|
自民党県議団質問内容
知事の政治姿勢として、最初に県の行政改革の柱ともいうべき県立病院改革、つまりは民営化問題についてただしておきます。 |
麻生渡知事 答弁要旨 早々と身分保障を打ち出した理由について 今回の県立病院改革は、県が進める行政改革の中で最も重要な柱であり、昨年十月に抜本的な改革計画を策定し、その実現に向けて鋭意取り組んできているところであります。 この取組みにあたって、職員の身分保障は重要な問題でありますが、このような身分に関わる問題が明らかになった時点で、職員の間に不安がはしり、公務能率の低下やひいては住民に対する医療サービスの低下を来すおそれも考えられます。 このため、職員の間での不安を払拭するため一般的に公務員の身分保障が厚くなっていることも勘案して、早い時期に身分保障を出したものです派遣出向の期間と終了後の措置について 派遣の期間については、移譲先との協議にもよりますが、県としては、概ね五年間程度を計画しております。 この間、派遣された職員については、派遣先で退職する者や、他の県立病院へ異動する者が順次出てくると予想されますが、派遣期間経過後は、残った職員について、その専門能力ができるだけ活かせるような組織に復帰させたいと考えております。 民間人と公務員の混在による地域医療への影響について 民間人と公務員とでは、これまでの職場環境の違いはございますが、医療人としての経験や自負心、地域医療に対する情熱や思いは同様であると考えております。 したがいまして、新しい職場でも両者が十分に意思疎通を図りながら、大いに地域医療に貢献できるものと期待しております。 身分保障についての交渉経過と今後の方針について これまで、県立病院改革の基本方針や身分保障のあり方について職員団体と協議を行ってまいりました。 今後は、移譲先選定後、関係職員に対して、勤務労働条件を含む説明会を行い、退職者の募集や派遣出向者の選定を進めてまいりたいと考えております。 移譲先の選定等について 移譲先の選定につきましては、今議会で提案しております関係条例の成立後、速やかに県内の法人の中から移譲先を募り、移譲先等検討委員会からの基本的考え方や評価項目などの意見を踏まえて選定作業を進める考えであります。 朝倉、遠賀の両病院については八月中を目処に移譲先を決定したいと考えており、その後、職員に対する意向調査や移譲先団体への事務引継を行い、十七年春の円滑な移譲を目指す所存であります。 移譲先の対象範囲と資産の割引等について 移譲先の対象範囲につきましては、移譲先等検討委員会の意見を踏まえ、地域住民が安心できるような地域医療に貢献する質の高い医療の提供と、安定した経営が期待できる移譲先を選定する観点から設定したところであります。 また、移譲が円滑に行われ、地域医療が安定的に確保されるよう、資産の割引措置などを設けるとともに、施設の整備費や移行期の運営費に対する一部補助といった支援措置を講じて参る所存であります。 指定管理者の選定について 太宰府病院の指定管理者につきましては、今議会で提案しております条例の成立後速やかに対象法人の中から指定管理者を募り、選定作業を行い、九月議会で議決をいただけるよう進めて参りたいと考えております。 県と指定管理者との役割分担について 県は、施設の設置や整備、病院が担う医療機能等について、開設者として責任を持つことになります。
一方、指定管理者は診療業務、職員確保などの病院運営、施設・設備等の維持管理、病院の使用料・手数料の徴収等の業務を行うこととなります。 |
次に同じく行革関連で、職員人件費問題についてであります。 |
2 人件費問題 本県職員の給与水準について 本県の職員の状況につきまして、係長級については、全国の平均より若干高い割合となっていますが、補佐級では、低く、全体として役付職員の割合は全国平均以下となっております。 また、本県の平成十五年度のラスパイレス指数は、一般行政職が103.3、現業職員は125.3となっております。 給与昇進運用の見直しについて 職員の給与につきましては、条例で定める級別標準職務表に基づき、適正に格付けを行い、運用を行っているところであります。 したがって、職員の給与制度上の格付けの問題と、今回財政事情により新たに取り組む緊急的な人件費抑制策とは別個のものと考えております。 地方公務員の給与に地域差を設けることについて 地方公務員の給与については、地域の実情が十分に反映されていないということから、そのあり方について、現在、国において人事委員会の機能強化や民間企業調査の対象範囲の論議がなされており、この動きを注視しながら今後考えてまいりたいと考えております。
|
次に、先の議会に引き続き、危機管理体制の確立についてであります。 |
3 危機管理問題 自衛隊OB等の採用について 県と自衛隊との関係につきましては、これまでに、組織と組織という形で連携・協力体制を作り上げていくという考え方をとってきております。 具体的には自衛隊・警察・消防等関係主要機関とのトップ会談及び実務者協議を定期的に開くことにより、緊急時に必要となる情報の交換を行い、また、迅速な派遣の実現等についての協議を行ってまいりました。 今後とも、組織対組織の関係をさらに整備していくことで対応して参りたいと考えております。 したがいまして、自衛隊出身のOBの方を採用することは、考えておりません。
危機管理体制の充実強化について 県といたしましては、災害やテロに対する危機管理面を強化するため、本年4月、消防防災課に担当参事を設置するとともに、防災担当の組織を強化したところであります。 また、国会審議中の国民保護法案に基づき、武力攻撃事態等において県が重要な役割を求められることに加え、SARS、鳥インフルエンザなど、生活に重大な影響を及ぼす事象が生じてきております。 県といたしましては、これらの問題に迅速かつ的確に対処することが、県民の安全安心のために重要であると認識いたしております。 したがいまして、速やかに消防防災課をベースに組織を拡充し、一元的かつ効率的な危機管理体制を構築して参りたいと考えております。
|
知事の政治姿勢としての四点目は、いわゆる産廃税の創設についてであります。 |
4 産廃税など 産廃税の税収見込みについて 平成十四年度における産業廃棄物の処理実績を基礎に試算しますと、約六億円の税収となります。 今後、排出事業者や処理業者について調査を行い、産業廃棄物処理の動向を把握した上で、平成十七年度の税収見込みを行ってまいりたいと考えております。 税収使途について 使途につきましては、排出事業者等が行う産業廃棄物の排出抑制やリサイクルなどの活動に対する助成のほか、不法投棄の防止対策等、産業廃棄物の適正処理体制の整備に関する施策に活用したいと考えております。また、アジアも視野に入れた環境を担う人材育成等の費用に充てることも検討しております。 市町村への支援につきましては、処分場周辺の環境調査などが市町村によって行われておりますので、地域の実情に応じた支援策について検討していきたいと考えております。 九州地方知事会会長として産廃税をまとめたことに対する見解について 税制導入による排出抑制とリサイクル促進の政策効果を確保するためには、広域的に導入することが重要であり、先の九州地方知事会において、目的を同じくする税制の共同導入を通して、九州は一つという考え方のもと、環境政策を推進していくことについて合意したことに大きな意義があるものと考えております。 各県においては、産業廃棄物の処理状況や実態が異なっていることから、制定される税制につきましてある程度の違いが出てくるものと認識しております。 なお、熊本県につきましては、現在、税制度について検討がなされているところであります。 産廃税の創設に伴う不法投棄や産業増大の懸案について 不法投棄については一時的な増加も懸念されることから、監視体制の強化が必要であると考えております。 現在、産業廃棄物の監視強化として、警察と共同で産業廃棄物運搬車両検問やスカイパトロールの実施、不法投棄の未然防止に向けたGPSとICタグを利用した新たなシステムの普及事業に取り組んでおります。今後さらに、関係機関と連携して不法投棄の防止対策の充実強化に努めてまいります。 また、税制導入の効果につきましては、先行する県にみられますように、排出抑制が図られるものと考えております。 産廃問題に対する取組みについて 産業廃棄物税の導入は、経済的手法として事業活動全般にわたる排出抑制やリサイクル促進に効果を持つものと考えております。 また、これまでの産業廃棄物対策に加え、税収を活用して排出抑制やリサイクルの一層の促進、不法投棄や不適正処理を防止するための適正処理体制の整備に積極的に取り組み、産業廃棄物行政の施策の充実に努めてまいります。 不用となった焼却炉について 平成十四年十二月のダイオキシン類規制強化に伴い、休廃止した廃棄物焼却施設につきましては、休止届及び廃止届の提出時に、焼却灰の適切な取扱いについて設置者を指導しております。 また、廃止した焼却炉の解体・撤去につきましては、設置者自らの責任において、速やかに行うよう指導しているところであります。
|
それでは次に農政問題に移ります。 |
[農政問題について] 本県園芸農業の変化について 高収益型園芸事業の実施により、ハウスや省力機械が導入され、高品質な野菜や果実の生産が拡大するなど、園芸への転換が進んだことにより、平成10年頃までは産出額も伸びて参りました。 しかしながら、その後、輸入農産物の増加により、野菜や果実の価格が低下し、園芸全体の産出額及び農家所得は減少しておりますが、大部分の事業実施者において販売金額や所得が伸びており、事業の成果は着実に現れていると考えております。 本県園芸品目の評価について いちごを始めとする本県の主要な品目につきましては、積極的に新品種開発や品質管理、ブランド化対策を講じてきた結果、首都圏においては、他県産と比較し、一割程度高値で取り引きされています。 しかしながら、全国的に価格が低下してきているため、更なるコスト削減はもとより、新たな品種や糖度を高める栽培を導入するなど付加価値を高めることにより、競争力のある産地づくりを進めて参ります。 来年度以降の高収益型園芸事業について 活力ある高収益型園芸産地育成事業につきましては、本年度その成果を検証し、事業の継続、再構築等の見直しを行うこととしたこともあり、予算額を大きく上回る要望が出されております。 今後とも、意欲的な農業者の取り組みを重点的に支援するには、来年度以降、どのような助成措置が適当か、検討して参ります。 本年度の高収益型園芸事業について 高収益型園芸事業については、本年度、事業要望が非常に多いこともあり、地域間、品目間のバランス、市町村の意見などを考慮し採択しており、事業を見送らざるを得ない農業者については、事業計画や経営計画を十分指導し、来年度以降、どのような助成措置が適当か検討して参ります。
|
次に教育問題に移りますが、まず最初に、先に長崎県佐世保市における小学六年生による痛ましい女子児童殺人事件についてであります。 |
(教育長答弁) 佐世保事件に対する決意について 痛ましい事件であり、大きな衝撃を受けているところであります。 今回の事件につきましては、情報環境・人間関係能力等、様々な要因が指摘されていますが、一番大切なことは、命は再生できない、誰にとっても掛け替えのないものであるという認識を全ての児童生徒が具体的な体験を通して体得することであると考えております。 このため、家庭や地域と連携した心の教育の充実や児童生徒の小さな変化を見逃さない指導体制の確立等を、県教育委員会の緊急かつ最重要課題として、市町村教育委員会と一体となって、取り組んで参る所存です。 学力実態調査結果に対する見解について 今回の学力実態調査の結果については、小学校六年生で概ね良好でありますが、中学校三年生では理科・社会で課題があり、全体的に見ると、基礎的・基本的な内容や学び型の定着が一層、必要であると判断しております。 現在、各学校においては、調査報告書を綿密に分析し、自校の学力向上の取組へ反映させるなど、各教師の自覚を求めているところです。 今後は、調査結果に基づく指導資料を作成・配布し、指導方法工夫改善による分かる授業の一層の推進や授業力量を高める教員研修の充実を図るとともに、統一学力テスト等の学力向上に係る事業の積極的な推進に努めて参ります。 学校での学力向上の組織的取組について 県教育委員会では、これまでも、学力向上に向けた取組を、学校全体で組織的・計画的に行うよう指導に努めてきたところであります。 しかしながら、ご指摘のように、今回の調査において、児童生徒が効果を実感している習熟度別学習や少人数指導等の取組が、教科により不十分であるとの結果を得ています。 今後は、今回の調査結果を、校長をはじめ全職員が真摯に受け止め、児童生徒の実態に即した発展・補充学習の設定や指導方法工夫改善に係る校内体制の整備等、学力向上プランに即した組織的取組の強化について指導して参ります。 学力向上における家庭教育との連携について ご指摘のように、今回の調査結果において、正答率の高い児童生徒は、「本をよく読む」や「家庭学習にも積極的」等の傾向が見られ、学力と家庭における学習・生活習慣の育成等との相関が明らかになっております。 県教育委員会では、家庭での学習・生活習慣の重要性について、保護者にも理解していただくパンフレットの作成・配布を行うとともに、すべての親が集まる学校行事等の機会を活用した子育て支援講座を学校・PTAと連携して開設するなど、効果的な事業の推進を通して、学校と家庭の連携強化に努めて参ります。 不適格教員への対応について 指導力等に問題のある教員への対応については、昨年末に、判定基準や手続を定めた要綱を策定し、県下の公立学校に周知の上、現在事業の本格的実施に取り組んでいるところであります。 具体的には、昨年度末で、自主退職三名、本年度に向けて、研修継続七名、職場復帰五名、新規研修五名、合わせて二十名の判定と処遇の決定を行ったところであります。 今後とも、適正な手続の下、対象教員の認定と適切な処遇を行うとともに、一人一人の課題に応じたより効果的な研修プログラムを策定・実施し、実効ある制度の運用に努めてまいる所存であります。 精神性疾患による休職者対策について 精神性疾患による病気休職者の増加は、全国的な傾向であり、本県に特有の原因や問題があるとは考えておりませんが、その背景には、職場や家庭の人間関係をはじめとするさまざまなストレスの増加があると考えております。 このため、県教育委員会といたしましては、その予防策として教職員の心の悩みの軽減や解消のためメンタルヘルス事業を逐次充実するとともに、休職に至った教職員に対しては、平成十年度から、円滑な職場復帰を支援するための職場復帰訓練を実施しているところでございます。 今後とも実態の把握と分析に努めつつ、こうした事業の一層の充実を図り、精神性疾患による休職者の減少の努めて参る考えであります。 (総務部長答弁) 知事部局における精神疾患による休職について
知事部局において、平成十五年度に病気により休職した者は、四十八人であります。 |
それでは、次に警察問題に移ります。 |
(警察本部長答弁) [警察問題について] 今後の暴力犯罪対策について まず、暴力犯罪根絶に向けての取り組みについてでありますが、県警察では、これまでも暴力犯罪根絶のため、総力を結集した取締りをはじめ、行政、地域住民等と連携した暴力団排除活動を推進しているところであります。 特に、北九州地区における工藤會対策につきましては、昨年八月、小倉北区内において発生した手榴弾投てき事件以降、これまでに十一回におよぶ集中取締りを実施し、組長を含む幹部等263人を検挙するなど、相当の成果を収めているところであります。 しかしながら、昨年は二件であったけん銃等の発砲事件が、本年度に入り、北九州市議会議長や県議会議員宅に対する発砲事件をはじめ、既に、十一件発生しております。 この種事件は、一般県民の生命が危険に晒される極めて悪質、かつ、許し難い犯罪であることから、県警察と致しましては、これら発砲事件の検挙をもとより、銃器犯罪の根絶を目指して、暴力団関係者等が隠匿所持するけん銃等の徹底押収に努めているところであります。 このような厳しい状況下におきまして、先程の県議会における発砲事件を始めとする暴力犯罪の根絶に関する決議や知事からも暴力団対策への特段の予算措置をいただいており、県警察と致しまして、誠に心強い限りであります。 これを受けて、暴力犯罪の根絶に向け、県警察、行政機関、地域住民が一体となった諸対策をより一層強力に推進していくことを、ここで決意表明させていただきます。 県民の信頼回復について 次に、今回の不適正経理の問題と信頼回復についてお答えします。
銃器対策課については、これまでの調査において、実際の執行と異なる会計書類が作成され、捜査報償費の一部が捜査員らの激励費等に使用されていたことが明らかになっております。 具体的な調査内容及び返還方法とその期限について 次に銃器対策課に関する監査委員の勧告につきましては、重く受け止め、真摯に対応して参りたいと考えております。 具体的な調査状況についてでありますが、平成十年度、平成十一年度に執行された捜査報償費について、捜査員から
○支払い状況や対象となった事件の捜査状況の再聴取 この調査結果を踏まえて早期に返還金額、返還方法等を確定し、勧告に定められた期限までに返還したいと考えております。 第三者の参加による調査及び本調査の結果とその対応策について 次に調査に第三者を加えることについてでありますが、捜査報償費等の執行は、個別具体的な事件捜査及び個人情報にかかわることであり、外部の方による調査は、そぐわないと考えております。 本件につきましては、公安委員会から監察の指示がありましたので、県民の良識の代表である委員によって構成された公安委員会の管理の下に厳正な調査を行い、「自らの意志で自ら正す」ことを堅く決意しているところであります。 次に現在実施しております、全所属に対する平成十年度から平成十五年度までの捜査報償費、旅費、交際費及び食料費の執行についての調査につきましては、本年末までに調査結果及び改善策について、県議会を通じて県民の皆様に報告したいと考えております。 基本経費の性質と本調査の進捗状況について 次に基本経費についてでありますが、現在、「基本経費」なるものは存在しておりません。
これまでの調査により、当時、本部会計課が捜査報償費交付時に銃器対策課を含めた本部の一部所属から、捜査報償費の一部を基本経費として受領し、特捜本部への激励費等に使用されていたことが判明しております。 捜査報償費の構造的要因と今後の制度的改善について 最後に改善策についてでありますが、今回の捜査報償費の不適正執行は、
○幹部及び捜査員の会計経理に対する認識の甘さがあった これらの反省を踏まえ、当面、
○内部監査を強化し、監査結果については公安委員会に報告する。
|