ヴィゴ

1998年イギリス=フランス合作作品
出演 ロマーヌ・ボーランジェ
ジェイムズ・フレイン
監督 ジュリアン・テンプル

この作品、劇場公開時の邦題は「ヴィゴ」だけだったのに、ビデオ/DVD発売時には「カメラの前の情事」などというつまらないサブタイトルがついてしまいました。発売元はアミューズビデオと東芝なんだけど、どちらの人間か知らないがつまらない修飾なんかしないでそのまんま「ヴィゴ」のほうがよかったと思います。いったいどこに目をつけてこれを観たんだろうと思ってしまいます。だから、ここでの紹介は「ヴィゴ」だけでいきます。

ジャン・ヴィゴ。
正直言ってこの作品を観るまで私は知らなかったのですが、伝説的な映画監督の一人なのだそうです。生存中はその生い立ちゆえに認められることがなく、肺結核のため29歳の若さで死去。しかしその技法が今では認められているのだそうです。


ジャン・ヴィゴと後に妻となるリデュは、サナトリウムで出会う。結核は当時は不治の病。二人に残されているのはもはや限られた時間だけ。しかも、ヴィゴはその父親が売国奴として有名であったがゆえに、肩身の狭い生活を強いられている。しかし、その限られた時間と暮らしの中で二人の愛は萌えあがる。そして、さらにヴィゴが情熱を注いだのが映画だった。リデュは時として寂しさと不安に押しつぶされそうになりながらも、ヴィゴを支えつづけた。二人に待っている結末は……


情事というとダーティーなイメージがありますが、その意味は「男と女の情愛もしくはその営み」であるわけで、必ずしもマイナスな物だけではありません。でも、この映画で描かれているのは“情事”といよりは、ヴィゴとリデュの純愛の物語。

悲痛な最後、リデュの叫びが耳について離れなくなります。

 2000.11.05