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G.W. フィリピン鳥見日記


 

Philippines, 29 Apr.-08 May, Page 3


 

5/04 今日から3日間+4日目の朝はPICOP (Paper Industries Corporation of The Philippine)での探鳥。Zardoも普段はPICOPで働いているそうだ。製紙会社の所有の広大な森での探鳥である。材木を運ぶ巨大なトレーラーが通れる道路沿いおよびそこから数十m脇の林のなかに入った範囲での探鳥に限られる。森はかなり伐採が進み、不法居住者がかってに家を建てて住み着いていて、深い森という感じはしない。自分が読んだ10報程の探鳥記の著者達は皆、ここの自然破壊の現状を嘆いていた。フィリピンはブラジルと並んでもっとも熱帯雨林の消失が激しい場所である。真っ暗なうちに宿を出発し、20分後にPICOPのゲートを越え、さらに15分走り、夜が明けた頃、最初のポイントに着く。お目当てのサイチョウ類はすぐに遠くの高木にいるのが見つかったが、枝葉に邪魔されてよく観察できない。そのうちに雨が激しくなりだしたので、尾羽しか見えなくなる。車内で40分程休息。雨が小降りになりだしてので、Writhed Hornbillが見易い所に出て来てくれるのを期待するが、すぐに飛び去ってしまう。他にRufous Hornbill, Tarictic Hornbill, White-bellied Woodpecker, Whiskered Treeswift, Phil Needletail, Pygmy Swiflet等、その後も場所を移動しては探鳥を開始するが、すぐに雨に降られて休憩というパターンの繰り返し。雨期なので仕方がない。お昼過ぎにSilvery Kingfisherのいる水場に行く。すぐにアオショウビンを見るが、Silvery KFは飛ぶのを目にしただけで、またしても雨で中断。再開後、向こう岸や池の真ん中の流木に止るのをゆっくり観察できた。Zardoが満足しただろう、もう次のポイントへ行こうと促したが、待っていればもっと近くへ来てくれるのを確信したので、その後小一時間粘り、Silvery Kingfisherが比較的近くに止ったのを観察・撮影して重い腰を上げる。その後、道路脇にアオショウビンが止っているのに3度遭遇したが、近すぎて撮影に失敗。しかしPurple-throated Sunbird, Phil Trogon 等のカラフルな鳥も観察出来まずまずの成果。4時頃になり、道路脇の木にアオショウビン(White-breasted Kingfiher)が止るのを撮影するが、咽の白い部分が上手く写った写真がなかなか撮れない。ここのアオショウビンは香港等のとは違い白いのは咽だけなので、そこがちゃんと写った写真を撮りたかったのでしばらく粘る。少し離れた木に飛んだ所で何とかWhite-throated Kingfisherの証拠写真が撮れた。PICOPを後にして、町に戻る途中の空港へ立ち寄る。一番の目的はGrass Owl。滑走路に停めた車の屋根に上り、フクロウが遠くに見える林から出て来て、空港のまわりの田んぼの上を飛ぶの待つ。カモが三々五々飛んで来ては、田んぼに降りるが、確認できたのはWandering Whistling-Duckのみで、期待したPhilippine Duckは見れなかった。他にヨシゴイ、リュウキュウヨシゴイ、Striated Grassbird等など。諦めかけた時Grass Owlが出現するが、遠くて証拠写真程度でやや消化不良。再び飛ぶのを待つが、真っ暗になる前には飛んでくれず、今日の探鳥終了。

5/05 今日も真っ暗なうちからPICOPへ。昨日よりもさらに奥に入ったところで、Celestial Monarchを探す。最初にRufous Paradise-Flycatcherを枝葉の隙間から観察。次にBlue Fantail、Black-heded Tailorbird等を見るがお目当ては現れず、お昼頃になり近縁種のShort-crested Monarchを見る。動きが早くなかなか撮影出来ず、シャッターをきれたのは冠羽のないメスだけだった。仮にCelestial M. が現れたとしても、似たような状況で消化不良だったかもしれないが、それでも一目だけでも遇いたい。Zardoには、他の鳥はどうでもいいからCelestial Monarch、一本に絞ろうと言ってあるので、観察した鳥は約20種と少なかった、それでもSteere's Pittaを観察できたので、幾分溜飲が下がる。2時半になり、今日の出会いは諦め、Rufous-lored Kingfisherを探すことにする。彼が過去に目撃したことのある地点を何ヶ所か廻るが、はずれ。途中Black-faced Coucal等のバンケン、ヒヨドリ、ムクドリ、ハイイロオウチュウなど地味目の鳥を観察。陽が傾いてきて、Hawk-Owlのポイントで待つが、こちらもはずれ。日没後に少し移動してPhil Frogmouthをゲットして、帰路につく。

5/06 今日も早朝から昨日と同じ場所を廻り、Celestial Monarch、Rufous-lored Kingfisherを探すが気配すらしないまま4時になる。疲労困ぱいしZardoに今日はもう帰ろう提案するが、彼に励まされてもう一ヶ所、Kingfisherのポイントへ向かう。が、やはりハズレ。Zardoも諦めた様で、昨晩のガマグチヨタカのポイントへ移動し休憩モードに入り、暗くなる前にお前一人でその辺を探鳥してこいと言うので、道路沿いの林をサーチしながら歩く。その時林の中の枝に止るRufous-lored Kingfisherが目に飛び込んできた。20分程じっくり観察でき、今日一日の疲労が吹き飛んだ。暗くなるまで待ってから、Phil FrogmouthとPhil Scops-Owlを観察して ホテルへ。市内では野外コンサートが何ヶ所で開かれていて、人が集まって盛り上がっている。垂れ幕の文字から次の月曜に行われる総選挙の為の集会とわかる。Bisling、最後の夜ということで、部屋に荷物を置いて、Zardoとビールを飲みに街のレストランにでかける。

5/07 いつもよりさらに30分早く出発し、昨晩と同じポイントでコノハズク(Phil Scops-Owl)を待つが空振り。3種のサイチョウのもっとまともな写真を撮り直したいと、夜が明けてから初日に訪れたサイチョウのポイントへ移動する。Rufous Hornbill等、3種とも見れたが、テレコンが必要な距離で、光量不足。靄が晴れるのをしばらく待つが、結局諦める。Blue-crowned Raquet-tail、Violet Cuckoo、Red-bellied Pitta、White-bellied WoodpeckerPhil Coucal、等を見るが、Celestial Monarchはそれらしい声を一度耳にしただけで、結局お目にかかれずにタイムアップ。11時にZardoに別れを告げ、往路と同じドライバーのワゴン車で出発。2時半にダバオ空港に到着。その後物凄い雷雨で空港が一時閉鎖されてしまうが、8時ちょっと前にルソン島のマニラ空港に到着。Tim が出迎えてくれ、明日Makiling山に同行してくれるマニラ在住のバーダーNiloさんを紹介される。Timを自宅で降ろした後、彼の運転手にMt. MakilingがあるLos Banos市まで送ってもらう。普段は1時間半で行けるそうだが、金曜日の夜ということで行楽地へ向かう車と、総選挙関連の集会(お祭りの様なものか?)へ出掛ける車で大渋滞。11時20分にLos Banosのセブンイレブンに到着、明日の朝食を買い、さらに10分走って、The Trees Lodgeに到着。飛行機の遅れとここまでの渋滞でOwlingはできず、Niloさんにおやすみを言って別れる。

5/08 4時半にNiloさんとOwlingに出発、Makiling山への登山道を登る。登山道といっても、四駆が走行可能な"林道"なので暗やみでも足元の心配は然程ない。Niloさんのスポットライトでフクロウ類を探すが、収穫はなし。途中、ライトに驚いて、飛び去るカワセミ類の姿を見る。大きさと場所・季節からSpotted Wood-Kingfisherに間違いないと思うが、確認できなかったので、ライフリスト入りはならず、夜明け後の再会に期待する。空が白んで来たのでロッジへ戻ることにする。Niloさんによると早朝のロッジ周辺が一番の探鳥スポットだそうだ。ロッジの所まで来たところで、Red-crested Malkohaを観察するが、Red-crestは余り目立つず、目の回りが赤いちいさなカラスにしかみえない。さらにScale-feathered Malkohaも同じ様にしか見えなかったが、双眼鏡で追っていると、顔の白いヒラヒラを広げるのを観察出来、感動する。Spotted Wood-Kingfisherを探して再び登山道を上り始める。途中のベンチで朝食をとっていると中高生くらいのグループが何組か自分たちを追い越して行った。遠くの木にTarictic Hornbillのペアを見つける。ミンダナオ島で見た"Mindanao Hornbill"とは別種とするのが一般的のようだが、ここでは"Birds of the Philippines"に従い、ともにTarictic Hornbillとする。Red-keeled Flowerpeckerやタイヨウチョウ3種、Black-naped Monarch、Elegant Tit、Velvet-fronted Nuthatch、Asy Ground-thrush等を見るがSpotted Wood-Kingfisherは見つからなかった。一度小さなカワセミを一瞬目にした。Phil Dwarf KF (Phil Forest KF) と思うが、こちらも確認できず。途中11月になると地面に落ちた木の実を食べに2種のヤイロチョウがやって来て写真撮影に最適だという場所等を教えてもらいながら。キャンプサイトのある中腹に到着。三軒ある茶店の一軒で咽を潤し、さらに登山道を登り Red-bellied Pitta、Colasisi、Blue-headed Fantail、Yellowish White-eye、Black-and-white Triller、Mountain Shrike、Phil Fairy-Bluebird等を見るが、Spotted Wood-Kingfisherには会えず、諦めて残りの時間をIndigo-banded Kingfisherに費やすべきと判断して、Niloさんに下山を提案する。ロッジのすぐしたから広大な大学(フィリピン大学?林産学部)の広大なキャンパスが広がっていて鳥見には好適地らしいが、とりあえず街に出て腹ごしらえ。世界展開のファーストフード店が何軒も並んでいた。ハンバーガーの値段は日本より若干安い程度で、大差ない。ミンダナオ島の食堂で支払った3人分の食事代の何倍ものお金をこんなハンバーガー1個に払わなければいけないかと思うと腹が立ってきた。お腹が膨れた所で、キャンパス内にある植物園へ向かう。Niloさんも植物園は始めてということだが、昨晩Timが園内にあるピクニックエリアの小川に行けばIndigo-banded Kingfisherが見れると言っていたので直行する。ここは有料施設なのだが、土曜ということで行楽客がいっぱいいて、もしかしたら駄目かもという不安がよぎる。小川に沿ってサーチするが見当たらない。オウチュウ類Balicassiaoが幼鳥に餌を与える所やRed-crested Malkohaが朝は見れなかった頭の赤い飾り羽を逆立てるところなどを観察しながら園内を廻るがKingfisherは見つからない。出発点に戻って来たところで、アオショウビンがこちらに飛んできた。その時、小型のカワセミが飛び立つのが見えた。見失わないように凝視するが、ちょうど死角になっている辺りで消えた。飛ばさない様に消えた辺りを見渡せる地点に回り込むがいない。おそらくこの辺りに巣穴があるのだろうと判断し、驚かせない場所まで下がって待つことにする。帰りの時間や閉園時間のことがあるので、待つのは1時間までと決める。55分位待った所で、Indigo-banded Kingfisherが飛び出てきた。10分程観察して植物園を後にする。ロッジに戻ると、Timが小さな息子と一緒に迎えに来ていた。チェクアウト後、車で10分弱のSpotted Buton-quailのポイントへ向かう。Timのスワロのスコープをセットしてウズラの出現を待つが結局現れず。その間、距離はあったが、Cinnamon Bittern、Barred Rail、Blue-tailed Bee-Eater、Red-rumped Swallow、Striated Grassbird等を観察してフィリピンでの探鳥を終了。マニラまで送ってもらう。

以上でこの項、終わり。

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