どら平太

2000年日本作品
出演 役所広司
宇崎竜童
片岡鶴太郎
浅野ゆう子
菅原文太
監督 市川崑
脚本 黒澤明
木下惠介
市川崑
小林正樹

2000年は黒澤明絡みの時代劇映画が二本公開された年で、一本が「雨あがる」、もう一本がこの「どら平太」。黒澤明の遺作となった脚本を映像化した「雨あがる」も良かったんだけど、4人の日本映画界の巨匠が結成した「四騎の会」が書いた脚本をついに映像化したこの「どら平太」のほうが、自分としては気に入っていたりします。


酒、女、博打、とにかくその放蕩ぶりから本名の望月小平太よりも “どら平太” のほうが有名ともっぱらの評判の男が、藩主の命により町奉行として江戸からやってきた。領内にある壕外(ほりそと)と呼ばれる、言ってみればなんでもありの無法地帯を掃除すべく。しかし、前年にやってきた町奉行たちはみな職を辞してしまった因縁の問題。一筋縄でいくはずがない。しかも、少なからず壕外の恩恵にあずかっている重職たちはおろか、精錬潔白なご政道を目指す若い藩士達からも狙われる始末。しか〜ししかし、どら平太だって一筋縄でいく男じゃあない。果たしてどら平太の活躍やいかに!


それなりに時代劇が好きな私としては、正直言って気に入らないところもあります。役所広司がどんなに “どら平太” してもどこか真面目臭さが残りすぎているのはまあいいとして、浅野ゆう子は浮いてたな〜。彼女はこういう美味しい話には必ず絡む人らしいけど、なにか強い後ろ盾でもあるのかもしれないですね。映画の雰囲気にそぐわないのが残念。それから片岡鶴太郎は好きじゃない俳優なので、やっぱりひいちゃいます。あと菅原文太の使い方がね〜。いやあの親分役はやっぱり文さんじゃないといけないと思うんだけど、もうちょっと彼の魅力が出る脚本のほうがよかったと思います。多少文さん臭さが濃くなっても、主役を食ってしまうことはこの映画に関してはないと思うので。

対して、宇崎竜童はいいですね〜。決して演技力がすばらしくあるって訳じゃないんだけど、どことなく陰のある渋い役柄を演じてくれますし、なんたってあの最後の……、おおっと基本的にネタバレ無しがここの信条なのでこれ以上は書きませんが、とにかく私にとっては「おおっ、これは」と思う場面が最後にあったのです。

それからけっこう小気味いいテンポもよかったです。110分ほどの時間もちょうどいいのかもしれませんが、退屈しないで楽しめます。それに、チャンバラシーン。テレビ時代劇だとBGMが軽快に流れて敵をバッタバッタと倒していくわけですが、そこはやはり映画、ほとんど音楽はいれず、剣を振る音がこれでもかと鋭く響きます。いや〜、やっぱりいいな〜。今回ビデオで改めて観なおしたんですけど、やっぱり銀幕でもう一度観てみたいなと思います。

 2001.01.07