ネタの種

   ――PCを使っていて良いアイデアや構想を思いついた時、どうしていますか?

   ワードを開いてそこに入力していくのも良いでしょう。メモ帳に入力して保存するのもいいでしょう。付箋紙ソフトに入力するのも良いでしょう。


   ――ネットを見ていて必要な情報が載ったページを見つけた時、どうしていますか?

   そのページをお気に入りに追加しておくのも良いでしょう。ページそのものを保存しておくのも良いでしょう。プリントアウトしておくのも良いでしょう。


   そんなことを実にシームレスに行うことが出来る便利なソフトがあるんです。いわゆるスクラップソフトと呼ばれるジャンルのソフトなんですが、その中の一つに「ネタの種」というソフトがありまして。

   この、ネタの種は具体的にどんなソフトなのかといいますと、いつでも素早くサッとメモを書くことが出来、いつでもサッと情報を取り込むことが出来、それらを素早く取り出すことの出来るソフトなんです。
   例えば、良いアイデアが浮かんだので忘れないうちにメモ書きしたいと思ったら、ネタの種を開いてそこに直接入力するだけ。ネットを巡回していて取っておきたい情報を見つけたら、取っておきたい部分を反転させてネタの種にドラッグするだけ。それだけでその部分が情報としてネタの種に保存されるんです(もちろんページ全体を取り込むことも可能)。
   その書き込んだり取り込んだものは「紙」という単位で管理されるんです。その紙をさらに「箱」という入れ物で管理されるわけで、紙はファイル、箱はフォルダと考えると解りやすいかもしれません。実際の仕組みもファイルとフォルダそのものなんですけどね。
   つまり、メモ書きとしての紙を作れば任意の箱にテキストファイルとして保存してくれて、インターネットのページを取り込むとhtmlファイルで保存してくれるんです。ただ保存してくれるだけだとそれほど便利ではないんですが、先ほどの箱というもので取り込んだものを管理するので、それを上手く分類してやったり、名前の付け方を工夫すると効率よく管理できるわけですよ。しかも取り込んだ内容はネタの種の画面のエディタ兼ビューワーの部分に表示することが出来るわけで、エクスプローラやマイコンピュータからメモ帳のファイルやブラウザから保存したページを開いたときのようにデスクトップ上に沢山のウインドウが開いて煩雑になるようなこともなくシンプルかつスピーディに情報にアクセス出来るんです。
   また面白い機能として、このソフトを予定表として使うことも出来るようになっているんです。メモ書き程度の簡単な予定表ではあるものの、使い方を広げてくれる機能ですよね。

   このように便利なネタの種なんですが、細かいカスタマイズが出来なかったりとか、画面のペイン好きなように変えられなかったりとか、もうちょっとかゆいところに手が届いたらいいのになと思うような若干の不満が残る部分もあるので、バージョン際はもっと使いやすくなって欲しいなと思うわけです。ただ、この辺は好みもあるし、何より価格を考えると十分すぎるほど良いソフトだとは思いますけどね。

   実はこのソフト、画面を見てピンと来た人もいるかもしれませんが、シェアウェアの紙copiと同等のものなんです。というか、紙copiの作者がジャストシステムと共同開発してジャストシステム風味にアレンジしたものなんだそうです。となれば、ぶっちゃけ紙copiを買った方が安上がりになるわけですが、シェアウェアのサポートにいまいち不安を感じる人やパッケージ版という安心感を得たい人、なにより一太郎2005と連携したい人はネタの種の方が良いのではないでしょうか。

   この手のソフトはこのネタの種を始め、マイクロソフトのOneNote、ちょっとニュアンスは違いますがメモ機能で言えばOutlookのメモなどいくつか競合製品があるので、それぞれが切磋琢磨してより使いやすく便利なものに成長していって欲しいですね。

   余談になりますが、最初はこのソフトをサイトの更新のネタを管理するために使おうかなと思っていたんですが、ことのほか便利だったので主に仕事で情報を収集するのに使うようになってしまい、もはや手放せないソフトになってしまいました。必要な情報をさっと取り込めてさっと取り出せる。これは便利ですよね。


結論:
   メモ書きやページを取り込んで、それを素早く取り出して情報を活用するのに最適な、まさにネタの「種」となる情報を蓄えることの出来るこのソフト。ありとあらゆる情報をがしがし取り込んでどんどん活用しまくれ。