未来からのホットライン


ジェイムズ・P・ホーガン
1983年4月29日初版
発行所:株式会社 東京創元社

創元推理文庫



J・P・ホーガンというと、超がいくつもつく有名なSF作家。70年代後半に「星を継ぐもの」でデビュー、ハードSFの担い手として日本でもファンがたくさんいるようです。作品で語られる“理論”は時として難解で、それがまたファンにはたまらないことなのだと思います。
でも、私は時々「ホーガンは、じつはとてもロマンチストなんじゃあなかろうか」と思ってしまいます。中でもこの「未来からのホットライン」はそれを強く感じてしまいます。


英国系アメリカ人のマードック。アメリカで働いていた彼は、スコットランドに住む祖父チャールズに呼ばれて、大西洋を渡った。そこで待ちうけていたのは、チャールズと、助手のテッド、そしてタイムマシンだった!


タイムマシンとは言っても、物質転送はできず、ただ文字情報を送るのみの機械です。そして物語の中で語られる理論は、う〜む、難しい話はよく分からん(汗) でもそんなハードな話だけじゃなくて、アン・パタースンという女医とマードックの話も物語を盛り上げてくれます。しかも、二人の中を取り持つのは猫だったりして(笑)

もちろん、途中に何度かある大きな転換点が大事なポイントになるわけで、アンとマードックの関係も順風満帆とは行きません。私にとっては「ううっ、そういう展開になるか」と辛くなるようなところもあったりします。どのあたりでどういう話になっているかをここで書くわけにはいきませんが、読んでいてちょっとしんどかったです。それだけに、エピローグが光るわけですが。だから、ホーガン作品の中でこの「未来からのホットライン」のエピローグが一番好きです。おっと、未読の方、絶対にエピローグを先に読まないでくださいね。必ず最初から順に読んでください。

2000.11.17