遠い空の向こうに

1999年イタリア作品
出演 ジェイク・ギレンホール
クリス・オーウェン
チャド・リンドバーグ
ウィリアム・リー・スコット
クリス・クーパー
ローラ・ダーン
ナタリー・キャナディ
監督 ジョー・ジョンストン

1957年10月、ソビエト連邦は人類初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた。見上げる世界中の人々。その中に、アメリカのウエストヴァージニアの炭坑町コールウッドの少年、ホーマー・ヒッカムもいた。少年は、自分の手でロケットを作り、奨学金を得て大学へと進学することを誓った。親友ロイ、オデル、嫌われ者のクエンティンたちと一緒に、数少ない理解者たちの支援を受けながら。しかし、ホーマーの父で炭坑の責任者のジョンは理解してくれないのだった。


いや〜、こういう実話ベースのサクセスストーリーはむちゃくちゃ好きですね。おまけに、「宇宙飛行士になりたい」なんて子供の頃に言う人はけっこういると思いますけど、自分自身やっぱり憧れてたし、ラジオやらなんやら分解しては組みたてていた子供時代がありましたから、この手の話にははまってしまいます。

ホーマーが難関を乗り越えてロケットを完成させていく話であると同時に、父と息子の対立と和解の話でもあります。結末がまたいい。こういう伝記物はともすると“自慢話”になりがちでそれが鼻につくという人もいるようですけど、まあいいじゃないですか、それだけの苦労と努力をしたんだから。最後の最後、打ち上げのシーンではグッときました。

主人公ホーマー・ヒッカムは実在の人物で、原作「ロケット・ボーイズ」の筆者でもあります。日本語訳も出ていたので、映画と比べるのもまた面白かったです。原作も多少の美化はあると思いますが、映画よりももうちょっと地味で、映画ほど極端な劇的展開というものでもありませんでした。ただ一点、原作のほうが間違いなく良いなと思うのは、父親のこと。映画ではひたすら息子と対立する姿が描かれていますが、本では実は父親が一番の理解者だったということが描かれているような気がします。厳格でありつつも息子を愛してやまない父親像、映画は短い時間で劇的に話を作らなきゃいけないから仕方がないとは思いますけど、でももうちょっとその辺も描いても良かったんじゃないかなと思います。

そうそう、原作が「ロケットボーイズ」なのに、なぜ映画の原題が「October Sky」なのか。わざわざ題名を変えた理由は知りませんが、「Rocket Boys」のアルファベットをばらして並べかえると……(笑)

それから、スペースシャトルの打ち上げシーンが登場するんですが、この映像はひょっとして……、いやいや、これはやはりパンフレットや原作を隅々まで読んだ人だけが推理できる特権ってことにしておきましょう。

 2000.08.12