死霊の都


タニス・リー著
昭和58年3月31日発行
発行所:早川書房

ハヤカワ文庫 FT50


映画は好きだけどホラーやスプラッタは苦手というのは仲間内ではよく知られた話で、なのにこんなタイトルの本を読むのかと突っ込まれそうですね。なんだかドロドロのグチャグチャな話になりそうな予感……。原題は「Shon the taken(憑かれ者ショーン)」。う〜んこれまたちょっとなタイトルだな(汗)
でも、れっきとしたファンタジーです(笑)


人々は、深い森のほとりでひっそりと暮らしていた。森の向こう東の彼方には死者の住む町「クロウ・モーク」があるが、誰もそれにふれようとしない。そして夜の森には鴉が姿を見せる。鴉は死者の使い。それに出会うものは “憑かれ者” として殺されなければならない。
パイン・ウォーク村のショーン。17の夏。一夜を森で過ごした彼が村に戻ると、冷え切った人々の目と掟が待っているのだった。


手元にあるタニス・リーの作品は、どれも短編か中篇。あまり長編作品を書く人ではないように思います。この「死霊の都」も200ページ弱の短めの一作。だからちょっと物足りないんですね〜、個人的には。 “憑かれ者” ショーンから “死霊の都” への展開、途中の人間関係やある意味お約束なエンディングへと流れていく、私としては思いきりはまりこんでしまえる話のはずなのに……

やっぱりページ数が足りないと思います。なので、途中の展開があっさり薄味になりすぎてて物足りないんですよね。クロウ・モークの歴史、鴉の子供たちのこと、それからもちろんショーンの冒険のこと。もうちょっと濃く書いてくれたほうがよかったように思います。ちょっと残念。でも好きな作品なんですけどね(笑)

2000.12.19