Fifteen Hounds

   最近、エロゲの良作が少ないと思いませんか?

   なんかこう小ぶりと言いますか、良くも悪くも無難なタイトルが増えたような気がするんですよ。悪く言えばどこかで見たことのあるタイトルばかり、印象に残らないタイトルばかりと言いますか。まさか若者のエロゲ離れが起きているとは思いませんが、このご時世ですからね、メーカーとしても売り上げが落ちて予算がかけられないとか、冒険できないとか色々な事情があるんでしょうね。

   …という事情が本当にあるのかは分かりませんが、そんな時は同人ソフトをプレイすればいいぢゃない!ということで、今回は同人ソフトをプレイする機会があったのでレビューしてみたいと思います。今回レビューするのは「Fifteen Hounds」。同人サークル「MUYM」から発売されているタイトルです。ちなみに18禁ではありませんよ?

   このタイトルは未来から来た3つのチームが現代でバトルを繰り広げるんです。そこに主人公が巻き込まれ、主人公の元恋人が殺されてしまうんです。その犯人を突き止めるべく彼ら未来人と行動を共にし、真相を突き止め仇をとるというストーリーなんです。詳しい内容については公式webサイトや他のレビューサイトやなどを見ていただくとして(おい!)、プレイして感じた個人的な感想を書いてみたいと思います。


   いきなり結論から言いますが、想像していた以上に楽しめました。いや、もの凄く楽しめました。シナリオはマルチエンディングになっていて、いくつかのルートに分岐するんですが、どのルートもバトル的な要素とサスペンス的な要素が混ざって最後までシナリオに引き込まれていく感じがあります。この手の話が好きならたまらないでしょうね。どのルートもそれなりに長いシナリオであるにもかかわらず、最後までしっかりとしていて手抜きで終わるところがないのも好印象です。また、おまけルート(?)があったり、とあるルートをクリアするとミニゲームで遊べるようになるなど、遊び心もあったするのもなかなか。こういったサービス精神は同人ソフトならではといったところですね。


   個人的に感じた難点をいくつか。

   この作品はノベル形式になっているからなのか、台詞の先頭に名前が出てこないので誰の台詞なのか分かりにくいんです。本を読み慣れている人だと気にならないんでしょうが、フルボイスのエロゲに慣れきっている自分には台詞を見ただけでは誰の台詞なのか瞬時に判断が付かないことが多々ありました。

   また、システム面でも既読スキップや一部シーンを飛ばす機能などがあったりして親切ではあるんですが、プレイしたPCの環境のせいなのか、ちょっとレスポンスが良くなかったかなと思いました。マウスのクリックに機敏に反応しないというか、一呼吸あるというか。既読スキップ機能も共通ルートや一度通ったルートを再プレイするときにサクサクスキップしていかないのもちょっと苦痛でした。その辺はエフェクトをOFFにする設定などがあればより快適にプレイできたんじゃないかなと思いました。(※後にリリースされた修正パッチを適用するとバックログなどの機能が快適になるそうです)

   とはいえ、これらが致命的な難点というわけではなく、市販タイトルと比べても決して差があるというわけではないんですが、全体的な出来がいいので余計に気になったんですよね。


   今回は偶然にも販売しているお店に行く機会があったのでパッケージ版を購入できましたが、最近では同人ソフトもダウンロード販売しているオンラインショップもありますので、同人ソフトの中ではかなり入手性は良いと思います。また、このソフトのパッケージは同人ソフトでは珍しく市販のエロゲと同じくらいの大きさなので、パッケージの置き場がちょっと…なんて人はダウンロード販売がオススメですよ。


   このタイトルは市販ソフトではありませんが、値段以上のボリュームがあって楽しめますし、ゲームの雰囲気とか絵柄とか好みに合えばオススメのタイトルです。


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