ファイナルファンタジーVII

RPG   スクウェア

★★★★


  ファイナルファンタージー・シリーズの7作目。初めて任天堂以外のハードで発売されたFFで、プレステがサターンに勝利する決定打となったソフトです。本作がプレステで発売される旨のCMが流れた時は、そりゃあ驚きました。初めはドラクエの二番煎じとしてスタートしたFFですが、3作目からドラクエと肩を並べる様になり、4作目以降はドラクエから日本一のRPGの座をもぎ取ってしまった感があります。ドラクエともどもスーファミの天下の強力な立役者となっていた訳ですが、当初はその流れから続編は任天堂の新ハード(後の任天堂64)で発売されるものと予想されており、それがまさかプレステで出る事になろうとは……。私がそのCMを観たのは、月曜日の名探偵コナンの放送でした。「いよいよFF7が出るのかぁ。ってプレイステーションだとぉぉぉ!?」今まで観たCMの中で、トランスフォーマーの「コンボイが死んだ」のCM並に衝撃を受けましたね(^_^;。 その瞬間、ゲーム業界の勢力地図が書き変わった事を実感しましたよ。「時代が変わるのか……」というのが正直な感想でした。 それ以前はサターンもプレステも任天堂の新ハードの噛ませ犬となるとの見方もあっただけに、FFのプレステへの移籍はゲーム業界にとって衝撃でしたね。この時、先にプレステを購入していた人は自らの先見の明を誇った事でしょう。私もプレステの勝利を確信し、プレステの購入を決定したのでした。(^^)

  本作からグラフィックが3Dに移行し、それまでに無かった演出が見られるようになりました(もっとも、前作VIも2Dとしてはクオリティが高く、とてもスーファミとは思えない映像でしたが)。3Dになったからといって、別段操作性が頻雑になったりしなかったのは良かったです。メディアもそれまでのROMカセットからCD-ROMになり、一気容量が跳ね上がった訳ですが、製作者側のイマジネーションも跳ね上がった為か、結局CD-ROM3枚組となったのにはスゲェなと思いました。当時は必ずしも、CD-ROMの容量を限界まで使っているゲームばかりという訳ではなかったですからね。世間では以前のFFに比べて駄作であるとする評価もある様ですが、私は面白かったし気に入っています。当時最高の画像のクオリティにはひたすら驚かされました。また、戦闘時のロード時間の短さが驚異的で、細かいプログラム関係でも頑張っているなと感じましたね。街に入る時でも、街に近づいただけで読み込みを開始しているんですから、もうここら辺はプログラムの職人芸でありますな。価格はプレステのソフトとしてはちょっと高かったけど、納得してます。

  ストーリーは当時話題になっていた「新世紀エヴァンゲリオン」的な、内政的な傾向が強く感じられる物でちょっとアレな感じですが、そう悪い物では無かったと思います。話が二転三転してなかなかワクワクする展開でしたし、色々散りばめられたユーモアも雰囲気が出ていて良かったなぁ。最後の戦いの直前に、他の仲間達が主人公達を先に行かせるシーンはベタですが燃えました。

  登場するキャラは、なかなか面白い奴等が多いですね。キャラクターそれぞれが、武器が異なるなど色々と個性付けがなされ、描き分けられていたのが良かったです。主人公側キャラクターの中では、ケット・シーが一番好きですね。悪徳企業の中で孤軍奮闘する良心的社員というのに燃えるものがあります。とかくFFVIIは、続編のVIIIよりもはるかにキャラクターが掘り下げられていて魅力的でした。ただ、ちょっと主人公が訳判らん奴でしたけど(^^; 。 暗くてエヴァっぽいのがなんとも。選択により仲間にならないキャラクターがいるのは面白かったですが、しかし、その為にエンディングムービーに登場しないキャラがいるのがいささか残念なところです。神羅社長は親子揃って哀れでしたねぇ。ま、息子の方の死に様は嫌いではないですけど。

  物語の合間に登場するミニゲームもなかなか面白かったです。どれもファミコン黎明期だったら単体で販売されてそうな気が。一番気に入ったのは潜水艦のゲームです。

  本作のマテリアシステムは、育成の幅が広いなかなか面白いシステムだったので、新作での再登場を期待したいです。ただ、幻獣の役割が低い感があるので、そこら辺は改良して欲しいところですね。幻獣というと、前作VIの人気キャラであったテュポーン先生が幻獣として登場しているは嬉しかった!  ただ、相方であったオルトロスが出てこなかったは誠に残念です。どうせならオルトロスも再登場させてくれれば良かったのに〜。

  ビッグスとウェッジというスター・ウォーズのキャラからの引用がある事で有名なFFですが、VIIではサンライズのアニメからの引用もちらほら。チョコボレースの最強チョコボ「トウホウフハイ」の元ネタは、Gガンダムの東方不敗でしょうし、バレット用の武器のパイルバンカーも、恐らくボトムズ外伝青の騎士ベルゼルガ物語あたりが元ネタなんじゃないかと。

  全体的に割と簡単なゲームバランスで、万人向けのRPGだったと思います。ラスボスもそんなに強くないですし〜。そこがゲーマーにとっては食い足りなかったのかもしれませんね。ただ、ちょっとアクションゲーム的な要素が幾つかあったのは辛いかな。岩がコロがってくる所とか。あと、大氷原がやたら難しかったですわ。本作からFFは3Dポリゴンを使う様になった訳ですけど、グラフィックが綺麗になった代わりに、通常フィールド上でキャラが見難い場面があるのにはちょっと参りました(これは一応対策されてますけど)。私としては主人公が定まっていない前作VIの方が好きなのですが、まぁこれは好みの問題でしょう(私はトランスフォーマーが原点なんで、基本的に群像劇を好むんで)。VIIもなんだかんだ言ってRPGとして完成度が高く、多くの人が楽しめる優れたゲームだと思います。欠点はあれどそれを上回る圧倒的な魅力があり、ぶっちゃけて言ってRPGとして最高レベルの一本である事は間違い無いでしょう(だから5点満点を付けました)。さぁそろそろ再プレイしてみようかなぁ。(^_^)

  それにしても、本作一本であそこまでゲーム業界の勢力図が書き換わるとはねぇ。ニンテンドー64で発売されなかったのは、任天堂がCD-ROMではなく時代錯誤なカセット方式を採用した事が主因のようですが、その為結局ニンテンドー64は小学生以下に受けただけで終わってしまいましたし。まぁ今となってはFFも、FFVIIIが駄作だった為に一気に神通力を消失し、この当時程の勢いは無い訳ですが(苦笑)。

  色々と言われていますが、エアリスが助かる選択肢もあって良かったように思います。確かにこれはこれで良いとは思いますが、こういうのは出来ればこれっきりにして欲しいものですね。エンディングはあれはあれで良いと思っております。街が未来でもあれだけ原型を止めている訳ですから、私としてはハッピーエンドで終わったと解釈しております。きっと皆無事ですよ。(^_^)/


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