統計によると、高齢者の8割が夜間頻尿だそうです。
これだけ夜間頻尿の人が多いということは、今の医療では夜間頻尿の治療が困難なのだろうと思います。
ネットで検索しても、頻尿の複雑さを説明するサイトは多いのですが、治療法を紹介するサイトは皆無です。
私はあきらめかけていましたが、くすりで夜の尿量を半分に減らし、膀胱ストレッチで膀胱を2倍にすれば治るのです。
その方法をできるだけ多くの人にお伝えしたいのですが、どうすれば良いのでしょうか。
夜の尿を半分に減らすには
ロキソプロフェン
ネット上で次のような記事を見つけました。
「ロキソプロフェンを就寝前に投与すると、1日の総尿量、排尿回数を変えずに、夜間の尿量が減少し排尿回数が減少する」といものです。
さらに調べると、「ロキソニンはシクロオキシナーゼを阻害して鎮痛・解熱の作用をもっていますが、
その結果として腎血流量が低下し、尿量を減少させます。また、膀胱排尿筋の緊張を緩和させます」
となっています。
ロキソニンを試してみると、夜の尿量がたしかに減ります。
カンデサルタン
腎臓は糸球体というフィルターで血液中の老廃物を濾過しています。
このフィルターに血液を通すには60mHg以上の圧力差が必要なので、腎臓は血圧が低くなるとレニンとい物質を分泌して血圧を上げます。
カンデサルタンは、そのレニンの働きを阻害して、血圧を下げるくすりです。
ですから、カンデサルタンを睡眠前に投与すると、腎臓がせっかく分泌したレニンを阻害するのですから、夜間の尿量が当然減ります。
フロセミド
夜間頻尿の原因の1つに、むくみがあります。
昼間、下半身に貯まったむくみが、夜上半身に戻ってくると夜の尿が増加します。
利尿薬で昼間のむくみを減らすと、夜のトイレが1回減ります。
上にあげたロキソプロフェン、カンデサルタン、フロセミドの3つで夜の尿が半分に減ります。
膀胱を2倍にする
頻尿対策でもっとも効果が大きいのが膀胱ストレッチトレーニングです。
私たちは、膀胱の能力を普段は半分くらいしか使っていません。もしも、膀胱の容量をフルに活用できれば、夜間頻尿も解消します。
ネットを検索すると、膀胱訓練として次のような2つの方法が紹介されています。
・1つは、尿意に関係なく、トイレの時間間隔を15分ずつ伸ばしていく方法。
・もう1つは、尿意を感じてから我慢する時間を5分ずつ伸ばしていく方法です。
これらの方法を私も実行してみましたが、うまくいきませんでした。
膀胱トレーニングで、もっと効果がある方法は、
・朝のベッドの中でグズグズすることです。
・それと、夜中に目が覚めたときに血圧を測り、血圧が低ければ夢を見ただけなのでそのまま眠り、
血圧が高ければトイレに行くという方法です。
尿意は、尿が150〜200ml貯まったら感じますが、これを初期尿意といいます。
ネット上の多くの膀胱トレーニングは、この初期尿意の時期をできるだけ伸ばそうとするものです。
たとえば、尿意を感じたときに最初は5分間程度我慢し、慣れれば徐々に伸ばしていきましょうというトレーニング法です。
しかし、試してみると、尿意は我慢すればするほど意識に上り、かえって尿意が増したりします。
私たちに必要なのは、初期尿意をどうこうするというのでなく、膀胱を大きくしたいということです。
それには、どうしたら良いでしょうか。
実は、膀胱が半分くらいの段階で、いくら尿意を我慢しても膀胱を大きくなりません。
膀胱の容量を大きくするには、膀胱をできるだけ満タンに近づける必要があります。
排尿習慣
マルタ島に行ったとき、現地のフランス人ガイドが言っていました。
日本人は本当によくトイレに行く。フランス人は朝と夜の2回しか行かないというのです。
Wikipediaによると、腎臓は1時間あたり60mlの尿を作って膀胱に送ります。
膀胱の容量は、成人で500ml程度ですから、
500÷60ml = 8.33 時間となり、
膀胱容量を降るに使うようにすれば、1日3回のトイレで充分ということになります。
私たち日本人は、尿をため込んでおくのはよくないと教えられてきました。
尿意を我慢すると、腎臓かどこかに悪い影響を与えて、尿が近くなるし、血圧も上がるというわけです。
私たちはそう教えられてきましたが、しかし、初期尿意のたびにトイレに行っていれば、毎日、膀胱を小さくする訓練をしているようなものです。
当然、日本人はよくトイレに行くようになります。
Wikipediaによると、野生動物もトイレは1日2回だそうです。
日本人もフランス人と同じ大きさの膀胱を持っているはずですから、1日に2〜3回のトイレですむはずなのです。
膀胱ストレッチトレーニング
膀胱ストレッチトレーニングは、膀胱が膨らんでいる時に行います。
朝目が覚めたときがストレッチトレーニングのチャンスです。
目が覚めたら、昨夜の睡眠中に尿が貯まっているはずですが、そのことは気にせず、ベッドの中でぐずぐずします。
テレビを見たり、ウトウトしたりすればよいのです。もしも、2度寝入りできればベストです。
膀胱ストレッチは、膀胱の蓄尿量を推測する指標を手にいれるともっとうまくいきます。
私たちは、夜寝る前にトイレに行きます。
そしてもしも、夜中に目が覚めると、朝までよく眠れるようにとトイレに行きます。
このように、少量しか貯まっていないのにトイレに行っていれば、膀胱を小さくするトレーニングをしているのと同じです。
膀胱を大きくするには、夜中に目覚めたときに血圧を測り、120以下なら夢を見ただけなので、夢のことは忘れてそのまま寝ます。
もしも、血圧が130以上で、かつ、朝までの時間が2時間以上あればトイレにいきます。
この2つを実行すれば、膀胱容量が日増しに大きくなり、1ヶ月しないうちに、はっきりと効果が実感できるようになります。
2ヶ月続ければ、夜間だけでなく昼間のトイレ回数も半分に減ります。
朝の6時に私の寝室は小鳥の声で満たされます。
iPadの目覚まし時計の音です。
15分ほどして小鳥が鳴きやむと、枕元の血圧計で血圧を測ります。
その時に血圧が120以下であれば、もう少しベッドの中でぐずぐずしていることにします。
以前の私でしたら、朝目が覚めたらとりあえずトイレに行っていましたが、朝の尿は1時間あたり30mlほどしか増えませんから、満タンまでまだまだ時間があるのです。
ベッドの中で1時間ほどテレビを見たり、ウトウトしてからもう一度血圧を測ります。
血圧が140に近づいていれば、トイレに行きます。
膀胱ストレッチは膀胱が満タンのときに、膀胱の筋肉をできるだけ長く伸ばしておくことによって効果が得られます。
1日1回で良いので、このような膀胱ストレッチトレーニングを続けていると、膀胱が目に見えて大きくなります。
まとめ
・カンデサルタン、ロキソプロフェンと利尿薬で夜の尿を半分に減らし、
・膀胱ストレッチトレーニングで膀胱を2倍にすると夜間頻尿が治ります。
ただし、これらはすべてを同時に行うことがたいせつです。
ビフォー
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