遠視


 

 遠視は、一般によくみえる目と思われていますが、実際は物にピントを合わせる力が働かなければ、遠くも近くもよく見えない目です。特に、子どもは調節力が大きいので、かなりの遠視でも眼鏡をかけないでよく見えます。
 しかし、見えるからといって、治療しないでおくと次のような異常が生じます。
 1. 弱い度の遠視は、物を見ようとするとき常に調節するため、まばたきがふえたり、目の疲れ、充血、頭痛(眼精疲労)などを起こすことが多いのです。
 2. 中等度の遠視は、ピントを合わせようとして目に力が入るため、片目が内側に寄ってしまうことがあります。(調節性内斜視)このため片目だけを使うようになり、両眼で見る力がなくなることがあります。
 3. 強い度の遠視は、調節の範囲を越えてしまうので、ピントのあわない状態が続き、眼鏡をかけても視力の出ない目(弱視)になります。
 そこで、この様な異常を生じさせないために、遠視の人はピントを合わせるような目薬を使って検査し、正しい度数の眼鏡を早く掛ける必要があります。この眼鏡は、治療のための眼鏡ですのでお風呂にはいるときと寝るとき以外は絶対にはずさないようにしてください。最初は眼鏡に慣れないためかけづらいですが、使用しているうちに慣れてきますので、眼鏡の常用は厳守してください。
 子どもは、見かけが気になったり眼鏡をかけなくてもよく見えることから、眼鏡を嫌がってはずそうとするかもしれませんが、家族の方が上記のようなことを理解し、医師の指示に従って、眼鏡を正しくかけさせるように努力してください。