ゆきうた

   笑いゲーとも泣きゲーとも言われ、そんな両方のギャップを楽しめる「ゆきうた」。願いが叶うという伝説のもみの木が中心のテーマなんですが、その辺はサクッとスルーしてこのレビューではコンプったヒロイン順にレビューをしてみたいと思います。


   長谷川菜乃
   主人公の義妹で主人公曰く、史上最大に使えない妹。要するにお約束の義妹美談でお涙頂戴シナリオなんだけど、日常の主人公とのやりとりが笑えるので許す。トゥルーエンドはまあいい。許す。しかし、バッドエンドのラストはどうかと思うんですけど。だって、ただの骨折って言ってた割に、次のカットでいきなり昏睡シーンでしょ?いくら何でも展開に無理があるんじゃないの?って感じで。可能性は無いとは言えないけどちょっと端折りすぎでしょ?なんかもうちょっと説明が欲しかったなと。それだけで泣き所になったかもしれないのに。


   青嶋摩尋
   極道の娘というちょっと珍しい設定のヒロイン。そんなこともあって周りとはちょっと距離を置いていることになっているんだけど、主人公や菜乃とのやりとりを見る限りではそういう風に見えないのは気のせいですか?
   ハッピーエンドでは銃で撃たれて瀕死、一応死んだことにして葬式、名前を3年前に死んだ妹の千尋に変えるつーか、3年前に千尋と名前を入れ替えていたので元に戻っただけ、姓を母親の姓に変える、はれて極道から離れることが出来た、めでたしめでたし。なんですが、名前変えて極道じゃなくなったと言っても主人公の周りに居たら意味無いじゃん!バレバレじゃん!いくら死んだことになっていようとダメじゃん!バッドエンドは銃で撃たれる、極秘で退院、容姿を変えて主人公すら知らない場所で別の人生を歩むエンドなんだけど、これもありかなと。後日、主人公の元にこっそりとどけられた手紙が切ないね!


   藤見雪那
   転校生にして主人公の幼なじみにしてお嬢様。お嬢様らしく世間知らずでそのくせ頑固でそれでいて可愛いくて。ああ!俺はいったいどうすりゃいいんだよ!<どうするもなにも
   なんつーか、やっぱり財閥のご令嬢と主人公でしょ?世間的に釣り合わないと言われ終盤で一悶着あるんですが、そこでハッピーエンドとバッドエンドの分岐があるんです。ハッピーエンドは一時的に主人公のことを忘れてしまって、その後再会を果たして再び一緒になるエンドで、それまで主人公といた途中の記憶がなくなってるんですよね。これってハッピーエンドなんでしょうかね?
   バッドエンドは記憶をなくしたまま、しかも雪那が退行していくけど子供も生まれて主人公的にはこれも幸せかなと思うエンド。あー、なんかどっちがハッピーエンドか解らなくなってきた。


   今井由紀
   たまたま駐めてあった主人公のバイクにぶつかって出会った目の不自由な女の子。すいません!俺この手のキャラに滅茶苦茶弱いんですけど。<だからどうした
   それ以来、頑なに周りからの親切を拒みつつけていた由紀は次第に主人公に惹かれるわけですよ。そして、クリスマスに意を決して目の手術を受けるわけですよ。ここで主人公は、自分の光を失う代わりに由紀の目が見えるようにと伝説のもみの木に祈るわけです。光を得た彼女と光を失った主人公。自分のために光を失った主人公に今度は私が杖になると言い、医者になって絶対に直してみせると誓ったんです。おい!いい話じゃないか!バッドエンドは伝説のもみの木に祈らなかった主人公は由紀に二度と会うことなくそのままっていうなんか落差が激しいんですけど。


   蓮田弘美
   途中から赴任した歴史教師。なんかどっちのエンドも話が飛んでるんですけど!展開の説明が無いんですけど!話がすり替わってるんですけど!だって、さっきまで自分をかばって事故死した彼氏を引きずってるとか言っていたのに、いきなり200年前の話ですよ?いくら他人になりきってたからつってもねえ。いまいち実感が湧かないよねえ。伝説のもみの木の話の締めくくりなのにねえ。で、えーと、どっちがハッピーエンドだっけ?<印象が薄いらしい


   そんなわけで、ゆきうたは難易度も高くなく、随所に笑いがあり、そこそこ感動もあって面白かったっ!説明が端折られて話が飛んでいるように感じる部分があったり、ちょっと詰めの甘さはあるけど、なかなの良作かなと。って言うか、雪那シナリオで萌えて菜乃シナリオで号笑して由紀シナリオで号泣するってのが正しいプレイ方法ですな!