このタイトル、買おうかどうか凄く迷っていたんです。なぜ迷っていたのかというと、俺はファンタジーっぽい話が好きじゃないからなんです。だって、タイトルに奇伝と書いてあるじゃないですか。魔術とか剣とか聖杯戦争とか言ってるじゃないですか。普段なら違いなくスルーしてしまう内容なんですよ。でも、前作の月姫は評判も良かったし、なにしろ実力のあるブランドじゃないですか。名作になるかもしれないタイトルをプレイせずに無過ごすのは勿体ないじゃないじゃないですか。食わず嫌いは良くないじゃないですか。そう思って、初回版が店頭から消えそうな頃になって買いに行ったわけです。
そのFateの内容なんですが。予想通りというか、主人公自らが魔術師(?)ということもあって、魔術云々の話ばかりなんです。思わずメッセージをスキップしてしまうくらい魔術とか聖杯戦争の話ばかりなんです。しかもそれの説明がやたら長くてシナリオの進行を妨げてるように感じてしまうんです。シナリオも終盤になるとタルくて投げ出しそうになるんです。むしろ、絶対投げ出してしまうところなんですが、なぜ投げ出さずに最後までプレイできたのかというと、それは予想していた以上に面白く感じたからなんです。と言うのも、キャラクタの個性がしっかり生きているので日常の会話のやりとりが面白いんですよ。それと、表現の描画も細かく設定もしっかりしているのでイメージも湧きやすく物語にのめり込めるんですよね。まあ、それが前述の説明の長さにつながっているわけなんですが…。戦闘シーンの(?)ビジュアル的な視覚効果を多用しすぎな感じも受けましたけど、システムも親切でプレイしやすいのも良かったと思いますし。
そんなわけで結論。良く出来たタイトルですから、こういう話が好きな人だったら気に入るタイトルなんじゃないかなと思うわけです。が、個人的にはやっぱり魔術とかそういうのはダメでした。最後まで馴染めなかったです。やはり魔術というものが現実離れしすぎてるからでしょうか。そりゃあ、俺が最も得意とする病弱系や義妹系も現実にはあり得ないとは思いますけど、少なくとも魔術よりはずっと現実的じゃない?魔術云々でつじつまが合ってしまうよりいいんじゃない?って思うわけです。まあエロゲ自体が現実的じゃないって言われればそれまでですけどね。
俺的には、TYPE-MOONらしくなくなるかもしれないけど、こういう魔術とか奇伝とかいうジャンルじゃなくて、普通の恋愛系だったりしたら気に入ったタイトルになったんだろうなと思った一作でした。
つまり、あれです。要するにセイバーと遠坂と桜の中で誰か一人を選べと言われたらもの凄く迷うってことですな!<ええっ!
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