俺はファンディスクというものがちょっとだけ苦手なんです。何故かというと、初めてプレイしたファンディスクの印象が良くなかったのか、ファンディスクってファンのためのディスクと言うよりも制作者が好き勝手にやるためのものっていう印象があるんですよね。特に君が望む永遠(以下、本編)のような超名作だと、良い印象しか残ってないし、全てにおいて感動して心酔しきっているじゃないですか。自分の中でその世界が出来上がっているじゃないですか。ファンディスクがその世界と同じ雰囲気を維持してくれれば良いんですけど、制作者が好き勝手にやってしまって何でもアリな世界になってしまっていることが多いんですよね。つまり、自分の中で出来上がっているゲームのイメージがファンディスクによって崩れてしまうんですよ。それが嫌なんです。
そんなわけで、この君が望む永遠〜specialFanDisc〜(以下、SFD)も敬遠していたんですよ。君望のイメージを崩したくなかったですから。でもね、気になってたわけですよ。そりゃあ、あれだけ感動したタイトルでしたからね。しかも製品紹介で
もし、あの事故が起こらない未来があるとしたら──
僕たちは、どんな関係を紡いでゆくのだろう──
おいおいおいおい!こんなこと書かれていたら、気になるでしょ!夜も眠れないでしょ!
君望をプレイした時にね、もしあの時に遙が事故にあっていなければどんな物語になっていたのかなって考えたこともあったんですよ。オープニングムービー直後に水月とヤってるような未来じゃなくて、遙とやってる未来になってたんじゃないかな、とか。妄想は膨らむ一方で、正直言うとかなり気になっていたんですよ。それでも敬遠していたのはさっきも言ったように本編のイメージが崩れてしまうのが嫌だったのでここで打ち止めにしておきたかったんですよね。周りの評判を聞いて、良さそうだったら後で余裕が出来た時にでもプレイしようかなとは考えていましたけど。
そうこうしているうちに1年が過ぎて2年が過ぎて君望をプレイした感動も薄れかけてきた2006年。最近これは!って言うエロゲが全然なくて寂しい思いをしていたところにふとSFDを思い出しまして。そうか、そろそろSFDをプレイしてもいいかな…と。
ということで、君が望む永遠に出会ってから5年、SFDの発売から2年経った今頃になってやっとプレイしたのでレビューしたみたいと思います。SFDはショートシナリオや、君のぞラジオやミニゲームなどのコンテンツも収録されていますけど、その辺はさっくりと省略して今回はメインである「君が望む第一章」をレビューします。
第一章と言えば青春の青臭さがくすぐったい主人公と遙との出会いまでのシナリオですね。
本編をプレイしていたときに一章だけでもひとつのゲームとしてやっていけるんじゃないの?って思ってましたけど、まさか本当にこれだけをゲーム化してしまうとはねえ。もちろん本編の一章をそのまま収録くしたわけではなく、ちゃんと各ヒロインのシナリオもイベントもエンディングもきちんと用意されていて本当にひとつのゲームとして仕上がっているんです。どの選択肢を選んでもゲームの進行に全く影響のなかった本編とは違うわけですよ。もちろん、あの衝撃的な終わり方をしない展開もあれば、マナマナにガクガクブルブルすることもなく普通に結ばれる展開もあるわけですよ。つまり、あの事故が起こらない未来があるとしたら──のとおり、俺の遙(<俺の?)が事故に遭うこともなく俺の遙とのハッピーエンドが待っているわけですよ。でも気をつけろよ!遙シナリオに入って水月よりの選択肢を選んでいると本編と同じように俺の遙を殺ってしまうからな!(<だからいつからお前の遙になったんだよ!)
あくまでも一章だけなので大空寺あゆとかは出てこないのは残念なところではありますけど、どのヒロインと結ばれる結果になっても二章のようなドロドロとした展開にならないところが後味も良く、爽やかな青春って感じがいい!そして、なんと言っても俺の遙が事故に遭わないという、本編の存在を否定してしまいかねない展開が最高に素晴らしい!(選択肢を間違えて殺っちまうなよ!)
と、言うわけでだ!君望ファンにはおすすめできる内容になってますというか是非プレイしろ!そして俺の遙とのハッピーエンドを堪能しまくれ!(でも遙は誰にもやらん!)
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