最大出力と耐弾性で優っていたが、F90モデルが運用コストや機動戦力比較に優れ総合評価で高ポイントを得た。さらに2次審査のテストヘッド同士による模擬戦ではF90が完勝し、結果MSA−0120は廃案となってしまった。
MSA−0120の敗因は、アナハイム社内の各事業部ごとの風通しの悪さや、従来通りのMSの大型化は社の利益に繋がるのでむしろ望ましいというアナハイムの体質が影響し、高性能だが高価な機体にしてしまい、軍にとって中途半端な軽MSになってしまった事である。 しかし、MSA−0120を高コストにした瞬発力と耐弾性は軍サイドにとって極めて魅力的なものであり、サナリィに何らかの形で取り入れるよう命令が出される事となった。この命令を受けてサナリィが開発したのが、コスモバビロニア建国戦争および木星帝国動乱で活躍したF91である。
次回予定「フルアーマー百式改」