ハーフな分だけ


星里もちる作
1991年初版(ビックコミックス上下巻)
1999年ビックコミックスワイド発行
発行所:株式会社小学館



小学館系の雑誌によく書いていて、最近再販になった「危険がウォーキング」では「危険がルーピング」っていう書き下ろしもあって喜んだけど、でもどうもドツボ泥沼系の話しかこのごろは書かない星里もちる氏。だからこの1年ほどは彼の作品は読んでないからあまり比較しちゃいけないのかもしれないけど、でも個人的に“古き良き時代”の星里漫画で一番好きなのがこの「ハーフな分だけ」だったりします。



売れない役者、御前岳実。
じつはすばらしい演技力の持ち主なのだが、その名前とは裏腹にくさい台詞アレルギーの持ち主。だから回ってくる役は通行人Aや死体B……。

売れない訳者、音裏由羽。
これまた笑っちゃうような名前の持ち主。駆け出しゆえになかなかいい仕事は回ってこない。やっとつかんだ字幕の仕事も、ビデオレンタルの回転は今ひとつ……。

そんな二人がひょんなことから最悪の出会いをし、最悪の再会をし、そして“ふらちな関係”に。音裏のためにくさい台詞をはく御前岳、そんな御前岳に勇気をもらう音裏。でもどこか踏み切れないわだかまりが残ってしまう。しかし、ひょんなことから二人の夢、役者と訳者の原点が一つの映画であることを知る。そしてその思い出をたどることになるのだった。二人の距離は、過去は、そして未来は……。



って書いててこっちがくさい台詞アレルギーになりそうだなおい(笑)
でも、自分自身が映画好きだったこともあってこの話がスピリッツに連載になったときはすっかりはまってしまったものです。なかなか、ほんとになかなか単行本が出なくて、たしか年単位で待たされた記憶が。出たときには速攻で買いに行ったもんでした。
冷静に考えると中途半端な話かもしれないです。ラブコメっていうほどコメディーしてないし、かといって純愛路線ともちょっと違う。もちろんその他のジャンルよりは近いんだけど。でもなんだか好きな話ですね。やっぱり映画絡みでちょっと気の利いた話っていうのが波長があったのかもしれないです。

とここまで書いていて、もうひとつ気に入っていた映画絡みの漫画「あどりぶシネ倶楽部」(細野不二彦)を思い出しました。が、本棚にない……。この3年で2度の引越し。どこかにまぎれたか、それともなくしたか……。週末にブックオフででも探してみよっと(汗)


2001.05.31