YOMODA YASHIKI





◆鮫先輩リクエストのお風呂エッチです(笑)。
夏だからめっちゃ甘いエロを書こう!と思ったんですが、ただの暑苦しい色ボケバカップルになってしまいました…あれれ?


Buddy Soap TimeR18






「はーーーっ、極楽、極楽v」
なみなみと湯が張られたバスタブにざぶんと入り、虎徹さんは気持ち良さそうな声を上げた。
しかし、極楽…ヘブン?湯船に入ると天国に行けるのだろうか?相変わらずオリエンタルタウン出身の虎徹さんの言動は不可解だ。
「あー…、たまらんなー。熱い湯に浸かると生きてるって気がする……はぁー…」
その吐息のような「あー」とか「はぁー」が、やけにセクシーなんですが、わざとなんですか、虎徹さん。
僕はシャワーブースで自分の身体を洗いながら、ちらちらと虎徹さんの裸体を盗み見ているのだが、この人はそんな僕の様子には少しも気がついていないようだ。気持ち良さそうに大きく伸びをして、しばらくすると陽気な歌まで唄いだした。
「いーいゆっだっな〜♪あははーん♪」
虎徹さんがご機嫌なのはけっこうなことだが、『あははん』という歌詞は、少々いただけない気がする。虎徹さんの「あはん」なんて声、ベッドの中でも聞いたことがないのに。
そんな埒もないことを考えている僕にはおかまいなしに、虎徹さんは湯船にどっぷりと浸かったまま、自由に入浴を楽しんでいる。
子供のようにちゃぷちゃぷ音をたてて楽しそうに歌っているなと思ったら、そのうち、スラリとした長い脚を惜しげもなくバスタブの外に放り出してリズムをとりはじめた。その足がまるで挑発しているように見えるのは、僕の目がおかしいのだろうか?
最近の僕は、虎徹さんを見ていると何でもそっち方面に結びつけてしまうようで、虎徹さんによく「まあ仕方ないわなー、エッチ覚えたてだと、したくてたまんねえよなー。わかる、わかるぞ、バニーちゃん」と、からかわれてしまうのだ。
しかし、僕は十代でちゃんと童貞を卒業しているし、二十代半ばの男をつかまえて、それはずいぶんひどい言い草だと思う。
だが、考えてみればたしかに、僕が心の底から好きになった相手とSEXしたのは虎徹さんが初めてなのだから、そういう意味では『えっち覚えたて』なのかもしれない。

昔、数人の女性と経験があったといっても、それは僕の方にあまり感情のない浅い関係だったし、以前の僕は性に対してほとんど興味がなかった。
つきあっている相手に誘われれば、ここで断るのは失礼だろうと思って応えていたが、考えてみたら僕の方から積極的に迫ったことなど一度もない。
それに、SEXすればそれなりに気持ちが良くすっきりはしたけれど、次にまたしたいと思うこともなかった。
どの相手からも若いのにとても淡泊な人間…いわゆる『草食系男子』だと思われていたようだ。そのことを虎徹さんに話すと「うっそ…!」と、ものすごい表情で驚かれたが、それは事実だ。
そのうち誰か特定の女性とつきあうことすら面倒になって、何日か溜まって下半身が重くなれば適当に一人で抜いて処理するようになった。
そんな風に性的な興味がほとんどなかった僕に、革命的な衝撃を与えたのが虎徹さんだ。
好きだと気づく前に、虎徹さんの無自覚な色気に参ってしまい、押し倒したい衝動にかられて初めて自分の恋心を自覚するという、これまでには考えられないことが僕の中でおこった。
悩んだ末、それが恋だと自分の気持ちを認めた僕は、終始テンパりながらも、ひたすら情熱だけで押しまくった。
いくら必死だったとはいえ、恋愛経験の少ない僕が、十歳以上年上の虎徹さんの心を捕らえることができたのは、奇跡に近いことだと思っている。
ようやく僕の想いに応えてくれた虎徹さんと、初めて身体を重ねた時の快感は、言葉では言い表せないほど素晴らしいものだった。
それまでのSEXなんて、まったくの子供だましだった。好きな人と裸で抱き合うだけで、心臓が飛び出てしまいそうになり、気持ちがいいのに苦しいだなんて、以前の僕には想像もつかなかった。
本当の「快感」が、どういうものだったのか、僕は虎徹さんから教えてもらったのだ。
それから虎徹さんと何度も肌を合わせているが、回数をこなせば徐々に慣れると思っていたのに、すればすれほど病みつきになっていくのはどういうことなのだろう?
「明日に響くからこれ以上は駄目だ」と止めてもらわないと、虎徹さんを壊してしまいそうなほど貪ってしまうなんて、過去の自分からは想像もできない。「淡泊」とか「クール」とか言われ続けた僕が、人間変われば変わるものだ。
冷静に考えると今の僕の性欲は、少しばかり異常なのかもしれないが、それもすべてこの魅力的すぎる虎徹さんのせいだと僕は思っている。

「はー、びばのんの♪」
「なんですか、その言葉。何の呪文なんですか?」
「ん〜?」
虎徹さんが僕の方に身を乗り出すと、ざぶりと熱いお湯がバスタブから溢れ、シャワーで髪を洗っている僕の足元まで流れてきた。
日頃何でももったいないと言う虎徹さんだが、水だのお湯だのは惜しげもなくふんだんに使う癖がある。これもオリエンタル流なのだろう。オリエンタルタウンは、日本に良く似て水が豊富な土地柄なのだ。
「呪文〜?こりゃ歌の合いの手だよ。でもそうだな、ビバノンノってどんな意味なんだろなあ?」
「僕に聞かないでくださいよ。あなた、意味もわからず歌っていたんですか?」
呆れる。だが、実はそんなところも嫌いじゃない。
「いいじゃねえか、意味くらい。きっと気持ちいいってことだろ」
「いいかげんだな…。その歌はオリエンタルの?」
「ああ、風呂に入ってる時に歌う歌はこれって昔から決まってんだよ。頭にタオルとかのっけてな。なんか元は日本の古い流行歌らしいぞ」
虎徹さんの説明ではほとんど意味がわからないが、ずいぶんとご機嫌なのでよしとしよう。
やっぱ定番通りにしとくかと、いそいそと濡れたタオルを折って頭に乗せたり、音程の外れた口笛を吹いたりするのは、おそらくオリエンタルタウンの中でも、中年のおじさんの行動だろうと思われる。
そういう品のない振る舞いは決してほめられたものではないのに、僕の目にはとても可愛く映るのだから、もう末期なのかもしれない。

僕は自分の身体を洗い終わると、内心ドキドキしながら、不自然にならないようシャンプーとコンディショナーを持って、虎徹さんの頭の方に移動した。
今日の僕は、密かに計画を立てていたのだ。
これは、それのまず第一段階。
「虎徹さん、髪、洗ってあげますね」
「ええ?いーよ、べつに。バニーは洗い終わったんだろ?先上がっていいぞ?」
「あなたの髪を洗ってみたいんです。いいでしょう?」
しつこく食い下がる僕の顔を見上げて、虎徹さんはくすっと笑った。
「バニーちゃんは、そんなことが『したいこと』なわけ?」
「そうです。僕、これまで人の髪なんて洗ったことないですから」
「あー、まぁそうだろうなぁ。普通、バニーくらいの年齢の男なら」
その言い方は、虎徹さんは経験済みということなのだろうか?
亡き奥さんか、もしかすると奥さんの前にそんなことを誰かにしてあげたのかもしれない。
気になったので、ここは素直に尋ねてみた。
「虎徹さんは、誰かの髪を洗ったことがあるんですか?」
「あるよー、楓。ちっちゃい時は、ずっと一緒に風呂に入ってたからな。
シャンプーする時、シャンプーハットしてんのに目をぎゅっとつぶってな、可愛いったらなかったぞ」
柔らかな幸せそうな顔で虎徹さんが笑う。
なるほど、納得の回答だ。思わずホッとした自分に苦笑する。
正直、虎徹さんが奥さんや他の人の髪を洗っている様子は、あまり想像したいものではなかった。相変わらず僕は心が狭い。
「虎徹さんもぎゅっとしていいんですよ?」
ばか言うなーと楽しそうに笑う虎徹さんが可愛い。
僕は虎徹さんの髪をお湯で丁寧にゆすいだ後、よく泡立てたシャンプーで髪全体を包み込んだ。そうして、ゆっくりと撫でるように髪と頭皮を優しく洗う。
「ん……気持ちいいな、それ」
「それは良かった」
虎徹さんの堅めの髪の毛が指の間をすり抜けるのが心地いい。
人の髪を洗うことが、こんなに楽しいことだったなんて知らなかった。もちろんその相手が、こんなにも愛しい人だからだろうけど。
虎徹さんは上を向いたまま、目をつぶって僕にされるがままになっている。
「バニーちゃんは、シャンプーもすっげ上手いのな…」
ひどく気持ちよさそうな顔だ。
撫でられてゴロゴロ喉を鳴らしている猫みたいだ。大きな虎猫。この人が本当に僕のペットなら、甘やかして甘やかして、一日中撫でて過ごすのに。
虎徹さんの身体に目をやると、滑らかな肌に残る無数の傷跡が眼に映り、そんなことは一生無理だと思い知らされるような気がしたが、それ以上暗いことを考えるのはやめた。
僕もこの人もヒーローだ。互いにいつ何があるかわからない身の上だ。だからこそ、こんな二人きりでいられる穏やかな時間を、思い切り満喫しなければならないのだ。
僕は虎徹さんの髪を綺麗に洗い流した。楽しいシャンプータイムはこれで終了だ。
「はい、終わりましたよ、虎徹さん」
「ありがと、バニーちゃん。気持ち良かった」
虎徹さんは嬉しそうな顔で微笑んでくれた。今日の虎徹さんはとても機嫌がいい。
よし、これなら最後まで行けそうだと、僕は心の中でガッツポーズをとった。
実は僕には前々から夢があったのだ。

好きな相手と結ばれたなら、きっと誰もが一度は思うだろう。
【BATHROOM SEX】をしてみたいと…!

今がそのチャンスだ。
僕はそれを実行するために、慣れないお湯に日頃から浸かるようにして、少しずつ身体を慣らし、湯あたりしないよう鍛えていたのだ。
何事も初めてのことなら万全の準備が必要だし、次へとつなげたければ、初回の失敗は許されない。
ここでは関係ないが、僕が虎徹さんに内緒で勉強していた日本語の通信教育は順調に進み、今では日常会話程度ならできるようになっている。虎徹さんのことならどんな努力も惜しまない、それがバーナビー・ブルックス・Jr.なのだ。
僕はおもむろにバスタブのお湯の温度を確認して、蛇口をひねった。そうして、なるべくなんでもない風を装って声をかける。
「僕も一緒に湯船に入りたいから、お水を入れますね」
「え?お湯ぬるくしちゃうの?俺、熱いのが好きなのに」
「こんなのに入ったら、僕がのぼせてしまいます」
「だったら俺、もう出るから…」
「僕は、虎徹さんと一緒に入りたいんです。
今日、約束しましたよね?今晩は僕の言う通りにしてくれるって」
そう、僕はこのお風呂エッチを実行するために、ちゃんと保険をかけていたのだ。
『虎徹さんが溜めた提出書類のお手伝い』
どれも期限が間近に迫ったものばかりで、さすがの僕も自分の仕事を終えた後、百枚以上の書類を処理するには骨が折れた。
こうして虎徹さんに大きな貸しをつくり、その見返りに今晩この人を自由にする権利を得ていたのだ。
一緒のお風呂に入ることをすんなりOKしてくれたのも、そういう経緯があったからだ。
「……わかったよ。でも、一緒に入るだけだかんな」
「一緒に入るだけですよ。それ以上、僕が何かするとでも?」
にっこり僕が笑うと、ひくっと虎徹さんの頬がひきつった。
あ、これはまた、虎徹さんがよく言う『胡散臭い顔』で笑ってしまったのかな?
この前、「お前がそういう顔して笑う時は、絶対悪いことを考えてるから、油断がならねえんだよ!」とわめていていたから、警戒しているのかもしれない。
まあ、どんなに用心してもらっても問題ない。そのための保険だ。
「あー、今日は疲れたな…。まさかあんなに虎徹さんが書類を溜めこんでいたとは…」
僕はわざとらしく肩をすくめ、腕と首を回した。
虎徹さんは罰が悪そうな顔をして、あきらめたように云った。
「わーったよ!悪かったよ!いいよ、約束通り今日はお前のしたいようにすればいい。
でも、あんまり無茶はすんなよ?お前、慣れてないから長風呂すると、のぼせちまうだろ?」
なんてことだろう。
虎徹さんが心配していたのは、自分がこれから何をされるかではなく、僕の身体のことを気遣って…だったのか。
まったくこの人は、馬鹿がつくほどのお人好しで参ってしまう。
でも、すみません、虎徹さん。さっきのは口からのでまかせで、僕はこれからあなたに悪いことをしちゃいます。
僕は、心の中で謝った。
バスタブにざぶりと入り、虎徹さんの身体の下に自分の身体を滑り込ませた途端、ぐぐっと僕の欲望の塊りが膨れ上がる。
あー、虎徹さん、可愛い。
濡れた肌が色っぽい。
全身、どこもかしこも素敵な身体だ。
僕は、溢れる想いのままに、ぎゅうっと虎徹さんを後ろから抱き締めた。
このバスタブは通常サイズより大きめだが、6フィートの男二人で入るとさすがに狭い。
狭いせいで虎徹さんの滑らかな肌が僕の身体がぴったりと密着して、想像していた以上に気持ちがいい。
「うー…、やっぱりこの体勢かよ…」
「向かい合うとお互いの足が邪魔になると思いますが?」
「だからって…お前の硬いのが、ケツにもろに当たってんですけど?」
素っ裸で後ろから抱きかかえれば、僕の股間のものが虎徹さんのお尻に直接当たるのは当然だ。
「何が?」
硬く勃ち上がったものをわざとぐっと押し当てれば、虎徹さんがおとなしくしていないだろうことは想定内のことだ。
僕は虎徹さんが逃げないように、腕を前に堅く交差させた。
「うわっ…!とぼけんなよ!
お前、わざと当ててんだろ…っ、…あっ!」
虎徹さんが身体を離そうとしたのでさらに強く抱きしめると、ぐりっと僕の中心も動き、虎徹さんの秘部を刺激したようだ。
「……は…っ」
虎徹さんが熱い息を吐く。
「…の、やろ…っ!」
「すみません。でも、好きな人の裸を見れば、こうなるのは当然でしょう?僕、まだ若いんで」
「若いって言ったら、何でも許されると思うなよ?」
「許してくれるでしょ?虎徹さんは」
ちゅ、と魅力的なうなじにキスを落とす。
虎徹さんはぴくりと反応したが、何も言わなかった。
このくらいなら許容範囲らしい。いや、僕の今日の労働分として覚悟してくれているのだろう。
気を良くしてするりと胸元を撫でると、虎徹さんが小さく身じろぎをした。
「……っ」
声を出すのを抑えているようだ。
「虎徹さん、愛してます…」
耳元で囁きながらうなじへのキスを続けると、こういう甘い行為に未だに慣れない虎徹さんは、照れ隠しにこんなことを言い出した。
「う…、その…バニーちゃんは、泡風呂にしなくていいのか?こっちの人間ってバスタブに入る時、あわあわにすんのが普通だろ?」
「それもいいですけど…泡だらけにすると、せっかくの虎徹さんの身体が見えなくなりますから、このままで」
「お前なぁ…、俺の裸なんか見飽きてるだろ?出動後はいつもシャワー浴びてるんだから…」
「見飽きたりなんかしませんよ。好きな人の裸ですよ?
僕、あなたほど綺麗な身体を持った人を他には知りません」
「あのなー…。お前、目がますます悪くなったんじゃないの?」
虎徹さんは呆れたように息をついた。
「いいえ、視力に変わりはないです。今はコンタクトレンズをしたままですから、虎徹さんの身体がよく見えて楽しいですよ。
こうして見ると、バスルームの灯りって、けっこう明るいんですね」
「…だッ!恥ずかしいんだよ、お前!」
虎徹さんは、自分の足を両腕で抱え込むようにして僕の視界から身体を隠そうとした。股間が見えなくなってしまったのは残念だが、そんな照れた仕草が可愛くてたまらない。
おじさんのくせに、どうしてこの人は言動がいちいち可愛らしいのだろう。
「虎徹さんは僕の裸、見飽きてしまいました?」
そう言いながら目の前の黒髪を後ろに梳くと、ちゃぷ、と穏やかな音がした。虎徹さんは唇を閉ざしたままだ。拗ねているのかもしれない。
後ろから抱いているから、この人が拗ねた時に見せる口をとがらせた可愛い顔が見えない。
ちょっと残念だ。
「ねえ?なんで何も言ってくれないんです?
僕の身体、もう見慣れてしまって、何も感じませんか?」
返事はなくても、言葉より正直に、徐々に赤く染まっていく耳が可愛い。
その真っ赤な耳の後ろに、ゆっくりとキスを落としながら、しつこく尋ねる。
「虎徹さん…?ねえ、教えてくださいよ」
「あー、もう!うるさい!」
虎徹さんは後ろを振り向き、僕の口を自分の唇でふさいだ。
虎徹さんは照れると時々自分からこうしてくれるのだ。
めったに自分からキスをしようとしないくせに、僕の言葉が恥ずかしすぎて、それ以上聞きたくない時にだけ、こうして口封じに利用する。なかなか狡猾な面も持っていて、侮れない人だ。
だから、僕は虎徹さんからのキスをねだりたい時は、わざと甘い甘い言葉を投げかけるようにしているのだ。
自分の正直な気持ちを相手に伝えることができて、さらに恋人から口づけてもらえるなんて最高だ。一石二鳥、願ったり叶ったりとはこういうことを言うのだろう。





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