マンマシーン

  マンマシーン。それは従来のモビルスーツに代わる、新たな人型機動兵器の総称である。

  マンマシーン(MM)はモビルスーツ(MS)の発展型の兵器であり、基本的システムは大差は無い。しかし、従来のMSでは一部の高級機しか搭載出来なかった、ミノフスキークラフトとIフィールドバリアを一般量産型機でさえも標準搭載しているのが大きな違いである。

  ミノフスキークラフトとは、ミノフスキー理論を応用した大気圏内飛行システムの事である。「ミノフスキー粒子のプラズマに対する反作用」を利用して物体を浮かべるというか、下降する速度を大幅に軽減するシステムであり、それまでのジェットエンジン等では飛行させるのが困難な形状の物体でも、長時間飛行させる事が出来た。この為、この技術は一年戦争時から一部の宇宙戦艦やモビルアーマーなどに使用される事となった。地球連邦軍はこのミノフスキークラフトを当時の新鋭強襲揚陸艦ペガサス級に装備し、同級の2番艦ホワイトベースは獅子奮迅の活躍を見せたのである。しかし、このシステムは大規模な電力が必要という欠点があり、従って搭載される兵器も大型のものに限られていた。その為、モビルスーツは母艦や大型モビルアーマーが悠々と飛行しているのを横目に、ドダイなどの飛行用サポートオプションを使用するか、自身が飛行形態に変形する事を余儀なくされていたのである。ミノフスキークラフトはようやく宇宙世紀105年頃にMSに搭載可能なサイズのものが開発されたが、何しろ非常に高価であり、少数の試作MSに搭載されたに留まった。その後MS自体の小型低コスト化が進行し、ミノフスキークラフト搭載の高級MSの登場の見込みはなくなってしまう。さらに、UC.0153年のザンスカール戦争においてザンスカール帝国軍がビームシールドの応用であるビームローターという、ミノフスキークラフトよりも遥かに小規模で済む飛行システムを投入すると、ミノフスキークラフトのMS搭載案は完全に忘れ去られてしまったかに見えた。しかし当時、ザンスカール、リガ・ミリティア両軍とも、ミノフスキークラフトの簡易版とも言うべきミノフスキーフライトシステムの実戦投入を同時に行っていたのである。さらに、リガ・ミリティアは宇宙海賊クロスボーン・バンガードから技術供与を受けたミノフスキードライブを新鋭MS V2ガンダムに搭載した。驚く事に、このMSは人型形態でも飛行可能だったのである。これにより、ミノフスキークラフトのMSへの搭載にもう一度光が当てられてきたのだ。

  ミノフスキーフライト、ミノフスキードライブの技術を踏まえ、ミノフスキークラフトは低コスト化を遂に実現。宿願であった量産MSへ搭載がやっと可能になった。もう一つの技術、Iフィールドバリアーも低コスト化に成功し、量産MSへ搭載が可能となる。これにより、両者を搭載した新型MSは、マンマシーンという新たな名称で呼ばれる事となったのである。

  宇宙世紀203年のMMは、悉く人型形態での大気圏内単独飛行が可能である。これによりMMはMSよりも遥かに多岐に渡る戦術運用が可能でなった。例えば、従来のMSと母艦の距離よりも、遥かに離れた距離で運用可能であり、単独での航続距離も飛躍的に増大したのである。また、地球上でのマンマシーン戦は地上戦だけでなく空中戦も頻繁に行われており、パイロットもより3次元的な技量を要求される様になった。

  ビームシールドは、Iフィールドバリアの標準搭載により2次的な代物に転落した。この時代においては、機体本体以上の強力なIフィールドバリアーを展開可能な機能を備えた実体シールドが主流となっている。しかしながら、ガイア・ギアなどにはウェポンシステムの兼ね合いから、ビームシールドが装備されている模様。

  この時代の戦闘では、マンマシーンどころか戦艦もバリアーを搭載している為、お互いに相手ののバリアーを貫く程のビームを放つか、もしくは接近戦でビームサーベルを使わなければダメージを与えられない。しかし、ビームライフルの威力も劇的にアップしているため、普通のビームライフルでも敵マンマシーンのバリアーを貫く威力を持っている。要するにバリアーが標準装備されたとは言え、ビームライフルの威力がそれ以上に増強されており、結局のところはMS時代と構図は大して変わってはいないのである。F91時のヴェスバーやV2アサルトガンダムのメガビームライフル以上の大火力を誇るハイパービームライフルを、更に凌ぐ威力を誇るのがニュータイプ専用兵器ファンネルである。一時期あまり見かけない時期があったが、現在の技術により大幅に火力が強化され、集中すれば大戦艦を簡単に撃破出来る程の威力を持つ。マンマシーンにとっても、バリアーの内側にまで接近しての攻撃が可能なファンネルはもっとも脅威である。とは言え、ファンネルを使用する為のサイコミュを操れるニュータイプパイロットは、昔と変わらず殆ど居ないのが現状である。



メタトロン側マンマシーン

  メタトロン側のマンマシーンのデザインは、地球連邦軍のMSの影響を多分に受けたものであり、機能的にもそれらを受け継いでいる。
これらはメタトロンが反連邦組織と言えど、元は連邦軍に居たスタッフが多い為である。
かつてのエゥーゴも、反連邦組織と言いつつ、そのMSのデザインは殆どが連邦軍のデザインラインを踏襲していた。それと同じ事である。

  メタトロンは極秘裏に「ガイア・ギア・シリーズ」と呼ばれる強力なマンマシーンを開発しており、総帥アフランシ・シャアの専用機「ガイア・ギアα」はその一番機、「ガイヤス」はそれを元にした量産型である。

  宇宙でのMM工廠の他に、地球上にもMM工廠を保有している。

  総帥専用機「ギイア・ギアα」他、旧式ながらも改修を繰り返し指揮官等に使用される高級機「ゾーリン・ソール」。
一般兵士が使用し、偵察仕様などバリエーションも豊富な汎用量産機「ドハディ」。ユーロ・メタトロンの工廠で生産され、地上部隊に配備されているガイア・ギアの量産型「ガイヤス」をメタトロンは保有している。
このまま開発が進めば「ガイア・ギアβ」と呼ばれるであろう、さらなる強力なMMが開発されると思われる。


ガイア・ギアα  GAIA GEARα
全高22.7m
本体重量31.8t
全備重量50.2t
総出力14,460kw

  ガイア・ギアα(アルパ)はメタトロンによって開発された、ガイア・ギアシリーズの1番目の機体である。その名前には地球という大地(=ガイア)と宇宙あるいは地球の生命をつなぐもの(=ギア)という命名者の理想が込められている。メタトロンの総帥である、アフランシ・シャアの専用機である。アルパの機体は各部が可動フレームで接続されたユニット構造となっており、人型機動兵器=マンマシーン形態から飛行形態へと移行し、大気圏突入が可能な他、飛行能力を高める事に成功している。アルパのような可変マンマシーンは、えてしてその複雑な機体構造から整備性が悪く、機体の稼働率は低下しがちであるが、機体各部のユニット化は点検や部品交換を容易にするメリットがある。これにより、アルパの整備性は意外な程高い。頭部デザインは連邦の伝説的MSガンダムの影響が顕著である。
  アルパの火器管制システムはほぼ無限ともいえる拡張性をもっており、ハイパービームライフルやグレネードランチャー、ミサイル等その兵装バリエーションの豊富さも他に類をみない。これは逆に言えば、ひとつの機体にあれもこれもと欲張りな要求をした結果ともいえるが、このような充実した装備類によって、アルパは多様な局面に柔軟に対応する機体となった。さらにニュータイプであるアフランシ専用機の為、パイロットの脳波を直接制御信号に変換する「サイコミュ・システム」をコクピットフレーム内に搭載する事により、機体コントロールのレスポンスを格段に向上させるとともに、MM用装備としては最高の威力を誇る、脳波誘導兵器「ファンネル」の使用も可能となっている。主力火器であるハイパービームライフルは、フルパワーで発射すればマハの旗艦マハ・ゲイジスを半壊させる程の威力を持つ。
  パイロットはアフランシ・シャア。
  アフランシの良き相棒として、幾度もの戦闘を最後まで戦い抜いた。一度サイコミュを稼動させファンネルを使用したウルのブロンテクスターに苦杯を舐めたが、直後にガイア・ギアもファンネル・ポッドを装備。ウルのブロンテクスターに借りを返し、この後はホンコン・マハの新型MMギッズ・ギースすらも圧倒するに至った。末路は不明である。アフランシと共に脱出したのか、それとも……。


ゾーリン・ソール  ZORIN SOUL
全高19.2m
本体重量26.8t
全備重量60.2t
総出力5,200kw

  マンマシーンとしては既に旧式の部類に入る機体だが、その堅実な基本設計を活かし、幾度もの機体アビオニクスの改修を受けており、現在でも新型機種に比べて遜色のない性能を持つ優秀なマンマシーンである。装甲デザインは、連邦軍の伝説的MSガンダムシリーズの影響が非常に強く、U.C.0203におけるガンダムと言っても良いほど。ミノフスキークラフトによる飛行が可能なうえ、パイロットの脳波を直接関知する「サイコミュ・システム」を搭載し脳波誘導兵器「ファンネル」の運用も可能な高級機である。しかし、メタトロンには「サイコミュ」を扱えるニュータイプ・パイロットはアフランシ・シャア以外には存在しない為、通常の機体では「サイコミュ」は切られており「ファンネル」は搭載されていない。武装にはビームライフルと、Iフィールドバリアーを展開できるシールドを装備している。
  パイロットはケラン・ミード他。


ガイヤス
詳細は不明

  「ガイア・ギアα」の量産型。変形機構は削除され、コストは削減されているのの、その戦闘力はゾーリン・ソールを上回ると推測される。メタトロンの地上の工廠で生産され、ユーロ・メタトロン(ヨーロッパ地区のメタトロン組織)が使用し、メタトロン地上部隊としてアフランシらメタトロン地球降下部隊に合流した。


ドハディ  DOCHADI
全高20m
本体重量21t
全備重量58t
総出力5,200kw

  戦力の少ないメタトロンが必要としたのは、あらゆる条件下において使用可能で、かつ生産コストの低いマンマシーンであった。その結果開発されたドハディ・シリーズはシンプルで堅牢な機体構造にメンテナンス性の高さ、そしてなにより汎用性の高さが特徴的である。ドハディには充実したオプション装備が用意されており、各種探知装備を強化した偵察型など、様々な用途に低コストで対応する事ができる。このコンセプトは80年前のガンダムF90やFシリーズのMSと共通している。80年経って、ようやく本格的に量産機に適用されてきた形だ。
  パイロットは、ジョー・スレン、メッサー・メット、レエ・セイアス他。マハ側の量産MMガウッサ相手ならば、互角かそれ以上に戦える様だ。



マハ側 マンマシーン

  マハ側のマンマシーンは、連邦系組織であるにも拘わらず、過去連邦軍の主力MSであったジム系、ガンダム系といったものとは姿は全く異なっている。

  連邦正規軍においても使用されている、一般兵用の汎用量産機が「ガウッサ」である。このMMからして、かつてのジャベリンやガンブラスターの後継であるにも拘わらず、それらのMSとは全く異なる外観を持っている。

  マハは連邦正規軍とは別に、独自のMM開発に着手しており、それによりスペース・マハが開発した新型MMが「ブロンテクスター」である。この機体は主にエースパイロットに配備された。さらに、建前上は存在しないはずの地上工廠において、最新技術を用いてホンコン・マハが開発したのが重MM「ギッズ・ギース」である。いずれも、従来の連邦MSとは異なったデザインラインを持つ。

  マハのMM開発の技術進化は目覚しく、このまま進めば更なる新鋭機が実戦投入される事は間違い無い。


ブロン・テクスター BROMB TEXTER
全高24m
本体重量32t
全備重量56t
総出力12,600kw

  スペース・マハの開発した新型のマンマシーン。両肩の円形シールドが特徴的。ミノフスキー・ドライブによる飛行能力を有し、単独での大気圏突入を可能とするウェーブライダー形態への変形機構を有する。コストの掛かる変形機構ではあるが、それによって得られる機動性はそのデメリットを補って余りある。人間の脳波に感応するサイコミュ・システムも搭載し、これを使用すれば操縦性が飛躍的に向上すると同時に脳波誘導兵器ファンネルも使用可能となる。しかし、マハにおいてもサイコミュを使いこなす事の出来るニュータイプ・パイロットは殆どいない。
  主に指揮官・エースパイロットに配備され、青いカラーリングの機体がウル・ウリアン少尉機、赤い機体がレイラ・セイバー少尉機である。


ガウッサ GUSSA
全高19.8m
本体重量24.8t
全備重量40.1t
総出力4,120kw

  ガウッサは連邦軍の主力マンマシーンであり、マハにおいても同様に運用されている。ガウッサの開発に際し、連邦軍の示した提案要求は全領域型の安価な汎用マンマシーンという困難なものであった。これに対する開発スタッフの回答は機体自体はシンプルで拡張性の高いものとし、用途に応じて必要な装備に換装するというものだった。その結果ガウッサには、超長距離飛行を可能とするロングドライブ・ユニットなど当初より多数のオプションが用意され、まさに全領域型汎用兵器システムと呼べるものとなっている。
武装は右前腕に装備したビームライフルと、鋭い刃が付いているシールド、サンドバレルなどである。
かつての連邦の量産型MSジャベリンなどGM系MSの後継に相当する機体であるが、そのデザインラインは全く異なったものである。
武装の換装システムは、かつてのF91やVガンダムの延長線上にある技術である。これにより、ガウッサはオプションの追加により更なる性能向上が望めるMMとなっている。
  劇中初期に登場するマハ側のMMは、全てこのガウッサである。


ギッズ・ギース GIDS GEESE
全高24.6m
本体重量37t
全備重量60.7t
総出力10,800kw

  ホンコン・マハの誇る新型マンマシーン。新型のψ(プシー)サイクル核融合エンジンを搭載している。実戦的な設計思想に基づいた強固な装甲による重厚な外見に反して、非常に高い機動性能を持つ。高性能のミノフスキーフライト・デバイスを装備し、非変形ではあるが空戦能力にも優れている。ギッズ・ギースはホンコン・マハが独自に開発した機体であり、このことからも環境保全のために存在しない事が建前になっているはずの地球の工業生産力が、以外な程高い水準にあることがうかがえる。
  ジャン・ウェン・フー少佐率いるホンコン・マハのMM部隊に配備され、地球に降下したダーゴル大佐率いるマハ艦隊に合流した。
  パイロットはジャン・ウェン・フー少佐以下、ロウ中尉、リィ中尉などのホンコン・マハのパイロット。




艦艇

  MSが登場する以前の宇宙世紀初頭、宇宙戦の花形は宇宙戦艦であった。旗艦である宇宙戦艦と配下の巡洋艦からなる艦隊がレーダーを使い、長距離から主砲とミサイルを撃ち合うという戦術が、長らく主流だったのである。しかし、その戦術常識を打ち破る、革新的な兵器が登場した。それこそが人型機動モビルスーツであった。実戦にミノフスキー粒子が使用され、モビルスーツが初登場したUC.0079年の一年戦争において、宇宙戦艦はMSの前に完全敗北を喫してしまう。ミノフスキー粒子によりレーダーを潰された宇宙戦艦は、ミノフスキー粒子下での有視界戦闘用に開発されたMSに太刀打ち出来なかったのである。これによりそれまでの戦術は崩れ去り、以後MSが主で戦艦など艦船が従という様に用兵スタイルは変化した。宇宙戦艦は主役の座をMSに奪われてしまったのである。
しかし、MSの登場により宇宙戦艦やその他の艦船の出番が無くなった訳では無かった。MSには航続距離の限界があり、実戦運用には修理・補給機能を持つ母艦の存在が欠かせなかったのだ。また、宇宙戦艦や巡洋艦の火力はMSの火力を圧倒的に上回っており、その堅牢さもMSに無いものであった。
  MSを開発したジオン公国軍は、MS開発段階からこの特性を鑑み、宇宙戦艦および巡洋艦にMS搭載能力を付与するプランを考案。かつて第2次世界大戦において実際に存在した航空戦艦的なこの発想に則り、グワジン級戦艦、ムサイ級巡洋艦を開発。同時に新たにMSと連携した新戦術を立案した。
  新たに立案された戦術とは、搭載したMSを発進させた後、後方から主砲やミサイルでMSを援護するというものであった。戦艦・巡洋艦の主砲は通常のMSのビームライフルよりも遥かに強力である為、火力に関しては戦艦・巡洋艦の存在意義は大きく、後方支援において正に適役だったのである。さらに戦艦は堅牢である為、MSの母艦としても補給艦や巡洋艦を使用したものより安全性が高く、MS母艦としても、優秀であった。また、戦艦は指揮能力が高い為、従来から艦隊旗艦として使用されていたが、流石にこれについてはMSによる影響も少なく、旗艦の地位は安泰であった。
  グワジン級戦艦、ムサイ級巡洋艦は、MSの後方支援を効果的に行えるような武装配置に設計されており、MSと共に戦線に投入され大戦果を挙げた。地球連邦軍もこれに対し主力戦艦であるマゼラン級、巡洋艦サラミス級を、MS搭載可能な様に改造し、同様の戦術を採用した。こうしてこの戦術は以後宇宙世紀の主流となり、宇宙戦艦はMSの母艦として生き残る事となったのである。一年戦争中には早くもミノフスキークラフトにより大気圏突入が可能な戦艦・巡洋艦も開発され、安全性の高い輸送手段と重宝された。
そして以後、宇宙戦艦・巡洋艦は母艦能力を有し、MS空母的な側面を保ちつつ発展していったのである。


  ガイア・ギアの時代(UC.0203年)の艦船の運用は、Vガンダムの時代(UC.0153年)と大差ない。
  MSからMMになっても、相変わらず艦船は母艦として必要であり、宇宙戦艦は艦隊旗艦として君臨、その火力はMMを遥かに凌いでいる。またMMはMS同様、大気圏突入形態に変形可能な機体以外は、オプションを使うか艦船に搭載しなければ、基本的に大気圏突入は出来ない。
  艦船にもIフィールドバリアが標準的に搭載される様になり、堅牢性が向上しているのが最も異なる点であるが、戦術的な部分は変わっていない。

  地上においては、MMは全機ミノフスキークラフトで飛行可能であり、MSよりも飛躍的に航続距離が長い為、飛行可能な母艦を用いずとも、陸上母艦だけでかなりの戦力の展開が可能となっているのがVガンダム時と大幅に異なる点である。



メタトロン側艦艇

  メタトロンは独自に戦艦を建造する能力を持っており、全貌は不明ながら宇宙艦隊を保有している。
  宇宙艦隊は新造戦艦マザーメタトロンを旗艦としているが、他の艦艇は通常はそれぞれの担当宙域に散っている様で、劇中には登場しなかった。おそらく、レジスタンスという側面から、ラー・カイラム級など旧式艦も使用しているのではないかと思われる。
また、通常の民間船も、メタトロンの活動には重要な戦力となる。

  メタトロン宇宙艦隊旗艦であるマザーメタトロンには、メタトロンの現在の実質的指導者であるアザリア・パリッシュ提督が乗艦しており、メタトロンの総司令本部が存在する。ここから宇宙、地上の全メタトロンに司令が発せられるのだ。

  大気圏突入可能な航空空母としては、エアフォースを所有している。


マザー・メタトロン MOTHER METATRON

 長楕円型の後部船体と流線型の前部船体を組み合わせた優美な船殻構造を持つ、巡洋型宇宙戦闘艦。艦というより基地である。メタトロン機関が独自に開発した新造艦であり、その存在は長らく秘匿されていた。メタトロン宇宙艦隊の旗艦として、その開発には数々の新機軸の設計思想を導入しており、バランスのとれた火器と高度な作戦能力を持つ。艦の規模から搭載機数は30機程度と少ないながらも、マンマシーンの運用母艦としての能力を有し、高速空母としての作戦も可能な多用途艦である。主砲はハイパーメガ粒子砲4基。Iフィールドバリアを展開する事も可能である。航空空母エアフォースも3機以上搭載している。
  メタトロンの実質的指導者であるアザリア・パリッシュ提督の乗艦である。艦長はグレン・コールディル。


エアフォース AIR FORCE

  大型のスペースシャトルと言った外見を持つ、メタトロンの航空空母。スペースシャトルではカーゴブロックの部分に、マンマシーンの格納庫を持つ。
宇宙世紀に入ってからも、宇宙と地球大気圏の往復は依然として大きな問題であった。マンマシーンの中でもガイア・ギアαの様に単独での大気圏突入能力を持つ機体もあるものの、ローコストな量産型の機体においては一般的な機能とはなっていない。その為、エアフォースのようなマンマシーンの支援艦機能を持った宇宙往還機の必要が生じてくる。エアフォースは大気圏飛行能力も有し、地球上では航空空母として運用される。マンマシーン自体が飛行能力を有し、飛躍的に行動範囲を拡大した現在でも、補給、修理などの点から母艦の存在は不可欠である。
  マンマシーン支援母機として開発されたエアフォースには、フレシキビリティの高い収容アームが装備され、自在にマンマシーンを収容する事が出来る。だが戦闘中のマンマシーン空中収容といった過酷な事態は当初想定されていたわけではなく、強度的余裕をもって設計されたアームも実際には性能的限界点で使われているのが現状である。
  マハ艦隊追撃にはエアフォース1(ファースト)、エアフォース2(セカンド)、エアフォース3(サード)の三機が使用された。
  エアフォース1の船長はマドラス・カリア。エアフォース1はガイア・ギアの母艦として使用され、最後まで生き残った。最後はアフランシの導きにより、ミサイルの雨が降るバイエルンより脱出している。



マハ側艦艇

  総帥ビジャン・ダーゴル大佐が座乗する戦艦マハ・ゲイジスを総旗艦とし、クエゼリン級巡洋艦、宇宙空母などで宇宙艦隊を構成している。
  地球連邦正規軍の宇宙艦隊とは独立した存在であり、その戦力は正規軍のあらやる艦隊を上回ると思われる。

  地上用戦力として、MM支援用の陸戦艇ビューシング・ナッグを保有している。


マハ・ゲイジス MAHA GAYJISU

  マハ宇宙艦隊の旗艦。大気圏突入能力を有し、ミノフスキー・ドライブによる擬似反重力効果によって地球上でも行動可能な多機能艦であり、新式のミノフスキーフィールド・バリアを装備する。これは励起したミノフスキー粒子を艦体周辺の空間に特殊なフィールドで保持し、必要に応じて任意の座標で縮退させることで発生するエネルギーによって攻撃を減衰させるもので、ビーム兵器、実体弾両方に有効な防御兵器である。
  マハの総帥であるビジャン・ダーゴル大佐の乗艦である。艦長はハリー・スェームズ


ビューシング・ナッグ BUSHING NUGG

  かつてジオン公国軍が実戦闘投入した「ギャロップ」の系譜に連なる小型の陸上母艦。一見すると、後部にカーゴブロックを備えた大型戦車という外見である。
  マンマシーンのような複雑な兵器を実戦で運用するためには、移動および、補給、整備保守のためのベースが必要不可欠となる。そのための艦艇、車両といった支援機の類は古くから様々なタイプが存在するが、ビューシング・ナッグは小型ながらも十分にその機能を果たす機体となっている。移動は基本的に無限軌道によるが、ホバークラフトとしての能力を併用することで踏破性を飛躍的に向上させ、機動力を高める事に成功している。
  この類の小型陸上母艦のの利点としては、通常の宇宙戦艦や飛行空母よりもコストが安く、生産性が高い事が挙げられよう。
ビューシング・ナッグの1機は、ヨーロッパでの戦闘においてウル・ウリアン少尉の部隊が母艦として使用していた。


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