自民党県議団質問内容
まず最初に、知事の政治姿勢として、数点ただしておきます。
その第一は、福岡空港問題についてであります。
この福岡空港を今後、どう取り扱うか、その対応策については、設置管理者である国が、地域の意見を踏まえて最終的に判断するとその考えを早くから明らかにしてきたところであります。
これを受け、知事は、地元の意見をとりまとめるに当たってパブリックインボルブメントを実施して、県民の意見を聴取するとともに、加えて地元選出の国会議員や経済団体、関係自治体の首長などの意見を伺うため、これら関係者との意見交換会を行われてきました。これらのことは我々も十分承知しているところです。
福岡空港の対応策については、昨今の経済危機の状況から、判断を先延ばしすべきではないかとの意見も一部にはあるようですが、決定を先延ばしし将来の対応が遅れると、本県が目指しているアジアとの交流の拡大にも支障をきたすこととなり、地域の発展に大きく影響を及ぼすことが予想されます。
福岡空港問題については、もはやいかなる状況に陥ろうとも、平成十四年末のような事態を逆戻しすることは許されず、緊急、喫緊の課題としてなんらかの形で早急に見解を明らかにしなければならない問題と考えています。
そこで知事にお尋ねします。これまでの各界各層との意見交換を通して、県政トップとしてはどのような感想を持たれたのか、昨今の政治、経済、そして社会情勢をかんがみた時、いずれの案を選択されても知事が言われる苦渋の決断になると思います。先に開かれた県議会空港対策調査特別委員会でも最終方針を明快には示されてはいませんが、一体、知事は、今年度内に地元としての判断を示す考えに変わりはないのか。また、いつ、どのような形で知事の意見を表明されるのかお尋ねします。
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麻生渡知事 答弁要旨
(知事の政治姿勢について)
意見交換の感想について
一連の意見交換においては、滑走路増設が現実的だとする意見や地域発展のためには長期的な視点で新空港が必要であるという意見、また、北九州空港を活用すべきであるとする意見など、多様な意見がありました。
パブリック・インボルブメントでのご意見を始め、皆様から貴重なご意見を数多くいただき、感謝しているところであります。
これらのご意見を踏まえて、十分熟慮し、判断して参りたいと考えております。
意見表明について
福岡空港問題については、パブリック・インボルブメントや各界各層のご意見を踏まえ、総合的な観点から、地元としての意見を今議会中に表明したいと考えております。
なお、その時期や場面については、議会はじめ関係の皆様と相談し、決めたいと思っております。
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次に、定額給付金についてであります。
家計への支援をより迅速に実施し、また、特別減税の恩恵を受けない低所得者にも広く効果を及ぼすためとした、総額二兆円の定額給付金につきましては、現在の厳しい経済情勢を考えますと、時宜にかなった適切な政策であったと考えます。
これは、日本だけではありません。諸外国におきましても、直接給付を行うことが実施されております。
例えば、アメリカでは、昨年の四月から八月にかけて、給付による所得税減税として、政府が各世帯に小切手を送付するという方式で実施しています。総額で千六十七億ドル、約十兆円という巨額なものです。
また、オーストラリアにおいても昨年の十二月に、総額八十七億ドル、約五千六百億円を給付しています。また、フランス、イタリア、韓国においても、主に低所得者を対象に給付金の支給を行っているとのことです。このように、現在の世界同時不況の中、各国は競って国民生活を守るための施策に取り組んでいるのであります。
このようなことを考えますと、一日も早い給付金の支給と、それを実際の消費に回していただいて、地域経済の活性化、ひいては我が国が世界不況の中でも強い経済を再び取り戻すことの一助としなければなりません。
すなわち、実施に当たっては、できるだけ地域の消費拡大につながるような独自の取組みが、県及び市町村には求められていると言えます。
すでに全国の市町村では、様々な独自の取組みに着手しています。そして本県でも定額給付金事業を契機として、地域における消費を喚起し、商店街の活性化を図るためプレミアム付商品券の発行について、県が支援措置を講じられることは、一定の評価をするところです。
ところで、県はこの事業に取り組む団体数を、いったいどの程度と想定しておられるのでしょうか。県内各地の機運が盛り上がることを想定した予算措置になっているのか、万が一想定を超える団体から申し入れがあった場合はどうされるのか、併せてお尋ねします。
さらに、この取り組みが効果をあげるためには、県内津々浦々において、地域が創意工夫を凝らし、消費拡大を実現しようという気運が醸成されることが重要です。
景気回復につながる消費拡大を消費拡大県民運動として展開することが、今ほど求められている時はありません。
このことを私共はかねてから呼びかけてきたところですが、新年度予算にこうした措置が講じられていないことは、いささか遺憾なところであります。
従いまして、県は如何にして各地域の取り組みを促していくのか、シンポジウムの開催などをはじめ、県民運動的な展開について、その所為のほどをお尋ねします。
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プレミアム付き商品券の発行支援と消費拡大への取り組みについて
国内経済の急激な悪化に伴い消費が低迷する中、地域内消費を喚起し、商店街の活性化を図ることが何より重要です。
このため県では、プレミアム付き商品券を発行する商工会、商工会議所や商店街に対して、印刷費や広報費などの経費を支援することとしたものです。
現在、約七十の商工会、商工会議所が発行を検討しており、今後さらに、商店街自らが発行しようとする動きが広がってくるものと考えております。発行団体数や発行冊数が想定を超えた場合は、予算不足に対して適切に対応して参ります。
さらに、商品券発行に合わせて地域で実施される各種キャンペーンや商店街祭りを始めとした様々な取り組みのPRに努め、消費拡大に向けた気運を高めて参りたいと考えております。
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次に、建設工事における最低制限価格について、お尋ねします。
公共工事について、知事は、先の十二月議会において、公共投資が減少してる中で、受注を巡る競争激化、最低制限価格の事前公表等により、予定価格に対する落札額の比率が、低下傾向で推移しているとの認識を示されました。
建設業者の皆さんからは、仕事を確保するためには、最低制限価格付近での受注を余儀なくされており、受注しても、利益もでないような厳しい状況にあると聞いているところです。
この様な状況では、地元の業者は疲弊し、県が求めている工事の品質確保や安全対策に支障がでること、また、下請け業者へのしわ寄せの発生を懸念するところであります。
ついては、受注した業者が、きちんと利益を享受でき、地域経済の活性化に繋がるように、最低制限価格の引き上げを早急に行うべきだと考えますが、知事の考えをお尋ねしたい。
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最低制限価格について
公共工事の受注競争の激化により、最低制限価格付近での落札が増加しております。
現行の最低制限価格では、受注者の採算性や安全対策に支障があるとの意見や最低制限価格引き上げの要望が数多く出されておりますので、実態調査を実施しているところです。
この調査結果を踏まえて、見直しを行いたいと考えております。
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次に、整備新幹線の地方自治体負担金問題についてであります。
九州新幹線鹿児島ルートについては、先般、国から地方に建設負担金の増額を打診されたと聞きます。
これに対し麻生知事は、二月十五日、国土交通大臣に地方負担を増やさないよう要請されるとともに、併せて自治体の負担の新たな枠組みを検討するよう提案されたと報道されています。そのためか、県の新年度当初予算案にも国から求められた増額分を計上していないと伺っております。
そこでまず、当初予算案に計上されなかった経費は、新幹線建設にかかる経費の増額部分だけなのか、その他の国直轄事業、国道や河川に係る負担金部分も含んでいるのか、事実関係を明らかに願います。
確かに整備新幹線に限らず、道路や河川など公共投資のうち国が直接実施するいわゆる「直轄事業」に対する地方自治体の負担金は、地方分権推進の観点から、夙にその改善の必要性が指摘されてきたところです。
このような歴史的経緯のある問題でありますから、知事が負担側の自治体として不透明な建設負担金の詳細について納得のいく説明を求めること自体は理解できるところであります。
しかしながら、地方財政法では、国が公共事業を自ら行う場合に、地方自治体が法律又は政令の定めるところによりその経費の一部を負担するときは、その自治体は負担金を国に対して支出するものとすると明確に規定され、負担金の予定額は、工事の着手前にあらかじめ地方公共団体に通知しなければならないことになっています。
今回の国からの増額通知も、この法律に則ったものでありましょう。通知を受けた場合に負担金の予定額に不服があるときは、総務大臣を経由して、内閣に対し意見を申し出ることができることにもなっています。
特に整備新幹線の地方負担のあり方については、政府与党で厳しい議論を経て関係自治体も概ね納得して、全国新幹線鉄道整備法施行令で決められているものであります。
工事実施計画で定められた総建設費の三分の一を沿線自治体が負担し、一部は地方交付税措置など配慮されているはずであります。
この問題については、先般、大阪府の橋下知事が新年度当初予算案で直轄事業負担金の削減を一方的に表明したことに端を発し、その後、新潟県の泉田知事や佐賀県の古川知事、熊本の蒲島知事などが整備新幹線建設負担金の増額を納得できるまで拒否する方針を表明した経緯があります。
それだけに、他県の若い知事に本県が追随したと受け取っている県民も多く、少々感情的な問題も残しかねません。
また、何よりも工事の進捗が遅れることにならないかと心配するところです。負担増が地方に受け入れられない場合、「最悪なら工事の進捗が遅れ、開業が遅れる」と国交省も話しているとの報道もあります。大変危惧されるところです。
一方、知事は、今後も負担に応じないかについては「話合いの問題だ」ともいわれているようです。こうした点も含めて、国交大臣に要請された真意と話合いの内容、知事の提案等について、県民に分かりやすい説明を求めます。
事業費を圧縮できる部分は極力圧縮させ、その上でどうしても増額せざるを得ない部分は現行制度に基づき負担するという態度が全国知事会長も務める知事としての正統な振る舞いというものではないでしょうか。
立場を変えて考えてみましょう。本県においても、県道整備などの市町村負担について、情勢変化にともない工事費の増大に対して負担を求めてきた経緯はあるはずです。
こうした点を考慮しますと、「そもそも国の事業に地方の負担を求める制度自体が間違っている」との知事の一連の発言は、今後に少々問題を残したところです。
九州新幹線については、福岡県民を含め沿線各県の県民は皆、平成二十二年度末開業を首を長くして待っております。
今回の騒動で本当に開業が遅延することになれば、負担増に反対した知事たちの政治責任は極めて重いものにもなりかねません。
知事の九州新幹線開業に向けての政治的な決意を改めて明確に披露していただくよう求めます。
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当初予算における負担金の計上について
当初予算で計上しなかったのは、九州新幹線鹿児島ルートの負担金増額分だけであり、これは、現在の本県の厳しい財政状況に照らして、大変大きな額であったことから、この取扱について国と十分な調整が必要と考えたためであります。
国土交通大臣に要請した真意と内容について
平成二十三年春の全線開業に向け、事業の推進を国に要望しているところでありますが、県の財政は非常に厳しい状況にあります。
そのため、例えば、鉄道運輸機構が将来新幹線を貸し付けることによって見込まれる収入を原資として資金を借り入れ、工事費の増額分に充てるなど、地方の負担を軽減することができるような新しい枠組み検討を国に要望したものです。
今後とも、佐賀県・熊本県と連携を図りながら、増額分についての新しい措置が講じられるよう国に強く要望してまいります。
開業に向けての決意について
九州新幹線鹿児島ルートの全線開業は、九州地域の一体的浮揚・発展に寄与する大きな目標であります。
引き続き二十三年春の全線開業に向け、全力で取り組んでまいります。
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それではこれより具体的質問に入ります。
まず、平成二十一年度本県予算案についてお尋ねします。
麻生知事は、本議会に平成二十一年度当初予算案を提案されました。その規模は、一般会計で総計一兆五千八百九十二億円、前年比五百四十三億円、三.五%増となっています。
公債費等を除いた一般歳出では四.二%増、先般の二月補正予算と合わせますと前年度比約六%の高い伸びとなっています。
それだけに本県の当初予算案については、「財政再建を一時棚上げしても、異常な景気・雇用情勢に対応して最近にない積極型予算を編成された」と、そんな見方や評価ができるのかもしれません。
しかし、その内容を具体的、詳細に検討してみますと、看過できない構造的な問題を抱えた当初予算案でもあります。
まず、本県の景気雇用情勢についての知事の認識であります。
アメリカのサブプライムローン問題に端を発する世界の金融危機が、わが国の経済、とりわけ実体経済にこれほど大きな打撃を与えることになろうとは当初、想像さえできませんでした。
本県の景気雇用に大きな影響をもつトヨタや日産も、本年三月期の業績見通しの下方修正に追い込まれました。
既に本県では、昨年夏以降、自動車関連産業を筆頭に大幅な生産縮小、派遣職員の大量解雇などが繰り返されています。
知事は、昨年十二月の本議会で、今後の本県経済の見通しについて「世界経済の減速が強まる中で、一層の生産水準の低下や設備投資計画の先送りなどが懸念され、さらに悪化を見込まざるを得ない状況である」旨、答弁されました。
そこで、十二月時点の見通しと比較し、格別に追加すべき事項や見解を改める事項があるのか、回復への僅かな光が見えるのか、これらの点も含めて本県経済や景気、雇用の今後の見通しについて現時点でどう考えておられるのか、知事の明快な見解を求めます。
さて知事は、先の補正予算を含め十四ヶ月予算として当初予算案が提案され、多くの景気雇用関係の緊急対策が打ち出されています。
国の二次にわたる二十年度補正予算及び麻生政権が「生活防衛のための大胆な実行予算」と呼ぶ二十一年度当初予算と相まって、今回の本県当初予算が当面の経済危機の克服に大きく寄与することを期待するところであります。
しかしながら、補正予算と合わせ全体として何をターゲットとしているのか、知事の基本方針や本県経済浮揚に向けた戦略体系が必ずしも明確ではありません。
県民に分かり易くPRする意味からも、今回の緊急対策による景気・雇用面への見込まれる効果を明らかに願います。
次に、知事が誘致に精力的に取り組まれている自動車産業も、今や景気・雇用急降下の中心となっています。
輸出に依存してきたわが国の産業立国モデルは行き詰まってしまいました。
将来、世界経済が落ち着きを取り戻しても危機勃発以前に戻る保障はありません。
最先端の環境自動車への選択と集中が今後の発展可能性を残しているとはいわれますが、自動車神話は昔話となりつつあります。
実際の話として、トヨタの次期社長に内定した豊田章男氏は、一月二十日の記者会見で、「自動車産業を繁栄に導いた諸条件はことごとく壊されてしまった。これから先、市場に生き残れるかどうかの瀬戸際にある」と述べています。
自動車百五十万台構想の旗を振ってこられた知事としては、どういう感想と展望をお持ちなのでしょう。率直にお聞きします。
今後は、多様な業種の企業が連携し合う地域密着型の産業構造をもっと育成していくべきではないでしょうか。
将来の本県経済構造のあり方について知事の基本的な考え方をお尋ねします。
次に二十一年度県税収入の発射台となる二十年度県税収入の最終見込みについてお尋ねします。
前回十二月県議会において知事は本年度の見込みについて、「法人二税において二百億円程度、県税全体では三百億円程度当初予算を下回る」ことを明らかにされましたが、その見込みに変更はないのか、主要な税目ごとの動向も含め明らかに願います。
また、二十年度予算について、我が会派は当初から減収補填債を計上する財政当局の安易な姿勢を厳しく批判しました。
この指摘に呼応して、知事も先の議会でその計上には「慎重に検討する」旨、答弁されました。
当初予算で百億円計上した減収補填債を本年度は最終的にはどの程度発行されることになるのか、その増減の理由を含めご説明願います。
さて、知事は二十一年度県税等の収入として六千三百十八億円を計上されています。
前年度に比較して九百一億円、十二.五パーセントの大幅な減収となっています。財政当局の試算では、新年度から初めて効果の生じる地方法人特別税の影響を除いて試算しても、五百九十六億円、八.三パーセントの減収と見込まれています。
当然、本県の経済状況や地方財政計画の見積もりなどを踏まえて算定されたものでしょうが、法人二税については、地方財政計画では地方法人特別譲与税を含めたところで前年度比三十三.五パーセント減、地方消費税が一.二パーセント増となっています。ほぼ同様のベースで本県の状況を見ると、法人二税では二十五.四パーセント減、地方消費税では一.二パーセント増となっています。
地方消費税はほぼ歩調が合っていますが、法人二税については本県の落ち込みがかなり小さい印象を持ちます。そこでまず、法人二税の落ち込みが全国規模に比較して小さい理由を含め、主要税目ごとにどのような考え方で見込まれたのか、詳細かつ分かりやすくご説明願います。また、自動車産業関係の税収に前年度と比較してどの程度の変動が生じているのか明らかに願います。
法人二税の動向は、新年度の減収補填債の発行問題とも密接に絡みます。
知事は、昨年と異なり当初予算に減収補填債を計上されてはいません。
新年度の法人二税等の県税収が地方交付税算定の基礎となる標準税収を上回ったために、現時点で減収補填債を発行する隙間がないという理解でよろしいのか。
それとも標準税収は下回っているものの、昨年来のわが会派の厳しい指摘を踏まえ、当初には補填債を計上しなかったのか、いずれであるのか。
減収補填債発行の可否を判断する際の基礎的数値の開示と併せ、明らかに願います。
また、今後の税収動向によっては減収補填債の発行を検討せざるを得なくなる状況も予想されます。
知事は、新年度減収補填債の発行可能性についてどのように考えておられるのか、また、補填債を発行する場合も、その基準を透明にする必要があります。
財政当局の裁量に任された収支の帳尻合わせという実務レベルの問題にとどめることはできません。この点についても、知事の見解をお尋ねします。
なお、新年度から、景気対策や環境対策等に配慮して自動車関係諸税の大幅な減税措置が講じられることになっています。
本県の自動車取得税にどの程度の影響が生じているのか、その減収補填対策はどのようになっているのか、尋ねします。
ところで、本県税収見込みの前提となる国の当初予算や地方財政計画における国税・地方税の見積もりは、二一年度の政府経済見通しがその基礎となっています。
しかし、この政府経済見通しの数字には政策効果に期待する底上げが大いに含まれていることが指摘されています。
そうであれば、本県税収が前年度に比して九百一億円の減にとどまる保障はどこにもないといわざるをえません。
最近の客観情勢はすべて、当初計上額の確保が困難で、更なる減収も避けられないことをはっきり示しているのではないでしようか。
本県は、十九、二十年度と連続で三百億円規模の巨額の減額補正を余儀なくされてきたところであります。
二十一年度県税の計上額に大きな穴があ<ことになれば、三年連続の歳入欠陥を引き起こすことになります。
過去そのような例があるでしようか、お尋ねします。仮にそのような事態に立ち至った場合の財政責任も含め、知事は当初計上額の確保についてどのように認識されているのか、また仮に予算割れを引き起こした場合の補填対策をどのように用意されるのか、政治家としての責任ある答弁を求めます。
次に県債のあり方などについてお尋ねします。
当初予算案では、臨時財政対策債を千三十七億円、通常債を千三百九十億円、合わせ二千四百二十七億円発行することとされています。
前年度に比して、臨財債で五百二十四億円増、通常債で五十三億円増となっています。
当初予算から計上する問題を指摘された減収補填債は未計上ですので、県債全体として、四百七十六億円、二十四.四パーセントの大幅増となっています。
こうした措置に伴い、来年三月末には、県債残高も二兆七千四百四十八億円に達するものと予想されています。
新財革プランでは、県債残高を二十一年度末に二兆五千九百五十億円、二十二年度末に二兆五千九百億円、二十三年度末には二兆五千六百五十億円とし、「平成二十二年度には県債残高を減少に転換させる」ことを目標にしています。
これまでも度々指摘してきましたように、新財革プランは、この県債残高を平成二十二年度には減少させる、としたことだけが、ほとんど唯一の具体的な目標でしたが、二十一年度末でも計画との乖離はすでに千四百九十八億円も生じています。
また、財政収支の均衡を図るため、財政調整・減債など三基金から百二十一億円を繰入れています。
三基金も来年三月末には約二百三十二億円、ここ五年間のうちに半分以下に減少しています。
もはやプランの目標達成が不可能なことは明らかであります。
そこで、今議会においても改めて指摘します。「経済成長の見通しが立たない」、「税制の抜本改革を待つ必要がある」等々、できない理由をあげつらうことなく、新たなプラン策定に向けて早急に着手すべきです。
知事の責任ある政治的な決断を求めます。
また併せて、累増する一方の県債管理と公債費の償還について、知事はどのような中長期的な基本方針を持っておられるのか、明快な答弁を求めます。
質問の最後に、「
仕組債(しくみさい)」についてお尋
ねしておきます。
この仕組債なるものは、為替レートや金利変動等で償還条件が変わるため、現在のような金融危機の下では支払い金利が跳ね上がり、自治体が想定以上の財政負担が強いられる危険性も高いと指摘されています。
本県でも既に導入済みとの報道もありますが、本県は発行した経緯があるのでしようか。
知事の具体的な説明を求めます。
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(平成二十一年度福岡県予算案について)
本県経済や雇用の今後の見通しについて
世界経済は、金融危機と実体経済悪化の悪循環により、深刻化しております。
また、我が国においては、このところの急激な輸出不振に対応した在庫調整は進展のきざしを見せておりますが、依然、株価の低迷や貿易赤字の拡大などにより、厳しい状況にあります。
本県におきましても、景気や雇用の悪化はさ
らに進むと考えざるを得ず、いまだ底が見えない状況にあると考えております。
緊急対策による景気・雇用面への効果について
県では、農業や福祉介護分野への人材移転、きめ細かな就職支援、安定して働くことのできる職業能力の向上などに取り組みます。
また、地域商品券による商店街振興など中小企業の重点的支援や、世界で売れる新製品や新市場の開拓に努めるとともに、県の単独公共事業費を大幅に増やすなど公共事業の重点実施に取り組むこととしております。
これらの取り組みにより、介護福祉など人材不足分野での就業が促進されるとともに、中小企業の経営の安定化が進み、雇用確保と景気浮揚に資するものと考えております。
しかし、最近の日本経済は、GDPが年率十二・七パーセント減となるなど、激しい不況局面に突入しており、県の努力だけでは十分に対応できなくなっております。このため、国において追加的な総合経済対策をすみやかに検討すべきと考えております。
自動車産業の現状と今後の展望について
世界経済の急減速により、現在は、自動車産業全体が大幅な減産を余儀なくされており、大変厳しい状況にあると認識しております。
しかし、自動車は、世界で九億台使用されており、その買い替えの基礎的な需要に加えて、今後は、新興国において、モータリゼーションが進展して参ります。
さらに、将来は、電気自動車や水素燃料電池車などの次世代のクルマに対する新たな需要も期待できます。
自動車は、環境や安全、情報面などで、これからも進化を続ける技術革新型の製品であることから、自動車産業は今後も成長する産業であると考えております。
将来の本県経済構造の在り方について
本県経済にとって、高い競争力を持つ自動車や鉄鋼、化学、半導体をはじめとする製造業は、今後も重要であると考えております。
加えて、新ソフトウェア産業、医療・介護、ファッション産業、コンテンツ産業、インターネット通販など新たな分野の育成にも力を入れる必要があります。
そのため、技術革新やブランド化戦略等により新製品・新サービスを開発し、内需の拡大とともに、新しい世界市場の創出を行いながら、所得の高い雇用を生み出す産業の発展・集積を目指してまいる考えであります。
今年度の税収見込みについて
世界経済の減速の影響で法人二税が当初の見込みを二百十億円程度下回ると見込んでおります。
その他の税目におきましても、株価の低迷により、配当所得に係る個人県民税が減収になるなど、ほぼ全ての税目において減収になると見込んでおり、最終的には、県税全体で、三百三十億円程度下回るものと考えております。
平成二十年度の減収補てん債の発行見込みについて
減収補てん債の対象税目である法人事業税等が、平成二十年度の当初予算を約二百億円下回る見込みであり、減収補てん債発行額は、当初予算を約二百億円上回り、三百億円程度となる見込みであります。
来年度の税収見込みについて
今年度の税収動向を基に、地方財政計画や主要な経済指標のほか、法人に対する聞き取り調査など県内の状況をふまえて見込んでおります。
自動車関連製造業の法人事業税で、前年度と比べて七割程度の減を見込んでおりますが、本県の税収構成では製造業の占める割合が比較的小さいため、全国に比べると法人二税の減収は小さなものとなっています。
その他の税目については、ほぼ前年並みが見込まれる地方消費税を除き、株価の低迷の影響を受ける個人県民税など、ほぼすべての税目で前年度当初予算を下回ると見込んでおります。
平成二十一年度当初予算での減収補てん債について
平成二十年度当初予算においては、法人事業税等の見込額が交付税算定上の見込額を百億円程度下回っていたため、この差を埋めるため、やむを得ず減収補てん債を計上したものであります。
平成二十一年度においても、本県の税収見込額は、交付税算定上の見込額を二十億円程度下回っているものの、昨年度のような大幅な乖離は生じておらず、慎重に検討した結果、減収補てん債を平成二十一年度当初予算に計上しないこととしたものであります。
新年度の減収補てん債の発行可能性について
減収補てん債は、地方交付税算定上の見込み額に対して、実際の法人事業税等の税収が下回る場合、その差額を補てんするために設けられている制度であります。
万が一、経済の状況がさらに悪化し、税収が当初予算を下回る見込みとなった場合には、減収補てん債の活用も検討して参ります。
自動車取得税の減税措置の影響について
地方税法上の特例措置による減収の一定割合
は地方交付税で措置されることとなっております。今回の税制改正においては、減税の規模が大きくなることが見込まれましたので、地方六団体として、政府・与党に対し適切な補てんを行うよう緊急要請を行いました。
その結果、特に影響が大きい市町村の減収分については、減収補てん特例交付金による異例の措置が講じられました。
県の税収は三十八億円の減を見込んでおりますが、自動車取得税の約七十五パーセントは市町村への交付金となっておりますので県への実質的な影響は二億円余に留まることになります。
県税収入の確保について
三年連続した県税予算の減額補正については、貿易摩擦や構造不況下にあった昭和五十六年度から昭和五十八年度までにおいて例があります。
平成二十一年度の税収については、県内市町村と連携した対策を強化するなど税収の確保を強力に進めるとともに、雇用創出や地域経済活性化のための施策を積極的に推進し、税源の涵養に努めて参る所存であります。
仮に、税収が当初予算を下回る見込みとなった場合には、減収補てん債の活用を含め対応を検討して参ります。
新たな財革プランの策定について
景気の急激な後退に伴い、地方税収入や地方交付税の原資である国税五税の収入は大幅に落ち込み、臨時財政対策債によって地方の財源不足に対応せざるを得ない状況が、当面、続くものと見込まれます。
また、急速に悪化した本県の雇用・経済情勢に対応するため、公共事業を含む機動的な財政出動のための財源として、県債の活用も必要であります。
このようなことから、新財政構造改革プランに掲げた「県債残高を減少させる」という目標を平成二十二年度に達成することは困難となったと考えております。
新財政構造改革プランは、行政改革と一体となって取り組んでいるものでありますので、人件費の削減、事務事業の見直しなどについては、引き続き取り組んで参ります。
世界経済は景気の底が未だ見えない厳しい状況が続いており、現段階で収支見通しを見直し、新たなプランを策定することは困難であります。
県債償還と中長期的な基本方針について
県債の償還については、公債管理特別会計で、将来の県債償還のための積み立てを確実に行っているところであります。
また、県債残高の約五十五%は交付税等によって償還財源が補てんされるものであり、これが確実に履行されることが重要であると考えております。
さらに、県債の償還のみならず、増大する社会保障費に対応し、中長期的に安定した財政運営を行っていくためには、税財政基盤を強固なものとする必要があります。
このため、新製品・新市場・雇用創出の施策を強力に推進し、税源の涵養を図るとともに、景気回復後の税制抜本改革の中では地方消費税の引き上げを含む地方税財源の充実を求めていく考えであります。
仕組債について
仕組債とは、為替などが一定の条件に達した場合に限り、支払金利が変動する債券であり、市場金利よりも低い金利で発行できることから、平成十七年度から平成十九年度にかけて、七百五十億円を発行しております。
一部で支払金利が変動したものはありますが、全体としては、平成二十年度までに約十一億八千万円の金利負担の軽減効果が上がっております。
しかし、サブプライムローン問題の発生により、金融市場が不安定となったため、平成十九年度後半から発行しておりません。
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次に、雇用問題についてただします。
先にも述べましたように、今日の世界的不況を受けて、今最も深刻な社会問題は雇用不安であります。
本県でも、今年一月時点での有効求人倍率は〇.五三倍、前年の同月と比べて〇.一八ポイントも下がるなど、雇用情勢は急激に悪化しており、自動車や半導体など製造業を中心に派遣社員の雇止めや契約解除が相次いでいます。
特に製造業が集積する北九州地域では、一月時点で企業からの求人数が前年と比べ二割以上も減少している結果、有効求人倍率は、昨年一月が〇.八五倍だったのに対して、今年一月は〇.五七倍と、実に〇.二八ポイントも悪化しています。
現下の景気状況の影響はもちろんのこと、本県の産業構造や就業構造など、様々な要因が考えられるところでありますが、特に今回の景気後退期における特徴として、多数の派遣労働者が、派遣先企業の減産等に伴って派遣契約が解除され、これに伴い派遣会社からも解雇・雇止めされるという、いわゆる派遣切りという社会問題が顕在化したことであります。
そこで、まず知事に伺います。
今後の少子・高齢化の流れの中で、雇用、就業形態の多様化は必要ではありますが、現下の厳しい景気・雇用情勢の中で生じている派遣切り等の問題は看過できないところでもあります。
そこで、知事は現下の厳しい情勢の中、派遣労働を含む雇用の在り方についてどのような認識を持っておられるのか。率直なる見解をお示しください。
次に、前回の雇用情勢悪化に際しては、県が「若年者しごとサポートセンター」を開設して、若者の就職支援に取り組んできたことは県民もよく承知しているところです。
このような行政の手助け、さらには団塊の世代の大量退職といういわゆる二〇〇七年問題もあって、最近の学卒者の就職状況は好転していたところです。
しかしながら、今回の雇用情勢の悪化に伴い求人は一挙に減少し、今年三月に卒業し、社会への第一歩を踏み出す高校生や大学生の就職内定の取消し事案も発生しているようです。
このままでは、再び、未就職のまま卒業する学生やフリーター化する若者の増加が心配、懸念されるところです。
そこで、知事に伺います。
県下における新規学卒者に対する今日までの採用内定取消しの実態を説明いただくとともに、県としてこれにどう対応されてきたのか、また、学生の就職をめぐる実態をどのように認識されているのか。さらに、未就職学生を含めた若者の就職支援に今後どのように取り組んでいかれるのか、見解をお示し願います。
次に、今後は、正社員も含めた雇用調整が心配されるところです。
県においては、既に十二月に設置した「緊急雇用対策本部」における決定事項に基づき、若者、中高年や、再就職重点分野における就職支援に積極的に取り組んでおられることはそれなりに評価するところです。
しかしながら、言うまでもなく、単に職業相談や面談会などの就職支援だけでは勿論不十分であります。
雇用問題の抜本的な解決を図るためには、産業振興、地域振興、景気刺激策が一体的に講じられなければならないことは、私が改めて指摘するまでもないことであります。
雇用創出に関しては、先の二月九日の臨時議会において成立した平成二十年度補正予算に基づき、県庁各部とも雇用創出事業に取り組んでおられると思います。
本県の今後の発展を見据えるならば、安定的な雇用の創出が不可欠であります。その際、北九州地域の求人数が大幅に減少していることをみてもわかるように、一つの産業分野に偏ることは避けるべきです。
多様な産業分野における安定的な雇用の創出が肝要であります。
県の「緊急雇用対策本部」においては、再就職重点分野として福祉・介護や農業などを挙げているようです。これはそれなりに評価しますが、安定的な雇用創出のためには、やはり商工分野が最も可能性を秘めているのではないかと考えます。
その際、先端的な成長産業分野に限らず、雇用の七割を占める中小企業振興と活性化に活路を求めるべきと考えているところであります。
今、必要なことは地場中小企業を潰さないこと。そして雇用をつなぐことであります。
それには、県民の理解・協力が必要です。なぜならば、今日の不況は、単に産業界や行政の問題ではなく、県民が心を一つにしてこの不況対策と取り組まなければならないところにまで立ち至っているからであります。それが現場で戦う中小企業人の企業人魂に火を点すことになり、地場中小の振興につながると確信しています。
要は、県民が心を一つにできる旗が必要であります。今こそ「県中小企業経済危機突破緊急対策本部」などといった分かり易い旗を県民の支援を得て立て、全庁を挙げて取り組むべきではないかと思いますが、知事の所信のほどを披露願います。
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(雇用問題について)
派遣労働を含む雇用の在り方について
昨年来、相次いで派遣労働者の契約解除や雇止めが起こっております。雇用は労働者や家族の生活を支える最も大切なものであり、企業には雇用の維持に向けた最大限の努力をしてもらいたいと考えております。
生活条件に応じて多様な働き方ができる社会を構築するためには、就業形態に関係なく同一労働同一待遇とすることが重要であります。
さらに、昨今の派遣を巡る問題を踏まえると、労働者に支払われる雇用保険や、事業主に支払われる雇用調整助成金の対象範囲の拡大も必要と考えております。
新規学卒者の内定取消しの実態と対応について
内定取消しについては、国の調査では、高校生・大学生とも少ない数字になっております。
しかしながら、学生の方から内定辞退を促す事案もあると承知しており、実態はもう少し深刻なものと懸念しております。
このため、経済団体や大手企業に対して内定取消し防止等の緊急要請を行いました。
また、就職が内定していない高校生を県の非常勤職員として一時採用するとともに、若者を対象とした人材育成、職業相談、合同会社説明会において大学生の就職支援も行っております。
学生の就職の実態について
一月末時点における新規学卒者の就職内定率は、高校生が八十三・三%、大学生が七十一%となっており、昨年同時期と比較してほぼ同様の状況にあります。
しかしながら、今年に入って、高校生や短大生の求人が大幅に減少するなど、景気悪化の影響が出始めております。
世界経済はいまだ底が見えない状況であり、我が国経済も厳しさが増すと見込まれることから、学生の就職状況は、今後さらに厳しくなることを懸念しております。
若者就職支援の今後の取組について
就職が内定していない学生を含めた若者の就職支援につきましては、職業相談を行うほか、企業ニーズに応じた人材育成事業や合同会社説明会を切れ目なく実施していきます。
また、農業、福祉・介護等の再就職重点分野や求人が多く見込まれる分野の求人情報を収集し、若者に情報提供を行ってまいります。
さらに、就職に有利な職業能力を身につけさせるため、高等技術専門校において介護分野やIT分野の委託訓練を大幅に増やします。
全庁を挙げた中小企業等の対策について
現下の厳しい経済情勢を踏まえ、緊急経済対策資金等の融資枠の大幅な拡大により中小企業の円滑な資金調達に支障が生じないよう努めて参ります。
さらに、経営革新・技術革新に対する支援、
インターネット通販への参入拡大、斬新なデザインの商品や包装の開発、中小企業と農林漁業者が共同で取り組む新しい特産品の開発、地域商品券による商店街振興などに取り組むことにより、ご指摘のように全庁をあげて、本県雇用の七割を担う中小企業を重点的に支援して参ります。
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次に農林水産問題について伺います。
先ず冒頭に、農政改革問題について、全国知事会長としての知事の所見をお聞きしておきます。
政府においては、石破農相を農政改革担当相に指名し、米の生産調整や自給率向上など農政の重要課題について、今春にも基本的な方向性を打ち出すこととしております。
こうしたなか、政府で議論されている生産調整については、われわれはこれまで維持を求め、これからも確実な実施を訴えていくつもりであり、そのあり方は、今後の農政の方向を左右する重要な課題と考えます。従ってまず、全国知事会長でもある知事としての毅然とした見解をまず伺っておきます。
次に、もう一つの焦点であります自給率向上策についてであります。
政府・与党としても次年度の予算の中で、二〇〇九年度を「水田フル活用」への転換元年として位置づけ、食糧自給率向上に向けた施策の措置を行っております。
本県においても、この動きを受けて県内農業の体質強化を早急に進めることが不可欠であり、そのための戦略として、生産力の強化や農地の有効活用がまず第一と考えます。
そこで知事にお伺いします。
自給率が低いと叫ばれる中で、今後国全体の自給率・自給力向上を図るには、地方から先ず動くべきであって、そのためには決して高くない、いや、むしろ低いとされる本県としてはまず何をしなければいけないのか、何が出来るのか。全国知事会長として他県に範を垂れる意味からも、本県自給率の実態説明も含め知事の所見をお聞かせください。
また、現在県内の耕作放棄地が七,〇三十ヘクタールあると聞いおります。この面積は、県全体の耕地面積の八パーセントで、行橋市に相当する面積までにもなっており、農地の有効活用からもこの解消が喫緊の課題と考えます。現在、その実態把握の調査が行われていると聞いております。
その結果として農地としての復元が不可能な土地と耕作可能な土地を早急に見極め、復元に向けた支援や、例えば飼料代の低減にもつながる放牧地としての利用などの対策を直ちに進めることが必要ではないでしょうか。
知事にも早急に解消に向けた対策に取り組んでいただきたいが、どのようにお考えなのか伺います。
次に林業問題についてお伺いします。
本年度から導入された森林環境税を活用し、荒廃森林を再生する取り組みがいよいよスタートしました。
しかし、改めて言うまでもありませんが、その財源は県民からの貴重な税金であり、総額約十億円弱に及ぶ財源については、その目的に沿った執行がきちんとなされているかが最も重要であると考えます。
そこで、知事にお伺いします。
この事業を進めるに当たっては、森林環境税がどのように使われ、どれだけの効果をあげるのか、県民が納得する透明性と公益性の高い運営が必要と考えますが、その対策についてお伺いします。
また、今年度はスタートの年であり、県民もその進捗に関心も高いと考えますが、業務は支障なく進めることができたのか、実施状況を踏まえてお答え願います。
農林水産問題の最後に水産問題についてお伺いします。
有明海ののりは、本県漁業生産額の四割を占め、その売り上げが伸びなくては、県水産業の衰退にも繋がる最も重要な品目であります。
しかしながら、同じ有明海で養殖し、全国一、二位の生産量を誇る佐賀、福岡産ののりの間で価格差が広がっていると伝えられことは、大変気がかりなことであります。
ご承知のように、のりの生産枚数は十億枚を超す枚数であり、ちなみに昨年は約十五億八千万枚で、単価が一円でも違えば、売り上げがそのまま十億を超える差となるのであります。
そこで、知事にお伺いします。
この佐賀県との単価の差が出ている原因はどのようなところにあるとお考えでしょうか。
本県漁業にも大きな影響をもたらす問題だけに、今後の販売対策と併せてお答え願います。
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(農林水産問題について)
米の生産調整のあり方について
土地利用型農業の担い手が、将来への展望を持って営農を継続していくためには、経営の柱である米の価格安定が重要であり、生産調整の役割は非常に大きいと考えております。
生産調整を確実に実施するためには、生産調整に参加しない農業者が参加へ転換していく仕組みとなるよう、麦・大豆をはじめとする転作作物に対する助成金など、メリット措置を充実させることが必要と考えております。
食料自給率向上策について
本県の農産物自給率は、生産額ベースで五十一パーセントとなっており、この向上を図るため、今後とも収益性の高い園芸農業を振興するとともに、土地利用型農業では認定農業者など担い手への農作業の集約化による生産の効率化、新たに水田を有効活用した飼料用米の生産拡大などを進めて参ります。
また、新品種・新技術の開発やブランド化を図るとともに、直売所を活用した地産地消の推進などにより、本県農産物の消費拡大にも努めて参ります。
耕作放棄地解消対策の取り組みについて
農業利用を図るべき耕作放棄地につきましては、交付金等を活用して、草刈りや整地などを行い、農地として復元し、担い手への農作業の集約を進めます。
また、中山間地域など集約が難しいところでは、電気牧(ぼく)柵(さく)や給水器等の放牧に必要な機材の整備を進め、放牧地としての利用を図って参ります。
森林環境税による事業の透明性と公益性の確保について
森林環境税は、その使途を明確にするため基金に積み立て、森林の有する公益的機能が十分に発揮できるよう、荒廃した森林の再生などに活用することとしております。
また、外部委員で構成される「事業評価委員会」において事業の審査や評価を行うほか、実績等については、県のホームページや広報誌等を通じて、県民に分かり易く公表しております。
荒廃森林を再生する事業の進捗について
森林を有する市町村の約九割で、現地調査やそれに基づく森林の整備が行われ、荒廃森林の再生に向けた取組が始まっております。
現在、県内各地で約千二百ヘクタールの間伐や広葉樹の植栽のほか、作業路の開設などが実施されており、事業は概ね順調に進んでいると考えております。
佐賀県とのノリ価格差の原因と今後の販売対策について
本県の場合、ノリのブランド化への取り組みが遅れたことが、価格差の主な要因であると考えています。
県としましては、「福岡のり」のブランドを確立するため、協業化による養殖規模の拡大や養殖管理の徹底によって品質の均一化を図るとともに、都市圏でのPR活動を強化しているところであります。
また、共販漁連による入札制度の見直しや直接販売を進め、ノリの価格向上を図っていく考えであります。
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次に教育問題についてであります。
まず、教育振興基本計画についてであります。
国は、昨年七月、教育の振興に関する基本的な方針や施策を盛り込んだ教育振興基本計画を策定しました。
今後十年を見据えた五カ年の計画で、義務教育終了までに、すべての子どもに、自立して社会で生きていく基礎を育てるとともに、社会を支え、発展させ、国際社会をリードする人材を育成することをねらいとしております。
一方、県や市町村も努力義務として、この国の教育振興基本計画を参酌して、地域の実情に応じた教育振興のための基本的な計画を策定することが求められています。
従って、福岡県としても、中長期的な観点から本県教育のあるべき姿を捉えた、独自の教育振興基本計画の策定が求められているものと考えますが、あまり、こうしたことが話題とならないようです。
現状がどうなっているのかを含め、教育長に明確な答弁を求めます。また、教育振興基本計画の策定に当たり、「福岡の教育ビジョン」との関係についてどのようにお考えか併せてお尋ねします。
次に子供の体力問題について質問します。
去る一月二十二日、昨年実施された初の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果が新聞紙上を賑わせました。
そこでは、「子どもの体力は低下している」と大きく取り上げられるとともに、我が福岡県が八種目の実技テストのほとんどで、小・中学生ともに全国平均を下回っているという衝撃的な結果が明らかにされていました。
一昨年から実施されている全国学力テストも全国平均を下回っていることに加えて、体力も他県の後塵を拝している始末では、大阪府の橋下知事の言葉ではありませんが、本当に嘆かわしいことであります。
「一体、福岡県の教育はどうなっているのか、大丈夫か」というのが、多くの県民の率直な印象ではないでしょうか。
そこで教育長にお伺いします。
今回の全国調査の結果について、まずもってどのように受け止めておられるのか、お答えください。
ところで、この体力テストは、実は一部の児童生徒を対象とした抽出方式により昭和三十九年から連綿と行われてきたようです。
そして昭和六十年を境として、全国的に小学生、中学生、高校生ともに体力低下傾向に転じ、現在も歯止めがかからないようです。
また、本県の状況も国と同様であり、長期低落傾向にあると聞いているところです。
我々はこうした体力テストの存在と結果にかかわらず、これまで幾度となく子供たちの体力低下を心配して、県教委をただし、教育長もその都度取組みを約束してきました。
そうした中、本県の子どもの体力が以前よりも低く、かつ他県の子どもよりも低いという今回のテスト結果は、どうにも得心がいかず、県民にも不安を抱かせるものです。
そこで教育長におたずねします。本県の子どもの体力低下の原因、なかんずく他県よりもなぜ低いのか、現在把握するところをお聞かせください。
最後に、今後の体力向上方策についてお伺いします。
しっかりとした原因究明と的を射た効果的対策、これが施策実施の要諦であります。たとえば、新聞紙上では、テスト参加率の高い県の方が体力が高いとの全国傾向を踏まえ「福岡県の参加率の低さ」を問題にしたものがありました。隣県の佐賀や熊本県の参加率がほぼ百パーセントに比べ、本県は六十パーセント台の低さに止まっております。
本県教育関係者の意識の低さについてのそしりは免れません。
なぜ、六十パーセント台にとどまっているのか、その原因等について詳細なる説明を求めます。
また、先の学力テストでは、結果を多面的に検証し、学力向上のための新戦略を策定するなど、教育委員会、学校挙げての体系的な取組方針が示されました。今回の体力テストに関しても同様の取組みが不可欠であります。
今回の体力テスト結果の詳細な分析を速やかに進め、今後に向けて抜本的かつ実効性に富む体力向上施策を急いで確立する必要があります。
今後の体力向上方策についての教育長の答弁を求めるとともに、併せて次回テストでは隣県の佐賀、熊本県と同様、百パーセントの参加を目指すべきでありこのことについても、確固たる見解をお示し願います。
教育問題の最後に、携帯電話の問題についてお伺いします。
近年、携帯電話の急速な普及に伴い、その危険性等も指摘されているところであります。
そのような中、一月三十日に文部科学省から「小中学校においては、学校への携帯電話の持込みについては原則禁止とすべきである。」との通知がなされました。
そこで、今後、県として携帯電話の取り扱いについてどのように取り組んでいくのか、最後に教育長にその方針をただしておきます。
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(教育長答弁)
(教育問題について)
教育振興基本計画の策定について
本県では、従来から毎年度、「福岡県の教育施策」をまとめ、教育の目標や体系的な教育施策と重点的な取組を示してきたところです。
今回の教育基本法の改正に伴い、中長期的な視点に立った教育振興のための基本的な計画を策定するよう要請されています。
このため、本県が進むべき教育の基本的方向性を広く県民や市町村に示し、教育施策を総合的、計画的に遂行することで、より一層効果的に教育改革を推進することができることから、来年度末を目途に教育振興基本計画を策定してまいる所存であります。
教育振興基本計画と福岡の教育ビジョンとの関係について
福岡の教育ビジョンは、福岡がめざす子どもを育成するため、学校を中心として家庭や地域行政が連携・協力しながら、今日の子どもが抱える本質的な課題を解決するためのアクションプランを示す等、本県教育が進むべき方向性を県民の総意として取りまとめたものであります。
したがって、本県の教育振興基本計画については、この福岡の教育ビジョンを土台として、策定する必要があると考えています。
全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について
今回の全国調査において、本県は、実技テストの結果が、小学5年生と中学2年生の両方とも全国平均を下回るという大変憂慮すべきものとなっており、重く受け止めております。
体力は、人間のあらゆる活動の源であり、子どもたちの健やかな成長を支えるとともに、学力や社会性を身に付け、より豊かで充実した生活を送る上で大変重要な基盤であると考えており、今後、危機感をもって、早急に対策を講じていかなければならないと考えております。
本県の子どもの体力低下の原因について
本県では、今回の全国調査において、日常の運動習慣や朝食の摂取状況がいずれも全国平均を下回るとともに、各学校における継続的な体力向上の取組が低調であるとの結果が出ていることから、日常的な運動機会の減少や朝食抜きなどの生活習慣の乱れ等が体力低下の大きな要因であると考えております。
全国調査への本県参加率が低い原因について
県内の各学校における体力向上に向けた取組が必ずしも十分ではなく、その結果、これまで行われてきた体力テストへの取組が、他県に比べて低調であったことが低い参加率の原因であると考えております。
また、四月から七月を実施時期とする今回の全国調査について、本県では、一学期中に運動会を実施している学校が多く、しかも実施通知が三月に行われたため準備期間が短かったという事情もあると考えております。
今後の体力向上方策について
今回の調査結果を重く受け止め、今年度中に、体力向上指導資料を全小学校に配布するとともに、体力テストを活用した継続的な体力向上の取組を盛り込む「体力向上プラン」を、来年度全ての学校で作成することとしております。
また、全国調査への参加についても、全ての学校に実施計画を策定させるとともに、昨年不参加の学校に対する個別の指導を行うよう市町村教育委員会に強力に働きかけるなど、参加率が100%となるよう対策を講じております。
さらに、今後、長期的な視点に立って分析を進め、本県児童生徒の体力向上のための総合的かつ具体的な対策を検討してまいります。
小中学校での携帯電話の取り扱いについて
従来から学校へ不必要な物を持ち込まないよう指導してきたところであります。今回、県としても改めて、携帯電話の校内への持込みを原則禁止し、安全面等で例外的に認める場合も校内での使用を禁止することや、家庭においてのルール等について、市町村・学校に通知したところであり、こうした取組を徹底して参ります。
また、児童生徒に携帯電話等の危険性を理解させることも必要であることから、今後、県内の公立小中学校で、携帯電話等での誹謗中傷やいじめ防止等に関し、必要に応じて専門家も活用しつつ学習活動を進めること等により、情報モラル教育の充実を図り、児童生徒の健全育成に努めます。
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次に、暴力団対策について、お尋ね致します。
本県では、けん銃発砲事件や暴力団同士の抗争事件が、今なお絶えることなく発生しています。
昨年中のけん銃発砲事件は十三件も発生しており、誠に残念なことに、この種のけん銃発砲事件は、五年連続で本県が全国最悪の状況にあるようです。
今年に入ってからも、柳川市内の飲食店内で、客の目の前で引き起こされたけん銃発砲事件は、未だ多くの県民の記憶に新しいところであります。このため県民の不安と恐怖は益々募っているところであります。
この背景には、暴力団対策法にいうところの、いわゆる指定暴力団が本県には全国最多の五団体も存在するという事情もありましょうが、だからといって看過できるという話でないことは論を待ちません。インターネット上で私共福岡県のことが暴力団がらみで揶揄されることもしばしばでありまして、誠に不名誉なことであります。
勿論、行政も住民も手を拱いて、こうした状況を放置しているわけではないでしょう。
県内の市町村レベルでは、久留米市のように住民と自治体が力を合わせて一致協力し、暴力団排除に向けた住民決起大会などの活動を推進し、住民パワーで暴力団事務所を移転させた例を聞かないわけではありません。
また県行政においても、暴力団排除を謳った「福岡県安全・安心まちづくり条例」を制定し、暴力団追放地域決起会議の開催や公共事業からの暴力団排除等の諸対策を推進していることは十分周知しております。
しかしながら、いずれの対策もいまひとつ決定打に欠け、県民が安全、安心を覚えるにはほど遠いように感じられます。
そこでまず、県民がより安全で安心に暮らせる福岡県づくりをめざしている麻生知事に、県行政のトップとして今後の暴力団対策への決意のほどについて伺っておきます。
次に、県警本部長にお尋ね致します。
近年の暴力団の検挙状況はどのようになっているのでしょうか。専従の体制を整えるなどして対策を講じられているようですが、ここ数年の傾向も含めて詳細に説明下さい。
民主主義社会における人権尊重の問題が暴力団にも及び、未だ法律的、条例的にも整理されておらず、このことも取締りの隘路やネックになっているのではないか、こんな気がしてなりません。
専従班など組織は整備されても法律、条例の不備も暴力団対策のネックとなっているという声をしばしば聞かされるためであります。 暴力団対策を講じる上での現状の問題点を説明していただくとともに、併せて、今後、暴力団対策として法律、条例を少々、超越、駆使した、いわば「福岡モデル」的なものが考えられないのか、どうか県警本部の見解をお示し願います。
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(県警本部長答弁)
(暴力団対策について)
暴力団対策への決意について
暴力団対策は、まずは警察の徹底した取締りが重要であり、これまで警察官の増員、装備の充実など警察力の強化に努めて参りました。同時に、行政、事業者、地域住民が一体となって警察と連携協力し、社会から暴力団を排除する活動を推進しております。
今後これに加えて、県民生活の安全に脅威を及ぼす暴力団の活動を徹底的に封じ、壊滅に追い込むため、一層強力に警察が摘発を行えるよう、法的手段の強化が必要であると考えており、このための条例の制定も検討して参る所存であります。
暴力団の検挙状況について
県警察といたしましては、これまでも、平成十八年四月に北九州地区暴力団総合対策現地本部を設置するなどして暴力団に対する取締りを実施しており、昨年は、暴力団構成員約三百八十人、準構成員約八百人の合計約一,百八十人を検挙したところであります。
主な検挙事例としましては、
○道仁会幹部らによる殺人・死体遺棄事件
○工藤會系組長らによる逮捕監禁事件
○工藤會による大量の大麻栽培事件
○外国船舶を利用した覚せい剤約三百キロ大量密輸入事件
など、首領・幹部の検挙や数百億円の資金源を遮断したところであります。
更に、みかじめ料要求等に対する暴力団対策法に基づく中止命令等は、同法施行以来最多となる百八十九件を発出するなど、暴力団の組織基盤に一定の打撃を与えたところであります。
しかしながら、銃器発砲事件の多くは、未だ検挙には至っておらず、また、対立抗争の長期化など、暴力団情勢は、極めて厳しく、憂慮すべき状況にあると受け止めております。
現状における問題点と今後の対策について
暴力団対策を講ずる上での問題点でありますが、
○暴力団が組織防衛や犯罪の証拠隠滅を徹底しており、組織の中枢に打撃を与える摘発が不十分であること
○ 未だ暴力団を利用したり、資金を提供している事業者等が存在していること
等が挙げられます。
特に、暴力団に荷担する事業者につきましては、あらゆる法令を駆使した取締りを行うとともに、公共工事等からの排除を推進しているところでありますが、こうした事業者が未だなくならないというのが実情であります。
県警察といたしましては、このような問題点を打開するために、抜本的な対策を講ずる必要性があると認識しており、現在、大きく次の二つの対策を進めることとしております。
一つは、暴力団の取締りを一層強化するための県警察の組織・体制の整備、もう一つは、暴力団排除に関する新たな条例の検討であります。
組織・体制の整備につきましては、まずは、この春の人事異動で、北九州地区の捜査体制を一新し、一三五人体制の特別捜査室を設置して、暴力団の組織中枢に迫る捜査を強力に推進することとしており、今後更に、抜本的な組織改正を検討してまいります。
新たな条例につきましては、例えば、暴力団に荷担する事業者の規制や暴力団の反社会的な活動に対する規制などについて、検討を進めたいと考えております。
県警察といたしましては、このような厳しい暴力団情勢を踏まえ、本年、「暴力団犯罪の撲滅」を最重点目標に掲げ、全職員が一丸となって、暴力団総合対策を強力に推進してまいる所存であります。
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さて私はこの代表質問の最後に、昨年の二月議会でもわが会派が取り上げましたコンベンションの振興と、コンベンション向け大型施設の建設について正しておきます。
世界におけるコンベンション施設の状況をみますと、欧米では、数多くの大型施設が整備され、コンベンションの開催を産業・文化の振興や経済の活性化に結びつけております。 また、アジアにおいても、近年次々と大型施設が整備され、国や地域発展の原動力となっていると、伝え聞いているところであります。
コンベンションに、極めて高い経済波及効果があり、国内外から多くの人々が訪れることから、観光振興の面でも大きな効果が生まれると期待されているからに他なりません。
こうした観点から本県をみてみますと、残念な状況にあると言わざるを得ません。
一昨年開催された福岡モーターショーの状況をみてもわかるように、現状はマリンメッセ、国際センター、国際会議場という県内最大規模の三施設を使用してもスペースが不足し、混雑を避けられないという大変貧弱な状況にある、と指摘せざるを得ないのであります。
こうしたことを考慮して、福岡県政のなかでも、コンベンションの重要性を十分認識し、専門家による研究会を立ち上げ、鋭意検討が進められていると聞き、高く評価しているところであります。
アジアの交流拠点として成長を続ける本県にとって、国際コンベンション施設の整備は、都市戦略上欠くべからざるものであるという認識で我々と知事が一致していることは極めて心強いところであります。
ところで、コンベンションの振興は、わが県だけのことではなく、日本が経済大国として維持・発展していくうえで大変重要なものとなります。従いまして、その拠点となる大型施設の整備は、まさに国家的視点で取り組むに相応しいプロジェクトと、捉えてもなんら不思議ではないと考えているところです。
幸い本県には、県民挙げて取組み、九州各県の理解と支援を得て誘致した国家プロジェクトがございます。私の地元に実現した九州国立博物館であり、私たちはこうした国家プロジェクトの誘致と実現に実績があり、ノウハウが県民のなかに蓄積されているのであります。
そこで、「夢よもう一度」ではありませんが、この大型コンベンションプロジェクトの実現にあたっては、九州国立博物館の誘致にならって、九州各県の理解と支援も得て、国家的プロジェクトとして推進を目指していくことが大切だと考えています。
このようなことから我々は麻生知事におかれましては、大型国際コンベンション施設の整備を国に提案し、実現を求めて早急に動かれるべきと考えますが、抱負や見解のほどをお尋ねします。 |
国立国際コンベンション施設整備の国への提案について
見本市や国際会議など大規模コンベンションは、大きな経済波及効果に加え、産業や学術、文化の振興に大きく貢献することから、その振興を図ることはわが国が将来にわたって世界をリードしていく上で重要です。
このため、九州国立博物館の誘致の経験を踏まえ、国家的視野に立った国による施設整備の必要性と、本県がアジアに近く、交通の利便性や優れた産業集積を持つなど、アジアの交流拠点としてコンベンションに最も適した地域であることを議会と一体となって国に対して提案してまいりたいと考えております。
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