ぽた・・・ぴちょん・・・どこからともなく音がする
もしかして雨漏り!?でもどうすればいいんだろう???
雨漏りしてから改めて屋根を見る。生活の中で、屋根を、あまり気にされていない方が多いと思います。
なぜなら屋根があるから雨漏りしない、瓦は動かない!のが当たり前だと信じているから。
雨漏りの原因にもいろいろあります。瓦のずれ、瓦の破損、下葺き材の劣化、棟瓦部の崩れ・・・
屋根以外にも雨漏りの原因は、驚くような所に潜んでいます。
ここでは、今まで自分が経験してきた雨漏りの事例を紹介し、雨漏りの謎を解き明かしていきます。
台風の後、天井から雨漏りがしていると言う事でS様邸に現場調査に伺いました。
2階の屋根に上がり点検をしたところ、強風により瓦が完全に浮き上がり、下葺きがむき出しの状態になり、
瓦桟木を留める釘穴から雨漏りしたのが原因でした。
築25年の木造2階建てセメントスレート瓦葺きに住むA様邸から、屋根に外見上は異常が見られないのに、
雨漏りがしていると言う事で現場調査に伺いました。
確かに外見上、瓦の破損、亀裂はありません。瓦をはがし、下葺き材を点検すると、下葺き材が老朽化のため劣化し、
裂けて野地板が露出していました。
瓦の裏へ回った雨水が、長い年月の間に下葺き材を劣化させ、ボロボロになり、下葺き材の役目を果たしていない
のが原因でした。
築3年T様邸から長雨の後、平屋の居間から雨漏りがすると言う事で、現場調査に伺いました。
屋根に外見上の異常が見られないので、屋根に上がり雨漏り部分付近の瓦をはがしましたが、瓦桟木は
きちんと垂木(たるき)に留まり、雨漏りの痕跡さえありませんでした。
心当りを聞いてみたところ、最近テレビアンテナを変えたと言う事で、天井裏を調べてみますと・・・。
外部で一度たわませるはずのアンテナ配線の家屋への引き込み線を、ブラブラして気になるという事で
旦那さんが破風の部分で固定したために、線がピンと張っていたため、雨水が勾配により配線を伝わり天井裏に
水滴を垂らしていたのが原因でした。 固定の場所を変えて雨漏りを止めました。
先代が工事をさせていただいたG様邸の前を車で通りかかったところ、入母屋屋根の化粧棟の鬼の部分に
綺麗な山百合の花が咲いていました。気にしているのではないかと思い、後日、G様邸に伺ってみたところ・・・。
「綺麗だよね、あのまま咲いててくれると良いんだけど。。。」とおばあちゃんが話してくれました。
今現在、G様邸で雨漏りはしていません、しかし、屋根に草が生える事は決して良い事ではありません。
なぜなら、草花は水分や養分を求め根をはり、時には瓦を持ち上げ、その草花を通して瓦の裏側に
雨水が入る可能性があるからです。
おばあちゃんにきちんと説明し、棟をバラして山百合の花を根本から採り、棟を組みなおして・・・。
山百合をプランターに植え替えました。
雨漏りがするので見てほしいと言う事でS様邸から連絡が入り現場調査に伺いました。
新築してすぐに雨漏りして、確かに一階の天井が黒くなるほど雨漏りしていました。
しかし・・・雨漏りしている場所の上には二階があり 一階の屋根は寄棟で四方に屋根が回っています。
二階に雨漏りはしていません。??? 瓦をはがしても雨漏りの痕跡は見当たらず???
雨水は瓦から入っていない・・・いったいどこから?考え込み、ふと視線を上げると
サッシ回りの防水シーリングがやっていない!!!他の窓も見てみましたが雨漏りしている窓だけが
防水シーリングをしていなかったのが雨漏りの原因でした。
マスキングテープを貼り、防水シーリングをして雨漏りを止めました。
先日「ロック工法」をしたところ、晴れているのに雨漏りがして困っていると連絡が入り現場調査に伺いました。
屋根を見ると全ての桟瓦や棟瓦の重なり部分にコーキングが施されていました。
屋根を見た瞬間に雨漏りの原因は「結露」だとわかりました。案の定、コーキングを切り瓦をはがしてみると
下葺き材も瓦桟も結露による水滴で完全に濡れていました。
粘土瓦には微妙な隙間があります。隙間があまり小さいと毛細管現象で
水を引き込む危険がありますし、逆に大きいと隙間から風の吹き込みで雨水が吹き込む恐れがあります。
ならば完全にコーキングで動かないように留めてしまえば良いじゃないか!と言う方がいるとおもいます。
それは間違いです。家は呼吸をしています。家の中の室温と外気は違います。
例えば、真冬に暖房をたくと窓に結露が発生することがあります。換気をすると結露は消えます。
粘土瓦の微妙な隙間には雨が降っても風で水を切り、ある程度の屋根の換気も果たしているのです。
隙間を「ロック工法」で完全に塞いでしまったら結露はいつまでも屋根に残り、瓦桟を腐らせ、そのままにしておくと、
野地板も腐ってしまう可能性さえあります。
自分は、もしも、お客様に「ロック工法」でお願いします。と言われても、屋根や家の為にはならないのでお断りして、
別の方法で、お客様の要望にお答えしています。
瓦製造メーカーは日々研究を重ね、瓦職人は努力をし十分に気をつけて施工しています。
賛否両論はあるかと思いますが、屋根工事のプロとして、この「ロック工法」について、今後も
問題を提議し、事例をあげながら、紹介していきたいと思います。
二年前に瓦葺き替え工事をさせていただいた、切り妻平屋建てのK様邸から雨漏りがすると連絡が入り、
現場調査に伺いました。
間違いなく雨漏りの形跡があるにもかかわらず、屋根の点検、下地の点検をしたところ、異常ありませんでした。
事情を説明して、原因を追及するために、天井の点検をしてみると・・・
天井裏に直径80センチクラスのスズメバチの巣を発見しました。
雨漏りと思われていた天井のしみは、スズメバチの巣から流れ出した蜜が原因でした。
スズメバチの巣は駆除のプロに連絡し綺麗に取り除き、スズメバチが入ってきたと思われる壁の通風孔を
ネットで塞ぎ、次の年からは巣を作らなくなりました。
この他にも、天井裏にネズミが入り、うるさかったり・・・屋根裏へ入り込んだハクビシンが巣を作り
ハクビシンの糞やオシッコが異臭を放ち天井にしみを作ったお宅もありました。
E様邸には、屋根裏にムク鳥が毎年のように巣を作り雛が巣立ちするまでは、毎年うるさく・・・。
土嚢袋三つ分の藁や枝の巣の残骸を取り除いた。なんて事もありました。
屋根裏は見たこと無い方が多いはず、お客様のお宅も一度、天井裏を覗いて見てはいかがでしょう・・・。
切り妻平屋建てのS様邸から家の真ん中で長雨の度に雨漏りがすると連絡が入り現場調査に伺いました。
外見上の異常はありません。雨漏りの場所を見せていただくと家の真ん中にある居間に大きなしみが出来ています。
桟瓦からの漏水ではなく、棟からの漏水が原因でした。
大棟に五段積んである熨斗(のし)の台面の幅と、かませる粘土の量が多すぎて、はみだした粘土から
毛細管現象により浸み込んだ水が下葺き材を劣化させ、雨漏りの原因となったのです。
瓦には、何の問題も無かったので、一度大棟をバラし、瓦と屋根を綺麗に掃除をして、下葺きを張替え、
瓦を結束する銅線を交換し、大棟を取り直し工事をして雨漏りをとめました。