勝 あしたの雪之丞2

   前作「あしたの雪之丞」で雪之丞とのボクシングの練習中の事故で意識不明になった幼なじみであり親友でもあり、また晶子の兄でもある久保勝が主人公。前作では意識不明で入院していた設定だったので、本当に一瞬しか出てこなかったんですが、今作ではバリバリ出きます。出てきまくりです!<主人公なんだから当たり前です

   勝が主人公なだけに、序盤は雪之丞や鹿島町の話は全く出てこなくて、前作とは全く違うゲームみたいに感じるんですが、攻略するヒロインによっては鹿島町の物語が出てきたり、雪之丞本人を含めた前作のキャラが総出演したりするわけです。しかも、場合によっては前作の延長線上のエンディングまであるわけですよ。シリーズ物ならではの醍醐味ですな!
   そのおかげで、やたらと賑やかになりすぎてちょっと白けてしまう場面もあるんですが、最初は勝、雪之丞、晶子と3人だけだった身内の世界が大きく広がったと思えばそれはそれで微笑ましくも感じるわけです。

   それよりも前作では、冷酷で序盤の印象が良くなかった晶子ですが、2になってからあの冷酷さはすっかり取れて容姿端麗で性格良好で料理が上手で世話焼きで人気者で兄の勝を慕っている最強の妹キャラになってるわけです。うん、やっぱ真のヒロインは晶子かもね!って言うか、なんで晶子を攻略できないんだよ!(結ばれることはないけど、一応晶子シナリオはあります)ああ?そもそも前作では主人公とは血が繋がってなかったから攻略できただろ!(当たり前です)なんで2になったら攻略できなくなってるんだよ!(そういう設定だからです)2の方がより魅力的なキャラになってるのに!勿体ない!だって実妹でも攻略したいときってあるだろ!あるんだよ!(反論不可)

   さて、ゲームの内容ですが、事故によってボクシングの道を絶たれ、新たな目標も見つからないまま毎日を適当に過ごしていた勝が、ヒロイン達と出会い結ばれることよって新しい目標が見つかるっていうのがどのキャラのシナリオでも共通の流れ。シナリオには明男シナリオや権造シナリオなんていう野郎とのシナリオもあるんですが、これは野郎と結ばれる801シナリオというわけじゃなくて、これも新たな目標が見つかるっていう感じの展開。どのシナリオも胸が熱くなるものがあって良かった!

   本編全てのキャラをコンプると、この雪之丞シリーズの総集編とも言えるシナリオ「――そして、始まる物語。」がプレイできるようになるんですが、これはボクシングを辞めた2人がまたカムバックするというシナリオでして。
   雪之丞、勝ともに諦めていた(と自分に言い聞かせていた)ボクシングにカムバックするわけで、あんな事故があったわけで、ましてや勝は事故による傷があるわけでカムバックするのは無謀なんですが、しかし!それを恐れずにカムバックする2人。熱いね!そしてまた事故が起こるのを恐れて2人を止めたがるせりなと晶子。泣けるね!でも、最終的には2人の気持ちを理解したせりなと晶子が応援し、カムバックを果たし、それぞれが新しい目標に向かって動き出すという、なんとも前向きで青春しているラストが印象的ですな!
   ただ、晶子だけはまだまだ完全には吹っ切れてないのかな?といった感じにも思えたりもしましたが、もしかして「あしたの雪之丞3」とか出るんですかね?って言うか、これで話は綺麗にまとまったかのように思えるですが、このシナリオが晶子シナリオの延長線上(?)にあるのか、2のメインヒロインであるあきらの存在が全く活かされてないんですが、その辺はどうなんですか?それ以前にこのシナリオではあきらとカップルにすらなってないってのはどうなんですか?やっぱり真のヒロインは晶子だったんですか?(だったら攻略させr以下省略


   システムは前作とほぼ同様でありながら、更にプレイしやすく改良されていたりしました。例えば、一度選んだ選択肢は赤い文字に変わっていたりなど、ちょっと不便だなと思った箇所が改良され以前よりも快適にプレイできるようになってます。

   ただ、残念なのは難易度の高さ。どの選択肢がフラグになるのかを見極めるまではかなり手こずるんじゃないかと。前作の時も多いと感じたエンディングの数も、2でも同じようにトゥルーエンドはヒロイン1人につき1つなんですが、派生エンドの数があまりにも多いんですよ。これをエンドにするのはどうなの?っていうようなエンドもあったので、その辺はもう少し整理してエンドの数を減しても良かったんじゃないのかなと思いました。


   それと、2になっても健在な「アソコアップモード」ってやっぱり要らないと思うんですけど、その辺はどうなんですか?