5日目
カシュガル⇒カラクリ湖⇒カシュガル⇒ウルムチ




5日目のメインイベントは、カシュガルから200キロのカラクリ湖。北京時間は午前8時ですが、現地換算では午前5時ごろの出発です。なので真っ暗。さすがに私のデジカメでは撮れませんでしたが、空にはオリオン座が輝いていました。心なしか星座もはっきり見えるような気が。きっと日本とは比べ物にならないくらい空気が澄んで、夜空も暗いんでしょう。

この5日目で気がかりだったのは、カラクリ湖に辿り着けるかどうか。前々夜にこの土地では珍しく3時間も雨が降ったそうです。そのせいで崖崩れがあったり道が決壊していたりすると、引き返すことになります。前日の夕食時に、市内観光のみにするか、市内観光できなくなるかもしれないし引き返すかもしれないけどカラクリ湖に行くか、選ばなければなりませんでした。おそらく他のツアーメンバーの方もそうだったのだと思いますが、私はカラクリ湖を選択。カシュガルに来てカラクリ湖に行かないツアーはありますから、市内観光は次回でも行けますので。



カシュガルを出発、中国パキスタン道路をひた走ります。
8時50分ごろに夜明け。真っ直ぐな道の向こうから朝日が昇ります。と言っても、前方ではなく後方。西に向かっているので。


ちょうど何も障害物のない平原だったので、崑崙山脈に朝日が当たり始めて山頂から順に次第に輝き始める、とても綺麗な風景を見ることが出来ました。最初の予定より出発が遅れての8時発だったんですけど、怪我の功名というかなんというか、ラッキーでした。
トイレ休憩を兼ねての撮影会となりました。パノラマ合成(35K)も作ってみました(ここをクリック)


カラクリ湖は標高3600m。当然空気は薄いわけで、息が上がってしまう人もいます。そのためにカシュガルでは空気枕なるものを買うことができます。話の種に1個頼んでみました。150元です。
左はバスの後部座席に積まれた空気枕たち。出発時は暗くて撮れなかったんですが、明るくなってきたのでとりあえず一枚。ゴム製の枕みたいな空気袋という感じでしょうか、吸引用のゴム管がついています。使い方は後ほど。



9時ごろ、ウイグル族では最後のオアシス(この先はキルギス族が多い)、オパールへ到着。道端の食堂で、朝食用のお湯とナン、それから添乗員のHさんおすすめのカシュガルのハミ瓜を調達です。
左はそのレストラン、右は調達したナンです。いわゆるカレーのナンのイメージとはずいぶん違いますよね。アンパンみたいです。でもナンですから、なんにも入っていません。

オパールから15分ほど走った、1528キロポスト(至ウルムチ)のある広い川原で朝食です。
ゆで卵にトマト、羊肉と現地のソーセージ、そしてハミ瓜。右の写真のように、カシュガルのガイドの趙さんがアーミーナイフで器用に切り分けてくれました。
その“カシュガルの”ハミ瓜……。うまいのなんの(笑)
甘くてジューシーで、北京や西安で食べた時とはぜんっぜん違うおいしさ。日本に持って帰れないのが残念です。




朝食が終わったらまた移動。
空気が乾燥していることと高度があがることとの対策として、水分をたくさん取るように言われていました。そのかわり、ほぼ1時間ごとにトイレ休憩です。
景色がいいところで停めてくれるので、ついでに撮影タイムです。左もそんなポイントの一つ。崑崙の白と岩山の黒、川沿いの緑、そして空の青がとても綺麗なコントラストです。



さらに行くと、道端の山肌が赤くなります。トルファンの火焔山よりもさらに燃え立つような印象の赤さです。このあたりまではだいたい道もいいのだそうですが……


だんだんこんな道に(汗)

もっとも始終こうだというわけではなく、道路が決壊したり舗装が壊れたりしているところだけです。でも、「いよいよ奥に来たな」という気分になります。


途中に検問があります。通行証がないと通れませんし、観光客も名簿を提出します。といっても、ガイドさんが出してくれますから、バスで待っているだけ。すぐに済んでゲートが開きます。
いかにも“国境”な感じで被写体にはもってこいなのですが、撮影は厳禁。もっとも、世界中どこに行っても通関エリアは撮影禁止ですもんね、同じことです。かわりに、バスのフロントに置いてある通行証のケースを撮ってきました。


ゲートを通ってからしばらくのところでまたトイレ休憩。だんだん空の青さが深くなってきて、とてもいい色になってきます。

バスは「エアコンなしのおんぼろかもしれない」と言われていたのですが、今回はトルファン行きと同じ三菱製のマイクロバス。エアコンも完備です。




次のトイレ休憩地点は二つの川が合流するところで、ここもまた景色のいいところでした(もうちょっと先でさらに絶景ポイントがありました。その写真(30K)はこちらです)。

とそこへ一人のフランス人がやってきました。大阪に住んでいたことがあるそうで、日本語ペラペラです。歩いて旅をしていて、出発地はマルセイユ。2年前のこと……。これには目が点。とてもそんな気力も体力もないわたくしとしては、ただただ感心するだけです。




さらに1時間ほど走り、崑崙第3のムスタークアタ峰が道の向こうに迫り、視界がパッと開けると……

いよいよカラクリ湖到着。
想像以上のいい景色に大満足。恒例のパノラマ写真はこちらです(58K)。
天池と違って人も少なく、まさに秘境という感じです。でもキルギス族の土産売りや乗馬などがあります。5000円札まで登場していたのにはさすがにびっくり。こんなところで円を使われても、この人たちは現地通貨に換えられるのだろうか。観光客に両替してもらうよりないでしょうね。
寒さは覚悟していたのですが、この日はそれほど厳しくなく、シャツにトレーナー、あとはウィンドブレーカーでなんとかなりました。

そうそう空気枕の使用例は左です。チューブを鼻に当ててゴム管を緩め、空気を吸います。口でくわえて吸い込んでもいいんでしょうけど、使いまわしのものですからね〜、やっぱり口には入れたくないかな。

かぶっているのはここで買ったキルギスの帽子です。サイズがあってないかな(汗)





1時間ほどカラクリ湖で遊んだ後帰路に。行きに撮りそこなった風景を狙いました。行きは5時間、帰りは4時間ほどかかったのですが、景色を見たり撮ったりで忙しくて、ほとんど寝ませんでした。なんだか寝るのがもったいなくて(笑)

左は途中の山で、崑崙山脈の一部です。白いのは万年雪。写真中央から左寄りにかけて2本流れ出しているのは、短いながらもれっきとした氷河です。

行ったのは、ちょうどウイグル族の遊牧民が山を降りてくる時期でした。ウイグルというと遊牧のイメージはなかったんですが、家畜の持ち主から夏の間預かって、山の草を食べさせる仕事をしている人たちがいるのだそうです。これは羊の群れ。600頭ほどいるそうです。山羊が数頭混じっていますが、自立心の弱い羊を引っ張るために山羊を混ぜるそうです。






18時ごろに、カシュガルのアパク・ホージャ墓に到着。ガイドブックでは香妃墓と記載されているほうが多いかもしれません。同じ場所のことです。アパク・ホージャも香妃もホージャの一族です。


ここには小さなイスラム寺院も併設?されていて、今でも礼拝に使うらしいです。建築様式もイスラムっぽいんですが、話を聞いているとイスラム一辺倒というのではなく、東西が入り混じったものがあるのだそうです。残念ながら私にはよくわかりませんが(汗)
入ってすぐのところに塔がありますが、これにもその影響があるそうです。
礼拝場所の一角に置かれていたのがこれ、「ジナーズ」と言う死者を葬るための道具です。手前上の木のベンチのようなものに載せて死体を洗います。水は下のブリキの桶に溜まり、後で家の屋根の上にまくそうです(身体から出たものを他人に踏まれるのをイスラムは嫌うそうです)。
その後、奥にある木製の輿のようなものに乗せて墓地に運び、埋葬します。「生まれるときも死ぬときも裸のまま」ということで、身体だけを埋葬します。墓碑銘もなく、死んでしまったらみな平等なのだそうです。この埋葬道具は壊れるまで使うそうです。


こちらがアパク・ホージャ墓の本体とでも言えばいいんでしょうか、この中にホージャの一族が葬られています。丸っこい屋根や尖塔がイスラム風でした。
中に入るとこのように、色とりどりの布に覆われた墓が並んでいます。この下に埋葬されていて、誰のものなのか調べられて名札が置かれていました。アパク・ホージャのものもあります。
それから香妃のものもあるのですが、香妃墓に関しては近年は異説があるそうです。まあいわゆる本当の墓はここじゃないという話で、似たような話は日本の伝説でもよくある話ですが、でも「死んでようやく故郷に帰れた」という伝説もまた味わいがあっていいと思うんですけどね。


ちなみに、ホージャ墓のすぐそばは共同墓地になっています。形や大きさの違いはありますが、たしかに墓碑銘らしきものは入っていません。でも、布で飾られたものは一つもありません。あれれっ、平等じゃなかったのかな(汗)

近年、剥がれ落ちたタイルの張り替えがされたそうです。しかし、いい色を出す技術は残念ながら廃れてしまい、左のように新しいほうが黒ずんでいます。昔のほうが鮮やかな青色です。





次に向かったバザールに行く途中にあった、毛沢東像です。赤い台座のところに小さく人が写っていますから、大きさが分かります。以前は中国各地にありましたが、最近では数カ所しか残っていないそうで、ここカシュガルのはある意味貴重な存在になりつつあるかもしれません。なにしろ北京にもないんですから。

バザールは時間の関係で駆け足の見学だったので、めぼしい写真はありません。
布やその製品、あとは発動機や自転車などの関係の道具屋が多いような気がしました。ちょっとマニアックなところでは、カージョルとシャールクのポスターを発見しました。この名前にピンとくる人は、マサラムービーファンに違いないと思うのですがいかがでしょう(笑)





カシュガル最後の観光は、エイティガール寺院です。新疆地区最大のイスラム寺院で、イスラム世界では有名らしいです。イランのハタミ大統領が中国を訪問したときにも立ち寄ったそうで、最近の大きなイベントだったらしく、飛行機の機内誌にもその記事が載っていました。
ちなみに、礼拝時間は異教徒は入れません。また、見学時間もビデオは有料です。カメラは無料です。


着いた時はちょうど礼拝の時間で、終わるまで外で待っていました。終わるとどっと人が出てきました。そのまま門の前で井戸端会議?に興じるお年寄りもいました。


このエイティガール寺院は仏教文化の影響も受けているそうです。天井の装飾に使われている卍模様がその証拠だそうです。





大急ぎの夕食後、カシュガル空港からウルムチへ。帰りも臨時便が飛んだので、深夜にならずにすみました。
この臨時便、お偉いさんが乗るからなのか、すばらしい腕前のパイロットでした。ウルムチの着陸は、これ以上ないくらい静か。日本のパイロットにもぜひ見習って欲しいものです、って偉そうに言うわたくし(笑)


カラクリ湖からカシュガルに戻るとき、飲みかけのペットボトルがひしゃげていました。もう一本の空になっていたのはふたをきちんと閉めて、そのままホテルまで持ってきてみました。結果はごらんの通り。やっぱりカラクリ湖のあたりは空気が薄かったんですね。