「じゃあ四代目なんですね。」お客様によく言われます。
曽祖父が昭和3年に実家の瓦店を創業し、今年で創業80年目を迎えました。
自分は工業高校を卒業し、約一年、地元建設会社に勤務し、その建設会社を辞めて、
職人の世界に飛び込みました。
父の会社、山形瓦店には、当時70歳を超える職人さん達が沢山いて、
職人さん達の引退を考えなくてはいけない転換期に差し掛かっていました。
小さい頃から見てきた、自分にとっては、みんな優しいお爺ちゃんお婆ちゃん。
2代目の祖父は、62歳で他界し、それ以来、父、4歳年上の兄、高齢の職人さん達で
仕事を頑張っていました。
会社辞めてきた。瓦職人をやりたい!修行させてください。
と・・・言うと、周りの人たちは大反対でした。
一子相伝的な職人の世界では、四代目跡取りの兄がいるのにうまくいくはずが無い。
商売上、いつか必ず兄弟喧嘩になるからやめておけ。これが周りの人たちの反応でした。
しかし親方(父)だけは、周りに何と言われても、やってみろ俺が仕込んでやる。言ってくれました。
あれから18年が過ぎ・・・いまだに兄弟喧嘩はしていないし、たぶんこれからも・・・。
親方はそれを、見抜いていたのかもしれません。
修行時代は、毎日大変でした(苦笑)。
職人と言うと・・・
技術を盗め!段取りは自分で考えて覚えろ!そんな世界だと思われている方も多いはず。
しかし、我らが親方は違います。完全に技術の押し売りです
それは違う!これはこうだ!こうやれ!毎日怒鳴られました。(苦笑)
今考えると、お客さんに、「そんな怒鳴られてる職人使って家の屋根大丈夫なの?」と
思われていたかもしれません(苦笑)もちろん自分も間違ってないと思った事は、
引き下がらなかったので、屋根の上で親方とぶつかってました。(笑)
右も左もわからない自分に兄は、言葉足らずの親方の指示を理論的に的確に簡潔に、
補足しながら自分に教えてくれました。
修行の年季上げと親方の60歳を機に暖簾分けのような形で自分の会社を立ち上げ
厳しい修行のお陰で4年前に国家試験{一級技能士}を取得して現在に至ります。
屋根に関する知識や技術、新しい瓦や屋根材、板金、雨樋、ソーラー発電、
様々な資材や工法も、時代によって、どんどん様変わりしています。
屋根のプロとして屋根に携わる事、それら全てにおいてお客様に喜んでいただけるように
これからも頑張っていきたいと思います。