音速雷撃隊

1993年日本作品
原作 松本零士
監督 今西隆志

松本零士氏の戦場漫画シリーズ「ザ・コクピット」の中の三作品、「成層圏気流」「音速雷撃隊」「鉄の竜騎兵」がアニメ化されていますが、その中でもこの「音速雷撃隊」は好きな一本です。能天気に読める話ではないのだけど。


海軍航空技術廠 特別攻撃機「桜花」
その頭部に1200キロの炸薬を抱え、ロケット推進により体当たり攻撃を敢行する文字通り「人間ミサイル」。航続距離が極端に短いために、一式陸攻を母機として敵機動部隊に接近し、切り離され突入した。散る桜のごとく、出撃すれば二度と戻らない狂気の兵器。

大戦末期、制空権は連合国にあり、母機もろとも撃墜されめぼしい戦火を上げることはなかった。桜花搭乗員野上少尉の母機も撃ち落されるが、母機機長の計らいで生還を果たすことになる。しかし次の出撃が翌日に決まっていた。新しい母機の搭乗員たちと酒を酌み交わす野上。その残された短い時間を惜しむかのように琴の音が聞こえていた。

1945年8月6日早暁、出撃。
そしてこの日、米国もまた狂気の兵器で自らの手を血で染めることになるのだった。


決して先の戦争を美化したり賛美するつもりは私は毛頭ないので、お間違いのないようお願いします。それから、実際の桜花は音速雷撃などできないとか、一式陸攻があんなにタフなわけがないとか、あんなふうに酒を酌み交わすなど考えられないとか、そんなつまらない突っ込みはしないように。あくまでもフィクションなのですから。ただ、あの戦争では日本もアメリカも世界中のどの国もクレイジーだったのは間違いないことで、しかしそんな中でも夢をもち、苦しみ、もがき、そして人間性を失うまいとしていた兵士たちもきっといたはず。個人の感傷などお構いなしに狂気に加担せざるを得なかった、あの戦争の悲劇に思いをはせることができればいいのだと思います。

でも、残念ながら今でも各国の指導者たちは狂気から逃れられていないように思えてしょうがないです。各国の政治家たちの多くはあの戦争からなにを学んだのだろうかと。口ではきれいごとを誰もが言うけど、行動が伴っていないのが残念です。ブッシュ然り、小泉然り。人類の未来は暗いな〜。

 2001.08.06