月光

  パッケージをリニューアルして低価格にしたゲームは多数ありますが、そんな中の一つ「月光」。


パッケージには「切な系ノベル」って書いてある。切な系?
主人公には元?恋人の由希子がいて、その子が病弱らしい。病弱?
しかも奥ゆかしいらしい。奥ゆかしい?

おい!病弱なのか!奥ゆかしいのか!俺そういうのに弱いんだから!ダメだってば!


オープニングは切なさを醸し出すような切ない音楽と共に流れるムービー。切な系って書いてるんだから当たり前ですが。


  そして本編。

本編は病室のシーンからスタート。まあ主人公が由希子の見舞いに来ているシーンなんですが。なんつーか、これ、何かに似てない?
なんか加奈を思い出すんですけど。っていうか加奈ですか?つーことはそれっぽい展開ですか?じわーっとくる悲しみですか?期待していいんですか?どうなんですか!…また泣かされんのか俺?

さて、物語はですね、回想シーンを中心に進んでいくんです。
前半は由希子と知り合った中学時代。そこから現在に至るまでが大まかな流れ。途中選択肢によって枝分かれするけども基本的には一本道のシナリオ。なのでエンディングは1つだけ。

まあ、なんて言うんですかね、こう胸が痛むんだよちくちくとさ。由希子の一途なところとかさ。主人公の心が揺れ動くところとかさ!じわじわ来るんだよ切なさが!痛ぇよママン!

…でもね、思ったほど泣けないんですよ。加奈みたいに。切なさが何となく白々しいって言うんですかね。痛い要素を取って付けたような気がして。なんか違和感あるんですよ。
それに所々話が端折られてたりして、え?なんでこうなってんの?あれはどうなったのよ?って思うこともしばしば。
それから…まあ、どうでもいいんですけどね、余命がもう僅かしかないのにヤるなよ。


そして肝心のラストなんですが。
切な系だからぱっやり期待しちゃうよな?クライマックスだもんな。盛り上がるところだよな?

が!


…なんかスゲー中途半端なんですけど。え?これで終わり?スタッフスクロール流れちゃったよ?本当に終わりかよ!みたいな。
おいおい由希子どうなちゃったんだよ!オチがないよこれ!

ここから先はユーザの想像にお任せしますと言われれば納得出来なくもないんですが、それでも中途半端に終わりすぎです。あれこれ想像を膨らませることも出来ません。ハッピーエンドにしろバッドエンドにしろきっちりオチをつけて欲しいって。もしかしたらそれだけで泣けたかもしれないのにさ!


  確かにシナリオ重視な割に話が繋がらなかったりしてツメが甘いですし、ノベルという性質上ゲーム性も皆無。だけど、シナリオ進行が一目でわかるフローチャートを表示できたり、要所要所のポイントに戻ることが出来たりしてプレイしやすいです。
しかし、シナリオが一本道であることと、分岐がおまけ程度の枝分かれでしかない(シナリオの流れに影響しない)のでせっかくのシステムが無駄になってる感じがするんです。

それと、ちょっと気になったのがレスポンスの悪さ。主人公以外のキャラに声が当たっているのも影響するのか全体的に重いです。シナリオが重いからってシステムまで重くしなくてもいいんですって。


  ヘタなエロゲよりはシナリオがしっかりしてるけど、加奈とかぶってしまう人にはある意味地雷なゲーム。まあ値段を考えれば、うん、まあ、いいんじゃないの?