神戸在住


木村紺 作
2001年8月現在第3巻まで刊行
アフタヌーンKC
発行所:株式会社講談社



アフタヌーンKCはなんだか不思議な雰囲気の作品が多いような気がします。って本誌のほうは最近はほとんど読んでいないので、単行本で買うようになってしまっていますが。
この「神戸在住」は、「ヨコハマ買い出し紀行」と並んで大好きなアフタヌーン系の作品です。ほぼ一年に一冊しか単行本にならないのがじれったいけど、3巻が出てすぐに感想を書こうと思っていながら二ヶ月ほっておいたからあんまり言えない(汗)

話はまさにタイトルの通り、神戸在住の辰木桂と彼女を取り巻く人たちの日常が描かれています。ほんとに、余計な飾りとかなんとかなく、淡々と桂の日常を綴っている感じなんだけど、それがなんだかとてもおだやか〜で心地よい雰囲気です。握りこぶしで絶賛する感じじゃないんだけど、でも印象深い話です。やっぱり好きな町の一つの神戸が舞台だし、関西在住の頃に神戸近辺を歩き回ったときに見た風景が出てくる懐かしさもあるのかな。映画「大阪物語」を見たときと似た気分にもなります。そういえば北野のふもとにあったケーキ屋はその後どうなってるんだろう。教会を借り受けたとかいう新しい店には結局行かなかった。この春の転職を間違えてなければまさに神戸在住だったのに……、って個人的なことはさておき(笑)

ただし、少々重い話もあります。というのも、桂は数年前から神戸在住なのだけど、友達の多くはそれ以前から神戸にいる人たちで、だから阪神大震災を経験しているのです。特に3巻の林浩君のエピソードは、ちょっと読むのがしんどいくらい。でも結局何度か読み返している自分。「事実は小説より奇なり」ってよく聞く言葉だと思うけど、フィクションとは違った重さがあるし、そこに描かれている人間関係がまた、う〜んどう言えばいいのか、まさに「ええ話」なんですよね。震災の話ももちろん、その他の(というか震災の話のほうが分量はぜんぜん少ないんだけど)話もぜんぶひっくるめて、不思議な懐かしさとあたたかさ、そして爽快感を感じてしまう話です。

にしても、ほんと月刊誌は続刊が出るのに時間がかかりますよね。このまま順調にいけば4巻は2002年5月……、首がめっちゃながなるで〜(笑)

2001.08.14